「いろいろやってますね」と言われがちな就職氷河期世代
「いろいろやってますね」って言われがちです。就職氷河期世代ってだいたいこんな感じかもしれません。ジェネラリスト養成ギブス。飲食から金融行政医療美容放送スポーツなどいろいろな業界を垣間見ることができて楽しいです。そしてわたしは音楽に戻ってきがち。
職務経歴書を提出して「業界」の視点で見られると、かなりとっちらかっているように見えてしまうけれど、結局「伝える・伝わる」の分野なのは共通項。気がつけば選んだり選ばれたりしている不思議。
さらに掘り下げるとやっていることは「聴く」に尽きると思います。
マーケティングを学んだ折に講師の方から言われた「何かを繰り返し行うことで無意識下でできるようになっていることこそが強みとなり得る。あなたの場合は"聴く"。7万人分聴いているのは大きい」が強く印象に残っています。
7万人は電話やメールで問い合わせを受けた数。手を抜いたことはありません。向こう側に「人がいる」と想像できるので真剣に向き合ってきました。
相手が話している途中で、潜む真意が把握できる(もちろん最後まで聴いて確信に変える)。相手が本音を話した瞬間がわかる。どんな相槌を打つとするすると話が出てくるかが身体で理解できている。確かに考えているのではなく脊髄反射のようにやっている。講師の方が指摘したとおり、それがいま礎になり、太い軸になっています。
数を重ねると超能力にもなり得るという考え方。よく「サンプル数は価値」という表現をしたりします。多少体調が本調子でなくてもできるレベルに到達している自覚があります。とにかく出社がしんどかった民としては「がんばってよかった」と思えています。
「専門家と専門外の人の間に立ち通訳する」役割は、私の存在意義。
専門家の話を聞いて理解し、専門外の人が理解できる語彙に変換して伝え、理解してもらい(逆も然り)、課題解決へ導くことが私の仕事です。
ライブハウスの舞台監督もコンタクトセンター運営も司会も。携わってきたこと全てが上のカッコの中で説明できちゃう。わからない側でいられるからできることかもしれない。"広く浅く「にわか」だからこそフットワーク軽くできる"ということに誇りを持っています。
そして、フットワーク軽くいられたから「旅に出会えました」。旅に出会えたことで、枠の中の思考に囚われて、自己肯定感も低かった過去の私から卒業することができました。時代の風に乗り、自由に働いて生きています。
これを読んでくださっているあなたも、日々何気なく繰り返し行っていることが財産になっているはずです。ぜひ振り返ってみてほしいです。
今日もお読みいただきありがとうございます。
旅するアナウンサー 吉野真徠