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他人と縁を結ぶということ―養子縁組:子どもたちの背景を見つめる
2023/1/25(水):養子縁組⑧
水曜日は養子縁組について考える日。
先週は保護の優先順位の問題点について考えましたが、今回は
要保護児童の現状について目を向けていきたいと思います。今日はその中でもまずは「児童養護の発生理由について」についてです。
「児童養護の発生理由について」…つまり、どんな理由で「保護が必要である」という判断が下されたのか?ということです。ここでは預けられる施設ごとに、発生理由を多い順に記述していきます。
乳児院:1 父/母の精神疾患等(23.4%)
2 父/母の放任・怠惰(16.7%)
3 父/母の虐待・酷使(10.2%)
児童養護施設:1 父/母の虐待・酷使(22.5%)
2 父/母の放任・怠惰(17%)
3 父/母の精神疾患等(15.6%)
ファミリーホーム:1 父/母の虐待・酷使(14.9%)
2 養育拒否(14.8%)
3 父/母の精神疾患等(14.3%)
里親:1 養育拒否(16.7%)
2 父/母の放任・怠惰(13.1%)
2 父/母の死亡(13.1%)
※他の理由としては…
父/母の就労、父/母の入院、父/母の拘禁、父/母の行方不明、父/母の離婚・不和、経済的理由、棄児、児童の問題による監護困難、児童の障がい、理由不明など…
ここの投稿では特別養子縁組について考えていますので、これら理由は
「=特別養子縁組の理由」に当てはまるものではなく、上記の理由それぞれが絡み合った結果「特別養子縁組」措置が取られる…ということがいえるのではないかと思います。
例えば、親の精神に疾患が生じると、家庭内での養育がおろそかになり、目が届かなくなってしまうことから「放任・怠惰」「虐待・酷使」へと形を変えた「困りごと」が生じるのではないでしょうか。
また父/母の死亡や疾病による養育者の馬力不足から「虐待・酷使」に繋がり、結果的に「養育拒否」という事態になるのではないかと思います。
特別養子縁組がすすめられるためには、実親が「自分には育てられない」という意思表示がなされて初めて縁組が可能となります。つまり、発生理由は一つだけではないのが現状なのです。
とはいえこの「養育拒否」というのがとても難しく…縁組候補の家庭に養親と共に生活を始めてから「やっぱり自分の子どもと一緒にいたい。自分の子どもと離れるのは嫌だ」と気持ちを翻されてしまったら、子どもと養親は簡単に離れ離れになってしまいます。
実親の「寂しい」「子育ては無理」なんて一時の気の迷いで子どもの心や運命をもてあそぶことの罪深さ…その罪深さと怖さを戒めにして、「養育拒否」の意志が
「子どもの人生を考えて寂しさに打ち勝つ覚悟があるのか」
「子どもの心や人生を守るために誰かに託すことが理解できているか」
「子どもの命と人生の為に籍を外すことを受け入れられるか」
そんな実親の悲しみも覚悟するという見極めを行ったうえで「特別養子縁組」にすすむ責任を、託す側にも持って欲しい。私はそう、切に願います。
実親の感情に流されて、養親の覚悟のなさに振り回されて、子どもの大切な人生が悲しいものにされない為に、よりよいシステムが構築されますように。
今日はここまで!
ちょっぴり固い文章に、最後までお付き合いくださってありがとうございます。
今の私には何ができるか分からないけれど…考えて考えて、明日がちょっと良い日になりますように✨