アイラブユーって言いたいな
あれから結構な日が経ってしまったがやっと完成した。
積み上げてきたデータを全て消去してみたら数時間ほどでだった。
こんなつもりじゃなかったのに。
でもこれが今の私なんだろう。
一応念のため共有してみる。
ダメならまた作り直せばいいので大丈夫だ。
「すみません。」
「よろしくお願いします。」
「ありがとうございます。」
「助かります。」
そんな電話を今年は幾つもした。
心を込めて。
麻痺しないように気を付けたい。
病院に行った。
また美容院に行けなかった。
歯医者にも行けなかった。
郵便局には行けた。
今日は夜、友達に会いにライブハウスに行く。
梅田ハードレインに着く。
ここは洞窟の奥で明かりを灯しているような箱で、ここでよく以前は弾き語りのライブをしていた。
ずっと何年も毎回1万5000円を払ってその日の共演者+2人ぐらいのお客さんの前で歌を歌っている日々だった。
懐かしい気持ちにもなれないほど戻りたくはない。
目の前の酔っ払ったお客さんの携帯電話が鳴ってその人がそのまま通話し出す屈辱を浴びたこともあった。
もうあの優しい受付のお姉さんは居ないんだろう。
人が変わっても箱が呼吸してるのを感じると私たちはひとりぼっちなんだということを自覚する。
何年ぶりかにバイト先に行ってみた時のような、かつての私に似た幻影を探してしまう。
ライブハウスは誰かと会える場所だけど僕をひとりぼっちにする時がある。
彼にだけはもう会いたくなかった。
きさちゃんはいつも明るく柔らかく私を包んでくれる。
その温もりにいつも私は溶けてしまいそうになる。
ライブを観ていたら目の前で放たれてるものとはまるで別の言葉と音楽が急に流れ込んできた。
少し離れた場所に移動して脳内から溢れ出す澱みをこぼさず掬うようにメモに打ち込む。
それでも尚、きさちゃんの歌声は私を包んで溶かしていく。
涙は出ないけど身体の何処かが泣いてる声がした。
終わってからこの何年の空白を埋めるためにいっぱい話したかったけど、これを逃すともう2度とライブハウスに行けない気がしてすぐに家に帰ってきた。
ライブハウスにお客さんとして行くことはもうほとんど無くなったけど良いイベントだった。
やることが山積みなのに今からギターを少し触ってしまうことを許してほしい。
音楽なんて大嫌いだ。
でも、音楽を作ってないと僕は歩き方がわからなくなるのかもしれない。
くぴぽ味園ユニバースワンマンまであと9日。