#2 おもてなしを履き違えてやっちまった話
これはウチの会社で運営している野球グローブ再生事業で、野球グローブのネット販売を始めたときのおはなし。
当時の事業担当者がグローブ販売時に他社との差別化のため「型付け」と呼ばれるグローブを柔らかくして、購入時から捕球しやすくする加工を無料サービスすることを提案し、それを前提に私の方でプラットフォームを構築しました。具体的には、ご注文ごとにメールで捕球の仕方(手の使い方によって人それぞれボールの取り方が異なるのです)を確認するというオペレーションを行うことにしました。
しかし、「型付け」は一部の知識が豊富なお客様以外にはあまり知られておらず、お客様自身がどのようなモノなのかを理解できていないために、ご注文後のコミュニケーションが煩雑化。。。結果、納品までの時間も長くなってしまい、多くのお客様にストレスを与えることになってしまいました。
「おもてなし」は美しい響きのコトバですが、それはあくまでもお客様のニーズを少し先回りする範疇にとどめるべきなんですよね。
野球グローブをネットで販売する場合、詳しい方もいれば初めて購入する方もいらっしゃるので、すべての方に型付けの希望をうかがうのは「おもてなし」ではなく「サービスの押しつけ」になっていたのです。
過剰な「おもてなし」は確かに一部のお客様に対しては「差別化」の要素にはなるものの、そのほかの多くのお客様は負担感が増し、体験価値を下げてしまっていました。
最近あるテレビ番組で放送していましたが、インバウンドの外国人観光客の中には日本のホテル、旅館の過剰な「おもてなし」に辟易する方もいらっしゃるとか。。。
「おもてなしには注意すべき」と身をもって学んだ次第でした。
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