妊活日記―夫の優しさが地雷になった日
2023/5/7(月):夫婦の妊活日記㉘
※この妊活日記は、私たち夫婦の妊活や流産の記録を思い起こして書いたものです。現在も私たちは不妊治療の真っ最中!今日もお腹に自己注射を打ってがんばっています。
先週、「えい!!」っと思い切ってFacebookに投稿のお知らせをしてみたら、友人から「私も妊活がんばってるよ」という嬉しいメッセージが届きました。
思い切って良かった♡
妊活中の人たち!心も体もケアしながら頑張っていこうね!
流産確定後、レディースクリニックに排出された組織を預けてから数日、私の生活は表面上は以前の感じ…でもハッと気づくとボーッとしてしまっている自分がいる…そんな、悲しみを実感も克服もできない状態での生活が続いていました。
そして組織が排出されてから一週間。
夫の姉の主産祝いを渡しに夫の実家へ行くことが、流産前から決まっていました。
義母は
「体調、どう?」
と私の流産後の体調を気にして聞いてきてくれました。
組織の排出の時のことやお医者さんの説明について話をし、今はもう通常の体調であることなどを伝えた時、それを受けての夫の発言が小さな歪を生みました。
夫はその時の私の苦しみ方や痛がり方を話していただけでした。それをいつもの軽いノリで言葉にしただけ…それとその時に私と話をしていたことが頭の片隅に残っていたのが災いしたのでしょう。
「めちゃくちゃ痛がっててさぁ…どうしようかと思ったわ。あれ、もうほとんど出産やな。イク(私)、あれはもう生んでたわ」
…笑いながらのそんな軽口…
そんな弟の言葉に、義姉はすかさず
「そんなん全然ちゃうから!一緒ちゃうから!一緒にすんな!」
と、ツッコミなのか怒り故なのか…な言葉を返しました。
組織が出た時、痛みに苦しみながらも
「化学流産みたいに気付かない間に身体から出て行ってしまうよりも、痛いし悲しいけど、ちゃんと痛い思いもしてお別れできて良かった」
そんな風に夫婦で話をしていました。
そして呻くように痛みに耐えていた私への、夫の不器用すぎる優しさと無意識の思いやりだったのだろうと思います。
夫は本来、とても配慮のある人なのだけど、家族となると少しノリで発言してしまうところがあって…家族故の、夫のちょっと配慮のない言葉は、命を懸けた義姉にとってはきっと「いつも仲がいい姉弟のノリだから…」では聞き逃せない言葉だったのだろうと思います。
夫の言葉は「あ!地雷踏んだ!」って思って受け流せたものの、義姉の言葉はその時の私の心には大きなトゲに感じ、無視することはできませんでした。
義姉にしてみればまだ出産を終えてすぐのこと、命を懸けての出産を、私の流産と同じにされたくなかったのでしょう。「そりゃそうや!」な反応で、当たり前なことだと思います。義姉は十月十日命を守り、命を懸けて出産したのだから…軽はずみに言ってはいけないことだったのだと…
今なら穏やかにそんな風に思えるような一言。
でも、その時の私は流産の悲しみと
「義実家で何を言われるのだろう…お義母さんはどう思ってるのだろう…夫は…?どうして義姉は当たり前に子どもを抱けているんだろう…」
そんな警戒心と妬みに似た感覚と「自分の痛みはこの人たちには分からない」というような防衛本能のような感情でいっぱいで…
とっても申し訳ないけれど、夫の発言ではなく義姉の反応に嫌な感情を抱いてしまいました。
「私の痛みを知らないくせに…」
「痛みの理由が喜びだった人に、勝手に私の辛さは分かるわけない。私の方が辛い」
「希望がない痛みがどれだけ辛いか…私の経験を分かったように言わないで」
「あなたは痛くても、その後子どもを授かれたんでしょう!!」
…そんな風に。
それまで私は
「他の妊婦さんがうらやましいとか、知り合いの妊娠を喜べない…て時期は終わった。今は妬ましさとかは感じない」
と自分で信じていたけれど、この時ばかりは悲しさと悔しさと居た堪れなさで…本気で逃げ出したかった。
この後、私たち夫婦の本当の苦悩が訪れることになります。
ついこの時の気持ちの描写が中心になってしまいましたが、お祝いはとっても可愛いモノを送れ、送った私たちも大満足!
甥っ子の成長がますます楽しみになる、幸せな時間を過ごせたのも真実。「嬉しい」「有難い」「悲しい」「悔しい」「情けない」…沢山の感情が溢れた時間となりました。
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