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マイクロモビリティのシェアリングサービス

先日、自転車盗難に遭いました。10年以上移動のパートナーとして活躍し続けてくれたマウンテンバイク、市場価値は現状ほぼないに等しいのですが、私にとってはまさに価値のつけられないものです。しばらくは新しい自転車を買う気持ちになれないので自家用自転車に替わる日々の移動手段を探したところ、マイクロモビリティのシェアリングサービスにたどり着きました。

ブリュッセル首都圏は、人口116万、面積161㎢の比較的小さな街で、30㎢の森林地域を除いてほとんどは市街地です。電車、地下鉄、バス、路面電車など、公共交通機関も発達していますが、コンパクトな街なので、自転車など小回りの利くマイクロモビリティがあるととても便利です。自転車やキックボードの中長期レンタルも可能ですが、盗難のリスクは常にあります。その点、シェアリングサービスは好きなときに利用して乗り捨てればいいので、駐輪スペースや盗難防止対策を考慮する必要もなく、お手軽です。

どんなサービス?

電動自転車やキックボードを、サービス提供エリア内どこででも利用できます。サービス提供会社も複数あり、エリアやサービス内容で差別化を図っている印象を受けます。電動キックボードのシェアリングサービスは、ブリュッセルで現在6社稼働しています。Dott (オランダ)、Pony (フランス)、Bolt (エストニア)、voi. (スウェーデン)、ヨーロッパ勢が多数派を占め、残り2社は アメリカの Lime とBird 。電動自転車は、ブリュッセル市が運営する Villo!、ベルギーの Billy Bikesをはじめ、電動キックボードのDott も電動自転車サービスを提供しています。

使い方は?

使い方は各社ともほぼ同じで、専用アプリをスマートフォンにインストールして利用します。Villo! のみ、街中約180ある専用の駐輪所を拠点に利用する必要がありますが、それ以外は、エリア内であれば市街地のどこででも乗り捨て可能です。各社のアプリはグーグルマップとリンクしていて、ナビゲーション検索をすると選択肢として表示され、自分にとって最適の移動手段を選ぶことができます。支払いは、クレジットカードや、デビットカードなど、各社のアプリに登録済みの方法で決済します。サービス提供会社毎にアプリを入れる必要があるので少し面倒ですが、私は3社(Dott、Lime、Billy Bikes)に登録していて、日常利用する分にはこれで充分です。

グーグルマップ検索すると、利用可能なサービスが表示されて、とても便利。

お値段は?

サービス提供会社によって若干の違いはありますが、一回の利用毎に、アンロック料金1ユーロ(130円)に加えて毎分 0.2 ユーロ(25円)程度課金されます。ブリュッセルは公共交通機関の運賃が高め(一回あたり2~3ユーロ、日本円で250円から400円程度)なので、利便性も考えると、シェアリングサービスはお得感があります。

はじめて乗ってみた電動キックボード。左側の自転車は、誰かが乗り捨てた電動自転車。

MaaS - Mobility as a Service の現状

近年 MaaS という言葉を聞くようになりましたが、ブリュッセルではこれからもっと発展していきそうです。官民協働で実施されている公共交通機関とマイクロモビリティのシェアリングサービスを一括して予約できるアプリを利用するパイロット事業や、欧州連合の支援によるブリュッセル都市圏のMaaS 発展促進に向けた規制枠組み作りなどの取り組みが進んでいます。一ユーザーとして、今後の展開が楽しみです。

あとがき

自転車盗難は災難でしたが、おかげで現在進行中の社会実験に参加する機会を得ました。盗難届を提出して、見つかるまで気長に待つことにします。


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