スタートライン 20(小説)
行きつけの店で、スタッフと酒を飲んでいる。自分は酒に弱いので、毎日は飲まない。好きではないが嫌いでもない。そんな自分もスタッフとは飲みたいと思っている。職場では話せない事も話せるとかではなく、単純にスタッフが好きだからだ。だから店の近くにある酒が飲める飲食店に来ている。ここの店主と味が気に入ってるから、酒を飲む時は極力ここで飲む様にしている。店を応援したいからだ。
「応援する」これ、どっちの意味でみんなは使っているのだろう?応援という言葉には二つの意味がある。具体的に 行動をしたりして応援するというのと、スポーツなどの声援も応援と言える。これ、どちらの意味で使っているのだろうか?店をしたり何か活動してる人に対して、応援すると言った事誰もがあると思うが、どちらの意味として使っているのだろうか。店をしていたり活動している人は、おそらく最初に挙げた意味での応援をして欲しいと思っているはずなのは、自分も店をしているからわかる。僕は応援したい。声援だけじゃなく、できることをしてあげたい。 出来る事っていろいろある 。声援も嬉しいけど、やっぱり店をしているから声援もしつつ具体的な行動で応援をしたい。
「頑張って!」「応援してるね」だけじゃなくて、ブログやSNS のシェアとかの方が嬉しい。お金という形がやはり嬉しいと思うけど、こういう応援もとても嬉しい事はわかっている。
応援したい人がいたらこういう応援のやりかたをする。みんなで夢を叶えたい。みんな夢叶ってほしい。たった一度きりの人生、夢があるって素敵なことだ。そして夢を応援するのも素敵なこと。けど、別にそれはなくてもいい。あったらあったでしんどいし。けど、しんどいけど、僕には夢がある。それをやっぱり叶えたい。だから夢を叶えたいという人の気持ちがわかる。
ゆっくりグラスに注がれたビールを飲みながらそんな事を考えていたら、スタッフに話しかけられていた。
「またーどこに行ってたんですか、聞こえていました?」とユイが笑いながら言った。
「ごめん、聞いてなかった!何だったかな?」
「やっぱりー」
「まあ、いつもの事やな」
みんなで笑った。そして、なんて幸せなんだろうと思った。
役者は揃った。数ヶ月前からしたら考えられなかったメンバーだ。スタッフが、あの時から総入れ換えされていた。僕の元から離れた人間についてはもう言わない。言った所でそれは一方的な視点にしか過ぎず、フェアじゃない。一人一人、頑張ってくれたのは確かであるし、自分に至らない点が多かったのも事実だ。どこから歯車が狂ったのかさえわからない位、修正不可能になっていた。言える事は、感謝と幸せになって欲しいと願っている点だ。そして、自分は反省しなければならないし、まだまだ成長もしなければならない。まだ成長出来るはずだし、学び続けなければならない。
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