見出し画像

夫婦の妊活日記―夫を隠し撮りして枕を抱く

2024/1/15(月):妊活日記㊸

※この投稿は私達夫婦の不妊治療の日々を振り返って書いたものです。
現在、治療の日々が実り、妊婦としての生活が始まっております。
そういった事実が気持ち的に辛い方は、ご自身の気持ちがしんどくならないように、読むのをお控えくださいね。


 夫が仕事で認めていただけ、広島への単身赴任が決まり、私達夫婦の別々の生活が2021年の年明けと共にスタートすることになりました。

 夫と別々の生活で私にできることと言えば、毎朝出勤前の時間に
「おはよう!今日もがんばってね」のラインを入れることくらい。

 また、夫の生活的には…単身赴任先の夫のマンションは、所謂「家具付きマンスリーマンション」というやつで、夫側の親戚などからは
「男の人が自炊や家事などができるわけがないから、洗濯物は郵送で洗濯しなさい!おかずも作った物を冷凍して一食ずつ送ってやるものだろう!」
なんて当然のように言われたこともありましたが、夫の仕事の忙しさやキッチンの設備、「初めての一人暮らし」的なサイズの冷蔵庫、夫の性格を考えても家計的な部分も考えてこっそり心の中で
「そんなことできるか!洗濯くらい自分でできる人やわ!」
って毒をはきながら、時々夫に常温保存のできる市販のおかずやおやつを送ったり、夫のお気に入りのホットアイマスクを送ったりすることで、応援の気持ちを伝えていました。
 実際に会いに行ったときに夫の生活を覗くと、自分なりに狭い部屋の中で工夫しながら洗濯をしたり、外食続きではあるものの、近所のドラックストアでカット野菜を買ってサラダを確保したりして、健康面も考えていたようでした。

 月に2回しか帰って来られない夫とのコミュニケーションは、毎朝のラインのやりとりと、週末に夫から誘ってくれるテレビ電話での顔を見ながらのおしゃべり…
 
 コロナ禍で、いつ「帰れなくなった」と言われてもおかしくなかった当時、動いている元気そうな夫の姿が見られることは、心底安心できるきっかけになりました。
 夫とおしゃべりをしながら、画面の夫の写真を撮っては夫に苦笑いされる時間は幸せで、同時に離れていることを実感する寂しい時間でもありました。

 …一人で住むことになった引っ越して間もない我が家は、新しいせいもあって夜中に壁や柱がパキパキと家鳴りがあったり、それまで二人で寝ていたベッドではどんな体制で寝ていいのかも分からず、夫の匂いが残る枕を抱きながら寝てもやっぱり不安で…こわかったな…
 そしてこの寂しい期間に夫へのある意味での「諦め」を、私自身、身をもって学ぶことになりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?