コンビニでビールか宅飲みか。あなたはどっちを選ぶ?

先週、久しぶりにマッチングアプリを通して男と会った。同世代のニュージーランド人。

先日の一人旅以来、付き合うとか付き合わないとか関係なく、もっと軽い感じで誰かに会ってみたかったが、実は会う直前まで面倒くさくて断るか迷った。
なぜかと言うとこの男性。毎日メッセージを送ってくるから。
まだ会ってもないのに彼氏のように「おはよう、げんき?」がくる。
彼氏でもなかなかしんどい。
のちに会ってからわかったが、彼はオンラインガールフレンドが過去にいたことがあり、テキストでの会話も好きなんだそうだ。
私はテキストでの会話は苦手だ。というかめんどくさい。よく知りもしない人に時間をあまりかけたくない・・。

が、なにごとも行動しないと始まらないし実際に会ったら楽しいかもしれない。
ここで断るといつもとおなじだ。
そう思い、重い腰をあげて支度し、阪急電車に乗り込んだ。

駅でそれらしきひとがいたので声をかける。
彼は首にニュージーランドの国旗がプリントされたスカーフをしていた。
地元愛が強いのだろうか。決しておしゃれとは言えない。
そしてかばんには自国と日本のピンバッジがついている。

年の瀬の梅田は外国人観光客や冬休み中の学生、退勤した会社員たちで溢れていた。
都会に圧倒された私たちはとりあえず、お初天神近くの、彼が何度か行ったことがあるアイリッシュバーに入ることになった。

店内は愛想の良い日本人女性と、反対に愛想が全くなさそうな西洋人男性が
カウンターを行ったり来たり忙しそうだった。
この日、英会話サークルが開催されており、複数人の日本人女性と西洋人男性が集まっていた。女性は30代前後、男性たちは40、50代といったところだろうか。

彼がまずビール代を出してくれた。
今のご時世、男性がお金を出して当たり前とは思っていない。
おごってくれたらありがたいけれど、むしろ悪いなとか、借りができてしまう気になるし、高い料理なんてごちそうされたら代わりに体を捧げないといけないような気になってしまう。
ごちゃごちゃ言わずに素直にごちそうになって笑顔でいただきますって言え!と読んでいる方は思うだろう。
でも男性はあまりお金があるようには見えなかったので少し申し訳ない気持ちだった。


男性と私は共通点があった。
何の専門性も持たずに三流大学を卒業したこと。
何がしたいかわからないまま社会人になり、つまらない仕事を長年続けたこと。でもそんな人生が嫌で変えようとしているところ。

彼の話を聞いていると、ここで日本語を学び、仕事を得て移住し…そしてできれば日本人女性と付き合いたいんだと思う。
中国人や韓国人女性もいる中でなぜそんなに日本人女性がいいのか(彼女を見つけたいなら人種は幅広い方がいいのでは)と聞いたらうーん、と考えたあと、「自分でもよくわからない、でも西洋人女性は嫌だ。」と言っていた。

彼は日本語学科出身だが日本語は殆どできない。ちょっとここは正直、理解ができなかった。日本文化などに興味がある話も出なかった。しかしそれでも日本を選びここで生きようとしている。彼を良く知らないので勝手なジャッジはできないが、色々とまだ言語化できていないところに、日本に対して色々とぼんやりしている印象があった。

男としてピンとくるかは置いておいて、彼自身は話しやすいし、決して人間的に悪い人ではなかった。
まさに私もここ数年は迷子で、人生を変えようとしている最中なので同世代として共感するところもある。

そう思えるようになったのも、自分も歳を重ねたから言える。
私がもし20代、30代前半で会っていたら、「はずれ。」と切り離していただろう。相手の表面的な部分だけをみて選ぶ側に立てただろう。
今はアラフォーになり、内面が成長したのか、相手の人間的な面をまずは知ろう、と多少寛容さが備わってきたと思う。
それに、私だって未婚でまあ・・世間的に見れば余りもんだ。
男性側ばかりをえらそうに責められないと思ってしまう。

一軒目を出た時、二軒目どうする?となった。
まあもうちょっと飲んでもいいかな、と思った時に
「コンビニでビールを買って歩きながら飲むか、ウチに来ない?」
と提案された。

えっと、大学生の提案か?(笑)
外国は確かに素敵な公園がたくさんあるので、ピクニックをする人が多い。コンビニでビールはそのノリなのだろうか。これは日本の感覚だと「え」と思ってしまうが国によってもしかしたら違うかもしれない。

いくら金がなくてもこの真冬の空の下でビールを飲みたくないし、私はブーツをはいていたので歩きながらなんて足が痛くなるから嫌だった。
それに大して話も盛り上がってないのに家にあがりたくない。
家にあがれば何が起きるかはさすがにわかっている。
その提案で一気に酔いが醒めたのでそのまま帰ることにした。

ただまあ知らない人と時間を過ごすこの経験自体はこのようにnoteのネタにもなりおもしろかった。
後日この男性の話を友人に話したところ、真冬にコンビニでビールは嫌だね、と笑っていた。やっぱりズレてるよなぁ・・このひと。

仕事も語学も同じでこれも本気で出会いたいなら数打ち当たる必要がありそうだが、まあ肩肘張らずにそのときの時間を楽しもうと思う。

次の日もまたその次の日も彼からはメッセージが来続けたが、返信をしたかどうかはお分かりだろうと思う。

つづく。










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