#6_What is the concept of Genius?
バットジーニアス、いい映画だったので書き残しておく。
まずはその手法。
わずか130分少々にして、ここまで鮮やかに多くの切り口と示唆を書き込んでいる映画は久々。脚本書いた人と監督ブラボー。ハリウッドはちゃんとこの手口を盗んでいただきたい。
描かれているのは、
アジア特有の学歴社会/賄賂社会/貧富の差と、その合わせ目からこぼれだす憎しみや悲しみ。そして高校生らしい浅慮に伴う様々な掛け違いと有り余るパワー。加えて、彼らに期待し、心配し、見守る親や教師といった大人たちがもたらす光と闇。
「どうして大人はやっていることを私たちはやってはいけないの」
考えさせられたことは、
目まぐるしく移り変わるこの世界であっても人の成長にはどうしても時間がかかり、立ち止まり、向き合いながら歩いていく必要があって。
「やってはいけないこと」という普遍的なことでさえ、日々のスピードの中で色あせて現実味がどうしても薄くなるけれど、時々は足を止めて、考えて、答えを出したり、折り合いをつけたりしながら生きていかないといけないはずで。
だがしかし、そういう大事なことすら私たちは忘れがちな日々を過ごしている。大人ならやっていいんだっけか?
あとは役者さんたちが良かった。
主役の4人のくるくる変わる表情豊かな演技にも、主人公のお父さんの慈愛に満ちた姿にも魅せられた。
多分なんだけど、タイ人の役者さんたちは顔の造形が日本人とよく似ている(相当なじみのある造形である)ので、登場人物がわからなくなるなんてことは絶対にない。台湾映画並みに落ち着くというか。アジア映画のいいところよね。
そのうちDVDでこっそり夜中にまた見ると思う。
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