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8.28サヨナラ勝ちでの涙と笑顔

2020年8月28日、本拠地ズムスタにて、今季初のサヨナラ勝ちを果たしたカープ。この夜、ヒーローとなった上本選手について思い出すたび、胸がじんわり暖かくなります。余韻が残っているうちに、したためておきたいと思います。

まずはこの涙と笑顔!本当によかった。上本選手がヒーローになって、本当に嬉しいです。

ただのサヨナラ勝ちではないんです。今年はホームでの勝率が非常に微妙なので、今季初・サヨナラ勝ちであること、これももちろん嬉しいです。けどそれ以上に、
プロ8年目の上本選手が、初めて決めたサヨナラタイムリー。そして、選手として初ヒーローインタビューとなった、2020年の印象深いゲーム5本の指に入るに違いない、思い出深い一夜になりました。

サヨナラ勝ちを決める前の上本選手

今季は課題だった打撃も好調で、スタメン出場の機会も増えてきた上本選手。けれど、目立つエラーもいくつかありました。元々、俊足と堅牢な守備が評価されているから、たまにやる“やらかし”が印象に残ってしまう。

この日も8番ショートでスタメン出場するものの、9回までの3つの打席はいずれも凡打。かつ、9回表での送球ミスが暴投となって、結果としてバッターランナーをセカンドまで進めることになり、同点に繋がってしまいました。3対3で迎えた9回裏。今季のカープは投手事情がなかなか苦しいので、延長にまで縺れると厳しいんだけどなあ上本…!?と、ちょっと責めたい気持ちにもなってしまいました。

そして迎えた9回裏、ヒットで出塁した松山選手に代わり俊足の野間選手が代走として出てきます。続く打てる捕手・坂倉選手が内野安打を放って、1アウト1,2塁となりました。大チャンス!
ここで代打を送るのかどうか、ちょっと迷いどころ。けれど佐々岡監督は、代打を送らず、そのまま上本選手を打席に立たせました。ベンチには打率の高い選手がまだ残っていたにも関わらず。

9回裏1アウトの打席

中継を見ていた私は(代打を出さないんだ)と思いました。価値にこだわるなら、代打を送るべきじゃないのか。ここまで3タコだし、直前に守備ミスもやらかしている。でも一方で、佐々岡監督らしいな、と思いました。
上本は打つかもしれない。そんな予感がありました。きっと失策をものすごく悔いていて、なんとかしてやろう、気持ちで打ってやると思っているに違いない。
阪神は超・前進守備を取りました。外野陣が内野すれすれまで上がってきて、何としてでもゴロにしたる、という意気込みを感じました。凄まじい帰巣本能を持つ野間選手が2塁に居るし、上本選手の3タコを鑑みれば、当然の判断だとは思います。けどテレビ画面を見守りがら、ふつふつと(こんなに前進守備して、うちの上本、舐めないでもらえます!?)とボルテージが高まってきました。やっちゃえよ、上本!気持ちで打てよ‼︎
そして3球目。上本選手が放ったヒットは、センターの頭上を超えて行きました。前進守備を敷かなければ、近本選手が悠々取れたはずの場所に落ちる白球。
爆発する歓声。野間選手が帰ってくる。勝ち越し!サヨナラ!ベンチから賑やかな面々が、いっぱいの笑顔で上本選手に向かってダッシュしてくる。(ベンチを飛び出すタイミングが早すぎて、解説の安仁屋さんに怒られていた模様)

みんなすっごい笑顔。特に鈴木誠也選手、野間選手、菊池選手の笑顔が印象的でした。仲の良い野手陣。上本選手も笑顔。だけど不意に溢れる涙を、ユニフォームで拭う。彼を取り囲みながらベンチへ帰っていく皆の笑顔があたたかかった。見守りながら、私も泣きました。よかったなあ。やったな、上本。

そして上本選手単独のヒーローインタビュー。野間選手の「通訳」として立ったことがあるけど(2018年6月28日の巨人戦。おちゃらけが過ぎて怒られた時の「もう二度としません」記念Tシャツ)選手としては初めてのヒロインでした。「面白いことしてー!」という女性ファンのコールにも苦笑いして、ちょっと涙を堪えながらの、真摯で噛み締めるようなヒロインでした。

上本選手の活躍に泣く理由

上本崇司。背番号0番。広島出身、2012年ドラフト3位の8年目。内野・外野すべてのポジションをこなせる万能選手です。

俊足を生かしたディフェンスが売りの8年目内野手。昨季は主に代走や守備固めとして31試合に出場するも、後半戦は二軍暮らしが続いた。今季は課題のバッティングを磨き、さらなる出番を勝ち取りたい。(Sports naviより)

カープ1のムードメーカーでもあります。
先輩も後輩もマスコットも、みんな大好きタカシ!

去年のキャンプ入りの挨拶も盛り上げていました。長野さんや新人選手をリラックスさせてくれる上本選手。

ファンも大好き上本選手。
数年前の夏、降雨の為に1時間半の中断後、中止となった試合を父と観に行っていました。ポンチョを被ってアイスを食べながら「たいして試合も観れなかったね」などとぼやいていたら、上本選手がひとり出てきました。
そして雨の中、敷かれたシートの上で全力疾走、ヘッドスライディング!
球場のファンは大喜び。一瞬の一発芸、試合は観れなかったけど上本選手の優しさが嬉しかったです。「中止になったけど、面白いパフォーマンスを観れて得したね」と、ちょっと幸せな気持ちで帰路についた夏を、よく覚えています。

シーズン中は、誰よりもはやく球場入りして練習に励む、努力の人でもあります。去年6月26日、中国新聞のコラム「球炎」にて、五反田記者が、上本選手について書いた記事。めちゃくちゃ泣きました。大好きです。


だから皆が笑顔になる

カープは、印象的なゲームとなった試合翌日に記念Tシャツを限定発売しています。今回は「上本打った 泣いた みな喜んだ」。

Tシャツの紹介文を読んでまた泣きました。そう、上本選手がミスを挽回したこと、初めてサヨナラタイムリーを打ったことももちろん嬉しいのだけど、選手みんなが大喜びしていたこと。泣く上本選手をあたたかい笑顔で取り囲んでいたことが、本当に嬉しくて。

3-3の同点で迎えた九回裏、ミスを挽回する思いで放ったヒットは、プロ8年目にして初めてのサヨナラ打。
球団としても今シーズン初めてのサヨナラ勝ちとなりました。
チームのムードメーカーが感極まって涙する姿と、駆け寄って褒めたたえる選手たちが印象に残った試合でした。
ファンの皆様とも喜びを分かち合いたいという思いを込めて作った一枚です。(オフィシャルグッズショップWEBサイトより

カープが広島にいてくれるだけで幸せ。みんなが怪我なく元気でプレーしてくれたら、もっと幸せ。試合に勝ってくれたら、まる一日幸せ。そして活躍したのが、ずっとその頑張りを見守っていた努力の人だったら。ミスを犯しても取り返そうとする、つよい気持ちで成果を残してくれたら、最高に幸せです。

120試合のうちの1日が、特別な試合になりました。いよいよ2020年シーズン後半戦。皆にとって良いシーズンになりますよう、願いながら応援していきます。

2020.9.1追記
Numberにも上本選手の記事が!泣けました。
初サヨナラ打で涙のカープ上本崇司。「こんなに試合に出るのは初めて」

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