コミッショニングとクオリフィケーション

医薬品製造設備を導入・改造する際に行われるコミッショニングとクオリフィケーションだが、各々定義して使い分けていますか?

コミッショニングは「試運転」や「性能検証」、クオリフィケーションは「適格性評価」と訳されているが、いまいちしっくりこない。昔からそう思っていたところ、最近上司と話をしていたときに「これだ」という意味を見つけた。それは、どちらも検査や検証という意味を持ち、メーカーやベンダーが行う検査がコミッショニング施主が行う検査がクオリフィケーションというシンプルなものだ。

では、具体的に検査内容は何が違うのか?それは、コミッショニングはメーカーやベンダーが工事を行う際に品質を確保するために実施する施工検査の意味合いがあり、クオリフィケーションは施主がその設備を使って要求する品質の医薬品を恒久的に製造可能なのか、合否判定する意味合いがある。したがって、コミッショニングは設備の品質に注目しており、クオリフィケーションはその設備を使ってできる製品の品質に注目している点が、大きな違いだと考えている。よくメーカーやベンダーがバリデーションといって工事の時に実施しているのは、実際はコミッショニングであり、施主側が製品品質を考えて業者のコミッショニングをある程度コントロールし、その結果を基にクオリフィケーションを実施するのが本当のバリデーションだと思います。そう考えると、クオリフィケーションはユーザーエンジニアにしかできない検査であり、自社で積み上げていかなければならない大切な技術やノウハウであると考えています。

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