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18.お告げ?!
GWの富士山への日帰りの旅を終え、普通の生活に戻りつつあったある日の夜のことだった。
息子が夕飯時に突然、目をパチクリパチクリし始め、ご飯を食べている手が止まった。
「どうしたの?何かあった?大丈夫?」
「うん、大丈夫なんだけど、目を瞑ると、なんかまが玉みたいな形が現れるんだよ。」
「まが玉?!」
息子がなぜ,まが玉を知っているのかと思い起こしてみると、思いつくのは、以前、縄文時代遺跡博物館に行った時に出土品が展示されているので見たのかな?それとも、中尊寺の歴史博物館でかな?
それとも、歴史漫画で出ていたかな?などと思いめぐらせていると、
「うん、勾玉に色がついてる。」
「何色?」
「青。う~ん、でも、色が変わるよ。」と目をパチクリさせながら、確かめるように瞬きを何度も繰り返して答える息子。
「気のせいじゃない?」
「気のせいなんかじゃないよ!」
実は数日前から、瞬きの回数が多いと気付いていて、私はなるべく言わないように過ごしていたけど、その瞬きがマックスになったのだ。
「お母さんは目を瞑ると真っ暗になるかもしれないけど、僕が目を瞑ると、暗いところに、色んな色がいつもみえるんだよ。でも、いつもと違って、今は、勾玉がみえるんだよ。こんなの初めてだよ。しかも、いろんな色にまが玉の色が変わるよ。」
「え~そうなの?」
そしてまた、何度もパチクリすると、
「今度は、勾玉に光が差し込んでくるよ。」
「え!?光が?
勾玉って、穴から紐が通されてネックレスになってるの?誰かがつけてるの?」
「うん、誰かが付けてるかも、う~ん、動物がつけてるのかも?」
しばらくすると、
「ちょっと、待ってお母さん、なんかまた違うのが出てきたよ。」
「何?何?」
「なんかさあ、もしかしてこれ、ホツマ文字じゃない?!」
「え?!そんなことってあるの?メモしてみたら?」
「お母さん、ホツマ文字の一覧表持ってるよね?持ってきてよ。」
「わかった!今すぐ持ってくるね。」
以前、神代文字を利用してユニークな気功治療を行う片野先生のことは、このnoteにも投稿したが、その気功治療教室に息子も連れて行ったことがあった。
その時のことを息子も思い出したらしく、今、目を瞑って浮かんだ文字がそのホツマ文字に似ているというのだ。
私は急いで、思い当たる場所の1か所目で、息子がいるリビングからは離れた部屋へ最初に探しに行った。ここにはないな。そう思った時に、リビングにいる息子から
「お母さん、早く戻ってきて~。」
息子は、恐いと言って、いまだに家のトイレに行くことができず、大きな家ならまだしも、小さな家なのに一人でその場にいることができない。なので、いつものことかと思いながら、
「今行くよ~。」と叫んだ。
すると
「お母さん、早くきて!」と再コール。
「何でよ~なんかあったの?」と、リビングに戻ってみると
「お母さん、今、その、少し開いていたドアの隙間から紙がヒラヒラ動いているのが見えたよ。」
「え?!どういうこと?ヒラヒラってそんなわけないじゃない。」
「本当に動いていたんだって!」
フーンと内心思いながら、さっきのところになければ、そのドアを開けたところの本棚に一覧表があると思っていたら、やっぱりすぐにみつかった。
「さっきの紙がヒラヒラは、探し物はここにあるよ~と紙をヒラヒラさせて教えてくれていたってこと?」
「そうだよ。」
そうかな~と思いながら、息子に、みつかったホツマ文字一覧表を渡した。
すぐに、息子が浮かんだ文字一文字一文字の読み方を調べると、
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いなば 因幡
いずも 出雲
うさきかみ うさぎ神
うさぎがみは出雲にいる
との解釈になった。
「なんかメッセージとかあるのかな?
なんかメッセージありますか?って聞いてみたらいんじゃない?」というと、素直に聞いてみる息子。
「おいでだって。」
「え?!おいでって、出雲にってことなのかな?」
「おいでって誰が言ってるの?」
「う~ん、なんか変な声というか、人じゃないのかな?男の人の声じゃないし。」
「そっか~、とにかく、因幡の白兎がいるから、出雲においでって言われてるってことかな?」
「うん、そうだよね。」
去年、「神在月の子ども」という、出雲を舞台にしたアニメ映画を息子が鑑賞していたので、出雲には白兎がいて、大社にはどんな神さまがいてってことは知っているので、話は早い。
実は数年も前から、息子は出雲へ行きたいと言っていた。でも、その理由は、日本で唯一今でも毎日動いている寝台特急列車「サンライズ出雲」に乗りたい!というのと、妖怪の先輩、水木しげる記念館に行ってみたい!という理由だった。
息子の愛読書である「電車でgo!」を何度見せられたことか。そのシリーズの新書の発売が決まると、どこからもなくその情報を知り、本屋さんへ予約して、一刻でも早く読み、そして同じ本を何度も何度も繰り返し読んで落とし込んでいく。けっこうな電車オタクでもあるのだ。その本にサンライズ出雲ことも書いてあり、それぞれの等級の寝台列車の作りや、シャワー室はどの号車が近いとか、どの駅で停車するとか、どこでサンライズ瀬戸と離れるかとか、乗る前から私に話してくるのだ。それくらい寝台列車に乗ってみたい熱が高まっていた。
寝台列車に乗りたいというけれど、何を好んでと実は私はあまり氣がすすまなかった。私はなるべく早く現地に到着し、その土地をゆっくり満喫したいタイプ。
でも、ここまで息子自身にお告げのようなものがあったら、もう行くしかない。しかも、おいでのメッセージが文字となって現れる直前は、夕飯を食べながら次はどこへ旅行へ行こうかと話していたのだ。
折しも、その日の朝、サボりがちだった簡易神棚の前で手を合わせ、「神さま、本当にいらっっしゃるんでしたら、もっとはっきりとわかる形で示してください。」とお願いしたばかり。
神さまがついに本気を出してきたんだよきっと!!!
続く
makana.7