#0-2 導かれるように ~名古屋晴明神社

予期せぬ車の故障によって夫の実家に帰省せず、
名古屋のお正月を満喫することを決めた私たち。
「でも、車はあるんだ。せっかくだから、名古屋のどこかの神社へ
初詣に行こうか。」という夫の提案で、
用意してもらったレンタカーで、初めての名古屋の初詣に行くことに
なりました。

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レンタカーが届いたのち、私たちは支度を済ませ、
朝10時過ぎに自宅を出発しました。

名古屋で有名な神社といえば「熱田神宮」がありますが、
言うまでもなく、大変な混雑が予想されます。
ですので、そこは後日にすると決めました。

夫がインターネットで検索すると、千種区というところに
名古屋の有名な神社のひとつ、菅原道真公が御祭神である
「上野天満宮」がありました。
まずはそこにいってみようと車を走らせ、
まだ慣れていない名古屋の街を眺めながら、
家族3人での、まったりなドライブを楽しみます。

私「どこも混んでるだろうけど、空いてるといいねぇ」
呑気にそんなことをつぶやきながら、初めて見る都会の景色に
胸を躍らせていました。

お正月ということもあり、上野天満宮の近くまでは順調なドライブでした。
ですが、近くの駐車場はどこも満車。嫌な予感がしました。

ふと辺りを見まわすと、天満宮の周囲の壁沿いに、
ずらずらずらと長蛇の人の列が並んでいます。
私「うわ、こんなに並んでる・・・・」
ざっと見ても、100人以上の方々が、今や遅しと列に並んでいます。
2歳の小さな子供を連れて、こんな長蛇の列に並んでみようものなら、
「もーかえるー!!!」のぐずりが始まることは容易に想像がつきます。

夫「仕方がない。別の神社を探すか。」
近くの神社を探すも、どこの神社も大混雑です。
私「さすが名古屋。お正月の人出を甘くみてたね・・・」
田舎育ちの私たちは、ただでさえ人の多い都会の、初詣の人の多さを
まじまじと実感させられたのでした。

さて、どうしようか。
名案が浮かばぬまま、あてもなく市内をドライブする私たち。
慣れない道のため、どこを走っているのか、方向感覚もつきません。
そのうち、なぜか車は一方通行の道へ入り込んでしまいました。

そこは、ナゴヤドーム(現:バンテリンドーム名古屋)へと続く
住宅街の道でした。
目の前に、大きなドーム球場が見えてきます。
私「おお!これがドームなんだ!大きいねぇ!」
初めてみるドームに、神社そっちのけで息子と私は大歓喜。

しばらく細い路地を進むと、何やら左手に鳥居が見えてきました。

【 晴明神社 】
よく見ると、白い看板によく見る五芒星が赤い色で書かれ、
その下に「晴明神社」と筆文字で書かれています。

そして、【 御祭神 安倍晴明公 】とあります。
私「え?? 安倍晴明が祀られているの??」
私は、びっくりして思わず看板を見つめました。

安倍晴明公といえば、かの有名な平安時代中期の陰陽師で知られます。
これまでも、多くの神社へ訪れたことがある私たちでしたが、
安倍晴明公が祀られている神社は、見たことがありませんでした。

全く狙っていったわけではない、細い路地の横にあるこの神社。
大きさも小ぶりで、全く混雑してもいません。

幸いにも近くに車を止められる場所も見つかり、
ここなら初詣もできそうです。

導かれるようにここにたどり着いたのもなにかのご縁。
初詣はここでさせていただくことにしました。

小ぶりの神社ではありますが、大きな五芒星が幾所にも表され、
なんだかワクワクしながら、階段を上ります。

狛犬もきりっとしてなかなかのイケメンさん。
小さな鏡が、お社に祀られています。

不思議なのが、さすがは陰陽師。
願いに合わせた護符が、お守りの代わりに売られています。
せっかくなので、気になった護符を頂戴して帰ろうとしたところ・・・

「これをどうぞ」と呼び止められ、宮司の方が差し出してくださったのは、小さな袋。
中身は、カラフルな金太郎飴に、五芒星と「晴明神社」の文字の書かれた
小さな紙が入っていました。

思わぬプレゼントに息子は大喜び。
私もなんだか素敵なご利益がありそうで、
ほっこりした気持ちで、飴を味わいながら家路についたのでした。

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名古屋で初めての初詣は、意外なご縁からはじまりました。

ですが、今考えてみると、この晴明神社にお参りしたころから、
私の「見えない存在」との交流が頻繁に始まったような気が
するのです・・・

~ #0 おわり ~

■ 名古屋晴明神社(名古屋市観光情報 内)

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