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採用市場に中堅エンジニアがほぼ居ない/どこに行ったのか目撃情報を集めてみた

どこへ行ったんでしょう?。2019年までは「経験社数は3社まで」「年齢は35歳まで」と経営層が注文をつけても何とかなりましたが今は昔。面談手法とか役に立たないほど母集団形成ができない現状についてです。

各人材紹介、媒体、各社エンジニア採用担当のみなさんと情報交換する中で見えてきた中堅エンジニアの行先についてお話します。

GAFA…もといGoogleとAWS

頂上決戦のようなものですね。

業界的には頂点のGAFAですが、ここが最終キャリアになるかというとそうでもないのが面白いところです。GAFAにてポジションを得た後でも後述するような企業に移るケースは少なくありません。求めるものは自由だったり挑戦だったり飽きだったりするため、人間の欲は尽きることがないのだと感じさせられます。

Salesforce

エグゼクティブ系人材紹介の方にご指摘頂きましたが、確かに職種問わず見かけますね。

Salesforceエンジニアの企業求人もよく見かけるので(採用できているとは言ってない)、DXに絡めてよく売れてるんだろうなと感じるところです。

外資コンサル

強い。圧倒的吸引力。PjMのみならずDXコンサルとして情シス担当者も吸われています。

ある国内コンサル企業のお話では、株主総会で「コンサルタントの給与が高すぎる」と株主に責められたものの、「これでも外資より低くてどんどん辞めていくんです」と返したそうです。

採用ハードルも低く、文字通り採用市場を無双して居ますが残れるとは言って居ません。

特にダイバーシティの観点から女性の採用ハードルが低いのですが、それは量的な男女比以外の課題解決になってるのかは外野には分からないです。

そんな特に外資コンサル企業各位の次の一手で気になっているのは下記ですね。

ユニコーン企業、ネクストユニコーン企業

媒体、自社サイトで自然流入。中には捌くのが大変という嬉しい悲鳴を上げていたりします。人材紹介を使う必要がないので、契約してない会社さんも多いようです。

「採用に困ってるんです」と話を聞いてみると著しくニッチなポジションのみ困っていたりします。そりゃそうだ。

Seed期のスタートアップ

意外にも人気なのがここです。ベンチャーキャピタルの方とお話をした際にも答え合わせができたのですが、0-1のフェーズは人気で、1-10のフェーズになると急に不人気になる。具体的には社員数が20名くらいになるともうエンジニア採用には詰まり、むしろ流出する。CTOだけしか残っていないベンチャーとかもあったりします。

2年ほど前まで二次請けより下のSIerの方は「上流に行きたい」「自社サービスに行きたい」「顧客の声を聞きたい」が転職理由として定石だったのですが、この層が上流や自社サービスではなくSeed期のベンチャーに向かっているようです。1-10や10-100フェーズの自社サービスベンチャーでの王道採用ターゲットだっただけに、厳しいところです。

友人知人と起業

資金調達しやすくなったのか、友人知人との起業をちらほら目にします。中でも外資コンサルのCEO(副業だったりする)+エンジニアの組み合わせは散見されます。

そして半年程度で「音楽性の違い」的なものを理由に解散・離脱する傾向にあります。

フリーランス

コンスタントに増えているのがメンバー層のフリーランスです。一方でフリーランス仲介のエージェントからは「紹介先が枯渇している」という話もあり、なかなかの様相です。

地方移住の上で週3-4を希望される方も増えました。多くの案件が週5なので面白い人材が週3-4には残っていたりしますが、どう業務に引き込んでいくかは課題です。

危うげな道も皆で渡れば怖くないというか、節税してどこまで手取りを増やすかという情報が流通しています。「個人で消費するスーパーでの買い物も何回かに一回は経費にしましょう」「トイレットペーパーも経費にしましょう」という脱税まがいのハウツーを売っているフリーの情報商材屋も確認されており、何とも言えない状況です。

思ったよりもフリーランスから正社員に戻る人は今のところ少ないようで、「いちど節税の技を覚えると正社員に戻りにくい」という複数のコメントも聞こえており、フリーランス→正社員のムーブメントはしばらくは大きくならなそうです。

情シス

以前のコンテンツでもお話しましたが、情シスの範囲は年々広がっており、プログラムを書いたりDevOpsだったりされる方も増えてきました。

DXの要としての情シスは待遇も向上していますし、顧客(社員)は近くに居るので存分に声は聞けます。非IT企業で神になるキャリアは個人的にも良いと思います。

人材紹介事業のキャリアアドバイザ

人材紹介事業でも元エンジニアは「エンジニアの気持ちが分かる」と位置づけられるため非常に重宝されます。

「私もエンジニアだったんです」

この言葉はかなりキラーワードとなります。

コンピュータと対峙するよりはヒトと対峙する方が好きでした、という方にはアリだと思います。

エンジニア採用担当

キャリアアドバイザとは違い、エンジニア採用担当は今現在は厳しい選択肢となっています。採用手腕を発揮するにしても採用市場に経験者がヒトが居ないので期待されるパフォーマンスを出すのは難しいでしょう。

同様にスカウト代行フリーランスとかも実績が積めないので大変ですね。

デジタル庁。若干名ですが友人、知人に居られますね。「脅しておいて」は嫌ですねぇ。

経営企画。Twitterで頂きました。個人的な観測範囲では見られていませんが、無くはなさそうです。

「居る」情報がない

リファラル採用を頑張るか、M&Aで人員ごと買収するかしないと正社員は増えないのでは?と思うに至ります。ある意味アマゾンの奥地には居るかも知れません(この文章を出す前にフォロワーさんにレスで言われてしまいましたが)。

急がれるアルムナイ整備

特に外資コンサル、起業、フリーランスのところで確認されているのが、想定していた状況とは違って3ヶ月〜半年程度で離脱する人たちが既に確認されています。

既に一定数確認されているのが元の業種・元の企業へのUターンです。特に外資コンサルと起業の選択肢を取った方は壁が高いのでよく見かけます。

半年以内のUターンであれば待遇などを据え置きにする制度の整備などは受け口としては悪くないように思われます。極端な方向転換には挫折がつきものなため、退職したとしても受け入れ口を構えつつ継続的にコミュニケーションを取るという手法は今まで以上に重要になっていると考えています。

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