![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16007098/rectangle_large_type_2_5fcc0ce5b9f8fff79e6f935966a3e00b.png?width=1200)
【演劇】スーパー・エキセントリック・シアター
今日は劇団スーパー・エキセントリック・シアターによる「ピースフルタウンへようこそ」を、兵庫県立芸術文化センターで観てきました。
ミュージカル・アクション・コメディーと銘打っているとおり、歌あり、ダンスあり、アクションありの楽しいお芝居でした。今日は大千穐楽ということで、アドリブやギャグも少し長めにサービスしてくださったようで、私たち観客は手を叩いて大喜びでした。
幕間に三宅裕司さんと小倉久寛さんのかけあいがあるのですが、三宅さんが「もっと引き出しはないのか?」とむりやり小倉さんに面白いことをさせようとするのが面白くて、大笑いしてしまいました。
舞台はいっけん平和で華やかな高級住宅街。実は事故や事件が起きているのに、街ぐるみで隠蔽してイメージを保とうとしている。その時に使われていた言葉に、ハッとしました。
「これは、ショーなんだよ」
なんでも強引にミュージカルにもっていくというギャグに見せかけて、実は社会に対する鋭い風刺だったのです。
SETは今年、創立40周年を迎えられたそうですが、私はSETを観るのは今日が初めてでした。
実は先日Eテレで放送されたSWITCHインタビュー 達人達「三宅裕司×レキシ」を見て、どうしても三宅裕司さんにお会いしたいと思ったのです。
三宅さんは、ミュージシャンのレキシさんから、「自分のやっていることに飽きたらどうしようという恐怖がある」と相談されて、その相談に直接答えるのではなく、「われわれは舞台で同じことを30回から40回くらいやるわけだけど、やっぱり毎回違っていて、毎回アドリブに見える。それはしっかり稽古しているから」というようなことをおっしゃっていました。
レキシさんはその言葉を聞いて、「飽きるなんて何を言ってるんだ、そのくらいの域まで行っているのか、とお叱りを受けた気がした。涙が出そうなお言葉で、とても励まされた」と感激されていました。
そのように受け取られたレキシさんもすごいのですが、積み重ねて来たものの大きさを振りかざさない三宅さんの謙虚な姿勢、その温かいお人柄に心を打たれました。稽古場でスタッフさんに注文する時も、「お願いします」といった感じで、とても腰が低い。ふんぞり返ったりしてないのです。そのVTRを見て、ああ、どうしてもこの方には一度お会いしておかないといけない!と強く思ったのです。
そして今日、お会いできて本当に良かった。劇団員に無茶振りをしたり、つっこんだりする姿は、安心して見ていられる温かいもので、だから思わず笑ってしまう。これは、三宅さんの持つ余裕、謙遜な人柄によって起こる「笑い」なんだなと実感したのです。三宅さんの飄々とした、余裕たっぷりの佇まいの奥には、相手を観察して的確な言葉を選ぶ冷静沈着さがあるんだろうな~と思いました。
あと、ごく普通のことを言っているのに面白く聞こえるんですよね。「それはあなた個人の意見ですよね」「私が団体に見えますか?」とか(笑) ちゃんと脚本があるんだろうけど、アドリブに見えるから、つい笑っちゃう。
観終わった後も、心がホカホカ、顔がニコニコなってしまう、そんな素敵なお芝居でした。
創立40周年おめでとうございます!!