SDGsの隙間
SDGsやESGが話題になっている昨今。
2030年には必須アジェンダとなる可能性もある中、中国のSHEIN(シーイン)が大阪で期間限定店を出店した。
店舗には行列ができ、大量生産・破棄・労働問題等でSDGsの真逆を突き進む同企業だが、連日メディアで放映されている様子を見ると、如何に若者に支持されているかが分かるだろう。
SDGs製品はコスト高に陥り易く、不況の入口に立つ現在においては、需要とのギャップが産まれていると解釈できる。
サスティナブル意識が高いのは一部の富裕層であり、多数派を占める中間層は、生活が逼迫する中で、サスティナブルはファーストチョイスに至っていない。
この隙間に入る中国企業は実に巧みと言わざるを得ない。
2030年代には先進国の間でスタンダードとなり、一定の基準を満たさない製品に対して関税を掛けたり、輸入規制を行うといった議論もされているようだがコロナウイルスの影響でこの計画にも暗雲が立ち込めている。
EVで遅れをとったトヨタ自動車は、2030年代にEVのみを生産する競合他社と違い、ハイブリッド車の生産を継続するとしている。
この判断は、新興国を取り込む現実的な戦略と呼べるが、EV普及の足枷ともなり得る。
またこの戦略は、中国企業の戦略と類似しており、世界からどのように評価されるのか注視していく必要があるだろう。