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月明かりの道標
青白く冷たい輝きは徐々に霧を晴らし
道を照らし出す
ヒールを履いた足は挫けそうで
足元はおぼつかず、自信もない
けれど貴方が歩いた後の道に
月明かりが真っ直ぐに照らし続けるなら
その道を辿ることはできるだろうか
時折、後悔に振り返ると暗い森がある
恐れをひた隠して進むのは、まるで迷い道
前を見やれば、遠ざかりかけた貴方の背中が
青白く浮かび上がる
秋の風が冷たく頬を撫でる静寂の中、
遠くで聞こえるフクロウの鳴き声が心に響く
昼間は偽っていた己の姿が
夜の世界では月明かりの器となるように
真実を語るべき私の言葉
貴方が戻って来たならば
硬くなった私の表情を見つめて
項垂れた首をただ見下ろして
次は貴方の言葉が道しるべとなる