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他人と縁を結ぶということ―養親希望者が知るべきこと

2023/3/5(水):特別養子縁組⑱
 今日このページに来て下さったことに感謝しております。
 水曜日の今日は特別養子縁組について考えておりますが、先週の「真実告知」に続き、今週は児童福祉法改正により「養子縁組里親」の法定化がされたことを受け特別養子縁組を希望する里親希望者に向けて明示されたことについて触れて考えていこうと思います。
 このページを読んでいる間だけでも、一緒に考えるきっかけになれたら嬉しいです。


―新生児・乳幼児の特別養子縁組について、知っておいていただきたい―
●委託時の里親年齢は、おおむね45歳まで
●実親が出産後に養子縁組の意志を撤回した場合、里親委託はされない
●委託後も縁組成立までは、実親から「自分で養育する」との意思表示があった場合、委託解除もある
●出産後、委託後に子どもに障害や病気が分かることがある
●6カ月の看護機関を経過し、許可が下りたら家庭裁判所に特別養子縁組の申し立てができる
●子どもに対し、適切な時期に真実告知をする
●子どもが「自分のルーツを知りたい」という場合には、積極的に協力すること


 以上の資料は里親研修の際に配布されたものです。
 研修では読み上げのみでほとんど解説されなかったのですが、ここでは少し説明を加えてみたいと思います。


●45歳まで:養子縁組をした場合、子どもが手を離れるまでの長丁場の子育てになります。その為、子どもの養育が可能な年齢…として年齢制限が設けられています。

●養子縁組の撤回:現在の日本の考え方は、あくまでも「生んだ親が育てるのが子どもの幸せ」という考えに即した物。

●実親の意向に合わせた委託の解除:これも上記の理由から決定されています。ただこの実親の気持ち次第で子どもの人生が左右されてしまっているのも現実で、悲しい思いをする子どもがいるのも事実です。個人的にはもう少し慎重に決定がなされる必要があるかな?と感じている事柄ではあります。

●子どもの障害・病気:縁組の委託・保護の措置になる子どもの実親は、子どもの誕生を望まないことも多く、「妊娠中の禁止事項を守れていない」「必要な栄養素を摂れていない」という事情の元生まれてくることが多いです。その環境の元に生まれてきた子どもは障害を抱えているリスクは高くなってしまいます。
 また生まれてからも、子どもとのかかわりの不器用さなどから愛着障害になってしまったり病気や軽度発達障害に気付けていなかったり…ということが起こり得ます。悲しいかな家庭に迎えてからを「病気」や「障害」が発覚して「やっぱり育てられない」という養親も少なくないようです。このような人たちを「養親」にしてしまう前に「許可をしない」ということが必要なのではないでしょうか?

●監護機関から申し立て:最低6ヵ月試験的に養親子関係を結び、審査されることで養子縁組の申し立てをすることが許可されます。申し立てが成立すれば「法律上の親子である」ということが認められ、子どもは親の戸籍に「入籍する」という形になります。

●真実告知:前週までに触れてきた部分ですが、子どもの「出自を知る権利」を守る立場として、正しい真実を伝える義務を養親は担います。

●ルーツを知ることへの協力:子どもが「出自を知りたい」「自分の親について知りたい」と思う時、子どもの委託までの流れや背景は子どもセンターなどに問い合わせる形で情報を得ることができます。養親として行動的な「協力」だけでなく子どもの気持ちにも寄り添う「心理的な協力」こそが必要なのではないかと思います。

 以上、県で養親希望者に「知っていただきたい」という風に明示しているのは、制度的なことを除いてたった7点。
 項目にするとたったの7点だけれど、その実はとても「頭で理解」ということでは乗り越えられないことばかりです。深く理解し夫婦で話し合い、自分たちに可能か見極めをして、「不安なら子どもの為に諦める」という決断もできることが必要なのではないかと思いました。
 どうか里親研修がそのような、今以上に子どもを悲しませることにならないようなものになるように…研修の形が変わってくれることを願います。

今日はここまで!
最後まで読んでくださってありがとうございます。
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