夫婦の妊活日記―歓喜と馬乗りの嫁と寝起きの夫
2024/3/5(月):夫婦の妊活日記
※今日も覗いて下さってありがとうございます。
こちらの投稿は、私達夫婦の妊娠、流産、不妊治療の日々を振り返って書いたものです。
今この記事を書いている私は、不妊治療の甲斐あって現在妊娠9か月を迎えています。
きっと読む方の状況によっては今の私の状況が辛いという方もいらっしゃると思います。そのような気持ちになられる方は、どうぞ読むことをお控えくださいね。
幸せの予感を遠くに感じながら、それでもその予感に気付かないように…期待しないように…と自分を誤魔化して夫のホテル単身赴任の準備をしていた頃。
私達夫婦の結婚記念日の前日、「明日から夫は東京赴任で、私達夫婦は離れ離れ…」という日曜日に私達夫婦は記念日にディナーに行く予定にしていました。
朝目覚めて、私だけ何となく起き出し、一人時間を楽しんでいました。夫はお昼前でもまだまだのんびりいびきをかいていた時…私は時間と心を持て余し、我慢できなくなっていました。
何となく手持ち無沙汰で、ずっと気になっていたことから目を逸らせなくなっていたのです。
意を決して持ち出したのは妊娠検査薬。
今まで何度も期待して検査してきたので、2個セットの物がひとつ残っていたのです。
「期待してない」
「まだタイミング的に出ないかもしれないし…」
「でももしものことがあったら、今日のディナーに生もの出たら困るし…心置きなくご飯を食べるため…」
なんて心のなかで懸命に言い訳をしながら、夫のいびきを背景にトイレに向かいました。
検査の結果が出るまで1分…もかかりませんでした。
検査薬に染みこむと同時に数秒のことでした。「検査終了」の合図が出る前にピンクのラインが浮き上がり…「陽性」を知らせてくれたのです。
人生3度目に目にする「陽性」反応でした。
泣くとか嬉しいとかそんなことよりも、「震える」感覚…その中でも変なとこだけ冷静に、無言で検査薬をジッパーバッグに入れて夫の元に行き…私の足音に目覚めて、まだ目ボケ眼で
「嫁はん、おはよう~」
とニコニコな夫の上に無言で馬乗りになりました。
「たっちゃんが悪いんやから!なかなか起きてこぉへんから!」
…無言の間は我慢できていたのに、口を開いたとたんに涙が止まらなくなって
「我慢できなくて検査薬した!赤ちゃんできてるって!」
と泣きながら怒っているのか笑っているのか分からないテンションの馬乗りの嫁を、夫はびっくりしたように見ていましたが聞き終わると
「まじか~きたか~」
と穏やかに笑い、抱きしめて頭を撫でてくれました。
涙が止まるまで夫に絡み、ベッドで2人でおしゃべりをして…妊婦としての生活がこの時から始まりました。
基本、考えすぎなところのある私…ディナーの予約をしていたお店の料理が気になるものの、「当日にお願いするのも迷惑かも…」と尻込みしていると、夫は
「なんで?お願いするしかないやん。頼んでみて無理やったらしょうがないし…」
と私の悩みを吹き飛ばしてくれました。
そしてお店に電話をすると、快諾してくれるだけでなく
「おめでとう」
の言葉までもらえ、申し訳ない気持ちが「嬉しい」の気持ちに180度変わっていきました。
その電話対応だけで、私たち夫婦の予約したこのお店は「正解だった」と確信する有難いお店に感じられたのです。