わからないことがわからない(1)

11月の三連休。母と子2人で姉の家に一泊してきました。姉は調理師。食べず嫌いの息子を気遣って、工夫を凝らして献立を考え食卓いっぱいに料理を並べてくれました。そのご馳走を目の前に息子が発した言葉。「食べる物がないんだけど」

「食べるものが..ない?」だと??(怒)目の前にはご馳走がいっぱいだ!ルフィーなら間違いなく「宴だぁ〜!」って言うところだぞ!

怒りを抑えて、苦手な物を取り分けたお皿をどうにか息子の前へ。感謝の様子はない。

「僕、苦手なものが多くてごめんなさい。食べられそうなものを食べてもいいですか?」と言えないものか..。

姉に申し訳ないのと息子への怒りで、食事が美味しくない。

当日の昼間に、海鮮の有名な食事処へ行った私たち。息子のチョイスはタイの塩焼き定食。でもエビフライも食べたいと。私がエビフライ定食を注文し、息子に私のエビフライをパス。私は白いご飯とお味噌汁とエビフライ一本。本当は海鮮丼が食べたかったのに。

我が家の食事はくまなく息子ありき。外食も日々の献立も息子が食べられる物に必然的になる。コレって地味にストレス。例えるなら、離乳食〜チビチビ幼児の頃の外食。結構な確率でうどんじゃなかったですか?フードコート。夫はマックだラーメンだたこ焼きだって食べる横目で、妻は丸亀製麺。いえ丸亀製麺最高です!ねぎかけ放題だし。しかしながら、この永遠うどん状態が続いていると想像してください。ストレスたまりませんか?

また、実母に言わせると、息子の偏食は私の料理下手だからだそうです。もちろん義母も同じ意見だと思われますが。

そして翌日。朝まだ早いPAへ。ここはいつでも混んでる。大きなゲームセンターがある。行きは混雑回避でよらなかった。帰りは寄って帰ると約束していた。もちろん事前予告付きで「ゲームセンターは、やっていないかもしれない。だがやっていなくても私のせいではない。また、ゲームセンターのオープンの時間まで待つことはできない。」スムーズな旅の為には、ニ重にも三重にも事前予告が必要だ。ゲームセンターは幸いオープンしていた。幸いにも設定がいいのか息子の腕がいいのかスイスイ景品をゲット。こういう日もある。もちろん大物をゲットしたタイミングで「やったね!流石だよ!これ以上はダメね!あと1回で終了です。」このあと1回が大切。これも事前予告。

そしてそしてこの後。食事をしようということに。近場のレストランのメニューを見て「ここにする」と息子。いざレストランに入り着先すると、まだ朝メニューだった。「え?さっきのメニューと違うじゃん。食べるものがないんだけど」顔色が変わる私。この時点で娘がとりなす。小2が。「わかった。わかったよ!ね!店員さんに謝って他のお店に行こう!」次のレストランでは、しっかり朝メニューを確認し着席。しかしここでもワガママを発揮。天ぷら御膳セット。自分の好きなエビ天とうどんだけ食べて残す気だ。お土産も買いたい。所持金も底をついてきた。私は一番安い釜揚げうどんを注文。息子の豪華な天ぷら御膳セットの大根おろしを「もらうね」と使ってない箸でとった。普段、息子は薬味が嫌いで、大好物の隣にお漬物や煮豆マカロニサラダ等が、くっついただけで食べなくなる。なのに一言「食べるからとらないで」「....は?」私キレました。「あんた昨日から何なの!食べるのなら食べなさい!その天ぷら御前ぜんぶ残さず食べなさいよ!それはお金なんだよ!」「だったら自分の分は自分で払う!」ここで娘が泣き出した「半年ぶりの旅行なのに!やっとこれたのに!いつも兄のせいじゃん!もうヤダ!」....私も情けなくて泣けて来た。

会計を済ませ車の中へ。まだ娘は泣いている。この一年間、息子は塾で3人ででかけることは皆無だったから。息子の勉強の邪魔になるから我が家はテレビも禁止。娘は今回の旅を本当に楽しみにしていたから。

息子に言った「あんた、妹がこんだけ泣いてる理由、わからない?、可哀想だと思わない?」と。すると息子が初めて言った「ごめん。ちよっとわからない」「....そうか。この子本当にわからないんだ」パズルが私の頭にパシッとハマった気がした。今まで散々学んできた「自閉さんは物事の捉え方が違う。相手の気持ちを読むのが苦手です」というやつ。でもさ。仮にも中学受験にチャレンジしてみようかと思うくらいはあるIQになのに、日々のチグハグが、何でわからないの?と思ってた。でも息子は【わからないものはわからない】んだ。このバトルのおかげやっと私自身が気づけた。私「兄。今までごめん。本当にわからないのに、何でわからないの?何でわからないの?ってずっと言ってきたね。それは辛かったよね。ごめんね。」息子「うん」私「よし!わかった!兄の本当に譲れない気持ちの時はいいんだけど、毎日の小さなことあるでしょ?なにかしてもらったらソレが嬉しくなくても、ありがとう。兄が他の人にナニかしてしまったら、大したことなくてもごめん。これを言えると雰囲気がよくなる。生活が楽になるから練習してみよう」「わかった、ありがとう」「どういたしまして。わかってくれてありがとう」帰りの車は、ありがとうとどういたしましてがバンバンとびかって何と気持ちのいいことか。

泣いてくれた娘に感謝。





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