ダンスダンスレボリューション
「さぁやってまいりました。文学祭ダンスバトル編。今回はどんな人がやってくるでしょうか。司会は私ミユキがつとめさせていただきます。ではトップバッターいってみよ」
音楽流れる。人が袖口から出てくる。
でっきるかなでっきるかなはてはてほほー♪
「段ボールでなにかを作り始めました。どうなるのでしょうか」
帽子をかぶったおじさん、パントマイムしながら組み立て始める。
出来上がる。
「おおっとこれは」
帽子をかぶったおじさん。出来たものを司会に見せる。客席どよめく。
「これは、タンス……?」
帽子をかぶったおじさん、満足そうにドヤ顔で頷く。
「こ、これはテーマ間違い。タンスをご覧くださいではありませーん」
帽子をかぶったおじさんその場に崩れ落ちる。黒子に袖口に捌けさせられる。
「気を取り直して2番の方!やっちゃって」
袖口から人がセンターにやってくる。
「お名前は?」
「はい。土屋太刀魚です。得意なのはコンテンポラリーダンスです」
客席拍手。音楽流れる。
言えないよ〜♪
往年のスターの歌に合わせて土屋踊る。白いドレスが舞う。表情豊か。歌手にハグをしたりする。
客席拍手。
「ありがとうございました!素敵なダンスでした。ちゃんとダンスでした。安心しましたね」
土屋捌ける。
「どんどんいきましょう」
音楽流れる。
らららさんばでぃとぅない。
ねばねばねば……
大捜査線、踊る。
「ダンスは会議室で踊るんじゃない古賀コンで踊るんだ」
——緊急ニュース速報緊急ニュース速報
テロップ流れる。
場面転換する。
「番組の途中ですが緊急ニュースです。たったいま王が凱旋しました。王が凱旋しました。マハラジャも踊っているようです」
インド人もびっくり。
場面転換。舞台に戻る。
「世界的にも踊りは注目されているようですね。さて負けずにやっていきましょう。次は、令和のディーバの登場です」
舞台に牢屋が設置され、後ろから照明が当てられる。影でしか見えなくなる。
半端ならKO〜ふわふわ♪
「がなりや多彩な歌声で瞬く間に人気を博し、世界にも進出する彼女ですが、びっくらこいたのは影だけの演出もですが、やたらと踊ることです」
ふわふわ。
影踊る。
踊る。踊る。踊る。踊。おど。あぼ。abo。
牢屋ごと捌ける。
ふわふわ。
幕間。
小噺。
初キッスの思い出は。ミユキ語りだす。
キッスは目にして〜♪音楽薄く流れる。
「初キッスなんですが白馬のスキー教室でした。当時付き合ってた男の子と。いつ?えーとまだ小学生でした。早熟?都会ならそんなこともないのではないでしょうか。淡い淡い雪のように淡い思い出です。です。ですが、小姑のような女教師にこっぴどく怒られました。もう頭に来た。反省文書けと言われたが蹴っ飛ばしました。彼はおとなしく書いたみたいですね。10秒以上のキッスはもうしませんとか。アホですよねアホです。踊らにゃソンですよそんなもの。孫正義?つまらないこと言わないでください。9秒なら良かったのかな……。つか誰がはかってたのかな?」
ふわふわ。
こなーゆきーー。
再開。
「時間も残り少なくなってきました。いけるとこまでいきましょう」
袖口から人が入ってくる。六人。輪になる。
「WA!お」
WAWAWAWAWAWAWAWAWAWAWAWAWA
WA WA
WA WA
WA
WA
WA
WA
WA
「改行がズレたりしてないでしょうか?ワになって踊っています。ワニになって踊っています。100日後に死ぬワニ。支離滅裂になってまいりました」
ミユキ、舞台の真ん中に行き服を脱ぎ捨てる。
ミユキ、レオタード姿になる。
「ダンスをご覧ください」
右前右前、左前左前とステップ。
右手上に左手上に。下げて手でリズムとる。両手上げてクラップ。
伝説の踊り。そう私は。
「司会はヤモリミユキでした。さよならさよならさよなら」
テロップ
『ご覧のダンスはポリプロの提供でお送りしました』
ブザー音。
「15分の休憩後、第二部が始まります」
続く