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神戸パティスリーPROJECT「ORIGINE KOBE(オリジンコウベ)」について

神戸に暮らしてよかったなと思うこと。海と山が近く“絵になる”風景が多い、映画館が多い、万年筆コレクター/文房具マニアが喜ぶ店舗&イベントが多い、そして美味しいパティスリーが多いこと!
個人的に、神戸は洋菓子天国だと思っているので、いつかパティスリー巡りをする時のために、情報を纏めてみようと思います。

洋菓子の街・神戸

昨日「ガイアの夜明け」で、羽田市場のルートを使って新幹線で運び、東京駅の駅ナカ回転寿司店で獲れたて鮮魚を出す…という取り組みを紹介していました。
こういうご時世ですし、“美味しいものは、現地に行かないと食べられないよね”という既成概念をぶち壊す、面白いプロジェクトだなと興味深く視聴しました。
けれど、いかに物流網が整おうとも、やっぱり”現地に行ってこそ”の喜びはある。そのひとつが、神戸が誇る洋菓子だと思うのですよね。

神戸発の有名な洋菓子店は数多く、ざっと挙げればアンリシャルパンティエやモロゾフ、ゴンチャロフ、ツマガリ、エスコヤマ、ケーニヒスクローネ、Tooth Toothなど…以前、岸田奈美さんがnoteで話題にあげられていたア・ラ・カンパーニュも、神戸発です。神戸すごい。
これらの店舗は、全国の百貨店に進出している大手なので、ほぼ“どこでも買うことができ”ます。
ですが、私が数年前からハマっているのは、“神戸に1店舗きり”の超人気・有名パティスリー。なかでも、ハマるきっかけにもなった“推し”は、神戸の有名パティシエ8名がユニットを組んだプロジェクト「ORIGIN KOBE(オリジンコウベ)」のパティスリー達です。


「ORIGIN KOBE(オリジンコウベ)」について

<参加メンバー>
パティスリー モンプリュ:林 周平シェフ
ラヴニュー:平井 茂雄シェフ
パティスリー エトネ:多田 征二シェフ
マ・ビッシュ:村田 博シェフ
パティスリー アキト:田中 哲人シェフ
パティスリー アグリコール:奥田 義勝シェフ
コンパルティール ヴァロール:大西 達也シェフ
パティスリー ラトリエ ドゥ マッサ:上田 真嗣シェフ

リーダーはモンプリュの林シェフ。(神戸パティスリー界のドンだと聞いたことがあります)(先日、コンパルティール ヴァロールでお茶をしてたら大西シェフとお話されている場面に遭遇してテンション上がったなあ…!)

2015年初春に発足したプロジェクトです。
同年10月に、甲南大学で開催されたオリジンコウベ公開講座に参加したのですが、その時の聴講メモから紹介文を。

普段からイベント等で密接に関わり合いがあり、意見交換していたシェフ達が「神戸を盛り上げていくために、自分達から発信できないか」と発足したプロジェクト。
同じテーマ(コンセプト、素材)を用いたケーキを、春夏・秋冬コレクションとして毎年2回ずつリリースしていく。その他、パティシエが講師役を務める講習会などイベントも開催していく。

自店舗の発展だけでなく、神戸全体の盛り上がりの為に協力していこう、というパティシエ達の熱い心意気に、グッときます。プロジェクト発足の経緯やビジョンは後述にて。

高い能力や個性を有したパティシエ達が、毎シーズン、ひとつのテーマに沿って新しいケーキを作り上げる取り組みに、単純にワクワクします。コンテストみたいですよね。
しかもそれを、私たちは各店舗で頂くことができる!なんという贅沢。
毎シーズンいただくたびに、各店舗の個性が存分に発揮されたケーキに仕上がっていることに驚きます。

今季、2020年春夏コレクションはパイナップルをメインに使ったケーキ「La Mer(ラ・メール)」。今日は一番好きな「パティスリー アキト」で買ってきました(写真手前のケーキ。奥の「ゆずとミルクチョコ」も美味しいんですよね…!)。

アキトのケーキはフランスのお菓子っぽい、かなり甘く濃厚な味わいです。
ベースにジェノワーズが敷いてあって、その上にココナッツのメレンゲ。覆うようにパイナップルのムースソースが重なり、間にパイナップルのジュレが仕込んであります。コンパクトなサイズだけどかなり甘めで濃厚な味わいなので、ボリュームは充分。コーヒーと一緒にいただくとバランス絶妙なスイーツでした。
モンプリュのラメールはグレープフルーツのムースだそうです。こちらは爽やかな味わいっぽい、食べてみたい!


1DAY-オリジンコウベ巡り

オリジンコウベの店舗は、神戸市を中心としてわりと密集しているので、頑張れば1日で回れるのでは?と思い、プランニングしてみました。もう少し暑さが和らいだらチャレンジしてみたい!
もちろん、オリジンコウベのコレクション(今季なら「La Mer(ラ・メール)」)を食べ比べ、各店の個性的な味に酔いしれる旅です。

でもいざ計画してみると、1店舗ごとの持ち時間は30分程度しか無いし、観光スポット巡りもできないしで、なかなかなハードスケジュールでした…もし県外から観光を兼ねて「ケーキ食い倒れツアー」をするなら、2日に分けたほうがよさそうです。

スタートは、北野異人館にほど近い超絶人気店「ラブニュー」から!

1. 10:30〜「L'AVENUE(ラヴニュー)」
神戸市中央区山本通3-7-3 ユートピア・トーア1F

各線 三宮駅から、北野坂を登ってちょっと西へ、徒歩15分程度。もしくはシティーループバスを利用すると楽に到着できます。朝イチにスターバックス神戸北野異人館店に寄ってから向かってもいいかも。

北野異人館を巡りながら立ち寄ると良いのでは。先日、近所に行きがてら店舗を覗いたら、人気すぎて入店すらできませんでした…!憧れの店。


2. 11:45〜「patisserie mont plus(パティスリー モンプリュ)」
神戸市中央区海岸通3-1-17

「ラブニュー」からトアロードを降りると、神戸の人気スポット旧居留地があります。その中心地、大丸神戸店ちかくの路地にあるモンプリュへ。徒歩20分程度かと。
人気店なので、休日は待ち時間が必要かもです。ケーキの種類も多いので、サイトで事前にチェックしてから入店したい。


3.13:00〜「patisserie AKITO(パティスリー アキト)」
神戸市中央区元町通3丁目17-6

モンプリュから栄町通りを西へ。お洒落なセレクトショップやアクセサリーショップが多い通りなので、じっくり見て回ると半日経ってしまう。勿体無いですが、まっすぐアキトへ向かえば、徒歩10分位で到着する筈です。
ネット通販もしているミルクジャムが有名なので、お土産にすると喜ばれます。大阪在住の妹に会う時の手土産はいつもここのジャム。ショコラとピスタチオの二層ミルクジャムなど、珍しいし、ビジュアル込みでとても良いです。


4.13:45〜「COMPARTIR VALORコンパルティール ヴァロール)」
神戸市中央区栄町通4-4-8

アキトから徒歩3分。「海岸線 みなと元町駅」上にあるパティスリーです。近くにある老舗の超人気ケーキ店「元町ケーキ」の3代目オーナーシェフである大西シェフが2017年にオープンした姉妹ブランドです。
広々としたお洒落な雰囲気の店内で、落ち着ける穴場的ショップです。
ここから電車で移動!コンパルティール ヴァロールから元町商店街を西へ4分程歩き、「西元町駅」から一気に東へ向かいます。


5.15:00〜「Patisserie etonne(パティスリー エトネ)」
芦屋市大桝町5-21

阪神芦屋駅から徒歩5分。神戸北野ホテルで15年腕を振るってきた多田征二シェフが、セレブの街 芦屋にオープンしたパティスリー。多田シェフのケーキオシャレなんですよね…美しい。
(イートインの席数が2席だけっぽいのが唯一の不安要素…)


6.16:00〜「ma biche(マビッシュ)」
芦屋市大原町20-24 テラ芦屋 1F

エトネから山側に向かって、おそらく徒歩10分程で歩けるかと思います。JR芦屋駅北口から徒歩5分。こちらの記事を拝読すると、「ホテル阪急インターナショナル」時代に、モンプリュの林シェフや、アキトの田中シェフ、エトネ多田シェフとの出会いがあったそうで、凄いなホテル阪急。


7.17:00〜「L'atelier de Massa(ラトリエ ドゥ マッサ)」
神戸市東灘区岡本4-4-7

JR芦屋駅から西へ2駅ほどの摂津本山駅へ。4分ほどで到着。駅から徒歩約10分だそうです。これまでのオリジンコウベ用のケーキが纏められていて、見ごたえあります。30分ほどでお店を出て、ここから一気に西へ向かいます。


8.18:30〜「Patisserie Agricole(パティスリー アグリコール)」
神戸市垂水区霞ヶ丘5丁目1-26 or  垂水駅前店

滑り込み!19:30closed、ギリギリです(なので2店舗中、垂水駅前店を選択せざるを得ない)。
JR摂津本山駅から西へ、各停で35分の旅。オリジンコウベツアーの終着点、垂水駅へ。夏ならJRの車中から、須磨海岸の夕焼けが眺められて素敵なロケーションだと思います!線路から海が近くて最高のビューポイント。インスタのケーキ写真がめっちゃ美味しそうだし、地元密着のケーキ屋さんなんだなあ…と微笑ましくてよいです。


2015年10月の公開講座にて

5年前の10月31日、甲南大学の「甲南プレミア・プロジェクト 公開講座」で、オリジンコウベのパティシエ7名が勢揃いした回を聴講したことがあります。いま振り返ると、本当に貴重な機会でした。

秋冬コレクション「エサンス」を試食することもできたのです。「L'atelier de Massa(ラトリエ ドゥ マッサ)」のエサンスをいただきました。濃厚でとてもとても美味しかった…!

備忘録を兼ねて、その時の聴講メモから、印象深い言葉をピックアップ。

テーマ:「7人のパティシエが描く神戸スイーツ」

パティスリーモンプリュ:林周平氏
イグレックプリュス:多田征二氏
ラブニュー:平井茂雄氏
元町ケーキ/コンパルディール ヴァロール:大西達也氏
パティスリーラトリエドゥマッサ:上田真嗣氏
パティスリーアグリコール:奥田義勝氏
パティスリーアキト:田中哲人氏
甲南大学ビジネス・インキュベーション研究所:西村順二先生

春夏/秋冬コレクションのテーマ設定

・まず3つの要素(素材)を皆で考える。そこから3つの要素に合う“キーワード”を作る。主役は決めずに進めるので、7名の個性が出てくる。打合せ無しで作っていき、バラバラのケーキが出来上がる
・2015年秋冬コレクションは、バニラ、ノワゼット、アグリュームを使用。「エサンス」というコンセプトでケーキ作りに取り組んだ
(各パティシエが、それぞれ生み出したケーキの考え方や特徴を説明。各々の得意技や個性が存分に発揮されていたり、価格や定番商品とのバランスの考え方など、非常に面白かったです)

プロジェクト発足の経緯と今後のビジョン

・オリジンコウベ発足時、“リーダーは林さん”と決まった
・人口比率と店舗数、地元消費量のバランスを見ると、神戸はスイーツ日本一…正真正銘の「お菓子の街」。しかし外国人に聞くと「お菓子の街は北海道」と言う。おそらくは”お土産”のイメージ。“日常のお菓子を”と考えるなら、神戸は大いにポテンシャルがある
・しかし今後、人口が減っていくと、店舗同士が食い合いになる危機感がある。そうしないために、もっと「お菓子の街」をアピールするべきではないか。そうすれば店舗が増え、洋菓子のレベルが更に上がる…という良い効果が出るのでは?と考えた

・いずれはこのメンバーで「神戸といえばこのお菓子」という商品が出来たらいいなと思っている
・“スイーツの街”というのは、日本には無い。神戸ビーフは有名だが、どこの店舗が最も有名?と言われると浮かばない。転じて、神戸には“スイーツの有名店”は多い。もっと洋菓子の店舗に目を向けてもらおう
・オリジン=オリジナル。神戸から発信していこう


オリジンコウベのこれから

Facebookで発信されているようです。オフィシャルサイトを持つにしても、更新が難しいですもんね。
(拡散力の高いSNSのバリエーションを増やしてもらえたらな…と、1ファンとしては思いつつ。。。)(noteが向いているかも?情報の集積地としてもベストだし)

あと、焼き菓子だったら、WEB通販で買えるのですよね。私の推し・元町にあるパティスリー3店舗の焼き菓子詰め合わせ!

どうやら今秋、「オリジンコウベ本」が出版されるとのことで、めちゃくちゃ楽しみです!粋でかっこいいパティシエたちの、今後ますますのご活躍を、1ファンとして願ってやみません。
そして必ず、1DAYオリジンコウベ巡りツアーを達成したい!2020年の目標とします。


追記:過去のオリジンコウベ コレクション

2015春夏コレクション
テーマ:“シャンパン” “ローズ” “フランボワーズ”を組み合わせた「エレガンス」

2015秋冬コレクション
テーマ:“バニラ” “ノワゼット” “アグリューム”を組み合わせた「エサンス」

2016春夏コレクション
テーマ:“フロマージュ” “キャラメル” “ハーブ”を組み合わせた「ピクニック」

2016秋冬
テーマ:“チョコレート” “塩” “セミコンフィ”を組み合わせた「アクソン」

2018春夏
テーマ:生地「Consistance(コンシスタンス/フランス語で食感の意)」

2018秋冬
テーマ:「クレーム」クレームパティシエールやバタークリーム、クレームシャンティイ、シブーストクリームなど様々なクレームをフィーチャー

2019春夏
テーマ:ふわふわ/商品名「Nuages(ニュアージュ)」はフランス語で「雲」の意味


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