妊活日記―不妊夫婦、我が子を想像する
2023/1/9(月):夫婦の妊活記録⑫
思いがけないタイミングで大きな傷は付けられてしまったものの、持病の手術は成功し、入院生活の間にみるみるうちに症状が軽減していきました。
根治したわけではありませんが、普通に歩けるほどの痛みにまでなったこと、パッと見には病気が分からない状態になったこと、呼吸時の痛みが無くなったこと…そして何より夫と手をつないでも痛くないこと、「気持ち悪いと思ってないかな?」と悲しくなることがなくなったこと、隣に寝ても辛くないこと…とっても幸せな変化でした。
入院中、夫に…と用意していた軽食たちは手を付けられておらず、部屋は「独身男子か!」って言いたくなるような状態になっていた(主にゲームが部屋の奥から引っ張り出されていました)ことに溜息は出たけれど、何だかその夫の姿も愛おしい退院となりました。
そして、また二人での生活…夫が思い切った提案をしてくれました。
「家を建てよう!」
別の目的で住宅展示場を訪れた私たち。
「こんなおうち、住めたらええなぁ。」「私やったらこっちが好み♡」なんて無責任に思っていたものの、まさか自分たちの家を建てることになるなんて思いもしていませんでした。
あれよあれよという間に家を建てることは現実味を帯びていき、担当さんとの打ち合わせをしている時、夫が担当さんに向けて言った言葉…
「嫁の持病が冷えとかで悪化するから、床暖房やったらいいなと思って」
私には「このままマンションで家賃を払うなら、家を建てても同じ。財産として残るし…」と話していた夫。私には明言しなかった気持ちがあったこと、決断が私を思ってのことでもあったことを知り、照れ臭くも幸せな気付きとなりました。
そして私たちが計画した家の間取りには、当たり前のように子ども部屋があって「性別は分からないから、壁紙は黄色」なんておしゃべりする時間がたまらなく大切な思い出になりました。
まだ影も形も気配さえない我が子を思い、その子の思春期にまで思いを馳せている…きっと第三者から見ればどこか滑稽な私たち夫婦の想像は本当に幸せでした。
思春期の息子を想像して「部屋が覗けないようにしてやってぇ」って笑いながら主張する夫、なかなかに可愛かったな。
そして保育士として我が子の成長や経験して欲しいことをいっぱい考えて手洗い場の形ひとつまで考えて話し合う時間は、私たち夫婦を温かく強くしてくれたのだ…と、思い返しては嬉しくなります。
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