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他人と縁を結ぶということ―特別養子縁組家庭の課題「真実告知」

2023/3/22(水):特別養子縁組⑯
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 さて、今日は水曜日!特別養子縁組について考えていきたいと思います。
 特別養子縁組に当たって、養親に課せられる義務があります。
 それは「真実告知」というもの。

 読んで字のごとく「子どもに真実を告知」すること。養子となった子どもに、子ども自身の出自について真実を伝えるというものです。
 その「真実」が子どもについて辛いものであっても、「子ども自身が自分の出自に対して知る権利がある」という理念のもと、子どもの権利を守ることを大切にした義務であると言えます。
 
 基本的にその告知のタイミングは養親の判断に任されていますが、「成人までに行うこと。できれば就学前に告知することが望ましい」とされています。
 なぜ就学前の幼い子どもに真実告知をすることが良いとされているのか…少し親子の生活や関係性、子どもの成長の視点から考えてみましょう。

「普通」の形成前に
 例えば思春期を超えてからの告知となると、子どもの中で、いわゆる「普通の家庭像」ができあがり、自分もその「普通」に当てはまっているもの…と思い込んでいます。しかし告知によってその彼・彼女の「普通」とは自分は違うんだ…という現実を突き付けられた時のショックは大きいもの。
 対して幼児期に
「パパもママも、あなたには2人ずついるんだよ。」
と伝えていると、すんなりと子どもなりの「家族像」が形成され、子どもの中で現実を受け入れ消化できる一つの方法である…と「家庭養護促進協会」では説明しています。
 もちろん、告知を笑顔でできたから「万事OK」というものではありません。真実を知っているからこその子どもの迷いや寂しさ、葛藤といったものに寄り添い見守り続けていくことが必須であると思います。

嘘をつかなくて済む関係に
 例えば子どもが幼稚園に入ったころ、自分の「生」や「赤ちゃんの頃」に興味を持つ時期がやって来たりします。
 子どもと共にのんびりお風呂に入っている時、
「○○ちゃん、ママのおっぱい飲んでた?」
なんて聞いて来ることがあります。
 これは別に、特別養子縁組だから何かを疑って…という質問ではなく、成長とともに自分の赤ちゃんだった時代があったことを知り、興味がわいてきた結果のものです。
 でも告知していない上に「本当の親子のように仲良くしていたい」なんて思いがあると、つじつまを合わせるために子どもに嘘を重ねてしまうことになります。そして子どもが真実を知った時、信じていた親のそういった反応を「嘘だった」と知るのです。
 きっと「嘘」だと子どもに思われるものが多いほど、子どものショックも大きくなる…ということもあると思います。
 その辺りのリスクも考えて対応することが大切なのではないでしょうか。

第三者から知るリスク
 お腹が大きくなって出産という形とは違う養子縁組。
 親子を取り巻く人たちは真実を知っている…ということは少なくありません。
 両親の意図しないタイミングで、意図しない第三者から聞かされる、発言から気付かされてしまう…ということを「絶対に避けられる」とは言えないのが現実です。
 「自分だけ知ってしまって辛い…信じていたはずの親が信じられない、だまされた」
なんて悩みや第三者からの無責任なうわさ話からの誤解による苦しみを少しでも減らし、自分たち養親の言葉によって正しい真実を正しく伝えることができるよう、夫婦で考え話し合っておくことが大切だと思います。

 告知にあたっての注意したい点や、告知事例については次週また触れていきたいと思います。
 次週も覗きに来てくださると幸せです。

今日はここまで!
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