他人と縁を結ぶということ―特別養子縁組:施設入所児の現状と問題について
2023/2/8(水):特別養子縁組⑩
今日も出会ってくれてありがとうございます。
水曜日の今日のテーマは「特別養子縁組」について。
今日着目したいのは前回に引き続き「施設に入所している子どもの現状について」なかでも障害について考えていきたいと思います。
では、何故こんなに障害を抱える子の入所が多いのか…その点について考えていきましょう。
産みの親の背景:
施設に入所する児童の背景には、そもそも「望まない妊娠の結果」ということがある。妊娠してしまった…ということの原因として産みの親自身も軽度の発達障害などをもっている為に避妊の知識がないまま望まない妊娠をしてしまったという現状も少なくありません。そして軽度発達障害の一部は、遺伝的な要素も伴う為、こうして産まれた子どもは発達障害を持っている可能性も高いのです。
妊娠状況の危うさ:
望まない妊娠をしてしまった母親の生活は、望んで妊婦になった母親のそれと比べるとどうだろうか?
お腹の子どもの為に、食べたいものを我慢したり行動を制限することは望めない。
私が里親研修のガイダンスで担当さんと話した時、「軽度発達障害をもって無計画な妊娠をしてしまった子は、妊婦としての適切な生活の必然性を理解、実行することができない。喫煙がやめられないまま出産を迎える子、産まれてきたら困る…という本音から、わざと流産するようなことをしようとする子などがいる。そうして産まれた子どもは、障害をもっていることも少なくない」と話されていました。
施設入所の理由:
妊娠中のまずさからなのか、それ以外の要因なのか障害をもって生まれてきた子どもは、親にとっていわゆる「育てにくい子ども」となってしまいます。その育てにくさは、育児のつらさに直結し、育児放棄、虐待に繋がってしまうことも少なくありません。それは、親子共に軽度発達障害を抱えていれば、抱く「育てづらさ」も顕著にでてきてしまいます。
養育状況による弊害:
親の子どもへの愛情や愛着を持てない場合、抱っこする時間が極端に短いため、子どもの方も抱かれるのが上手ではないことも多いです。
例えば抱かれ慣れている乳児は抱っこされる時に自然に体を添わせたり身体を預けてきますが、愛着に不安がある乳児は腕を突っぱねるように身体を添わせたり力を抜けない…という傾向にあります。
また、施設入所児の愛着特性として、やたらにベタベタと人懐っこいけれど離れる時には悲しいほどあっさりとしている…というものがあります。
これまで3週に渡って「施設に入所している児童の現状」について触れてきましたが、次回は「その子を家庭に預かるとどういうことが考えられるのか」ということについて考察していきたいと思います。
きっとこの考察や現状を伝える、直視することが足りていないから今の特別養子縁組制度がしんどいものになっているのだと思うから…