蜜柑
寒い。小寒になり寒さが本格的になってきたのか寒い。朝入れたエアコンはそのまま付けている。
私が幼稚園くらいまではわが家にはストーブもなくこたつが唯一の暖房器具だった。しかも窓は今のようなサッシでなく、ネジでキュッキュッと回す鍵の窓だったから強い風が吹くとカタカタいった。すきま風ピューピューだったろう。布団も重い褞袍をかけていた、もちろんヒートテックのような軽くて温かい下着もない。
こたつに足を突っ込んで手が黄色くなるほど蜜柑ばかりを食べていた。「お父ちゃんが3個食べたから私も3個食べる」と父と競争して食べていた。50年前は冬は蜜柑と相場が決まっていたのだ。
今も暖房がきいた部屋で食べる蜜柑は美味しい。でも、今はキウイも苺も蜜がいっぱいのリンゴもある、アイスクリームまである。掌が黄色くなるほど蜜柑は食べなくなった。蜜柑蜜柑と書いていたら食べたくなった。寒いけれどスーパーまでひとっ走り行ってこよう。冬は蜜柑だ。