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テレホタイムは伝説の掲示板「MOON BASE」

最初のインターネットはアカデミシャンのものに過ぎなかったのが、爆発的な広がりを見せ、ミレニアムの頃には広く人口に膾炙するようになった。
それで、多くの個人サイトや掲示板が発生することとなった。

それをどうやって知ったのか、切断好きの人たちが集まる掲示板「MOON BASE」を見つけた。
最初はExciteかどこかの掲示板サービスでやってたような気がする。

自分もそうだったが、「世の中にこんな趣味を持っているのは自分だけだと思っていました」と自己紹介をした。
その後入ってくる人も、そのように挨拶して入ってきた人が多かった気がする。

インターネットは、それまで1人で悶々と思いを抱えていた人を繋げてくれるのだ。
このような時代の到来に、大いに感謝したものだった。

氷河期世代の自分はまだ20代で、若手も若手だったが、いろんなコミュニケーションをしたものだった。

・インターネットがなかった頃は、雑誌のグラビアの手足を切って欲望を満たしていた。だから三日月型の切屑が机によく落ちていた。
・どこそこの駅で義足の女性によく会う。
・海外では義足が好きなんて不謹慎じゃなく当たり前。
・英語圏では欠損フェチを「amputee devotee」と呼ぶ。

毎日、仕事が終わってテレホタイムが来るのが楽しみだった。
(テレホタイム:当時のNTTの23時以降の特定の電話番号の通話は一定額というサービス)
いや、テレホタイムが待ちきれず、毎月の電話代が2万円ぐらいになっていた。

中には、切断当事者の女性が降臨することがあった。
そういう時、我々は「女神」として迎えたものだった。
そんな「女神」の中には、今なお芸術家として活躍する片山真理さんもいた。当時は自虐的な群馬の女子高生だった。

また、「amputeeが好き」が嵩じて「amputeeになりたい」というwanabeeの女性が、実際にロングスカートを履いて足を包帯で折りたたんでコンビニに買い物に行ったというという投稿もあった。

その後管理人が事情で引退し、別の人がyahoo!グループで継続したはずである。
yahoo!グループ時代の末期になると、書き込みもほとんどなく、amputee女性を装ったネカマが実際のamputee女性に迷惑をかけた云々のような話があった。
確かその人も、exciteフレンズ時代の全盛期には、目撃報告など色々書き込んでいたはずである。

結局、2014年5月28日にYahooグループ自体がサービス終了したのと同時に、MOON BASEも再開せずそこで終わったのだった。

もうあの頃の盛り上がりは還って来ない。
欠損バーができてたり、軽率に「俺欠損フェチだから」と言えてしまう、ある意味あの頃に望んだ未来が到来してしまったことで、みんな満足しているということなのかな・・・

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