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これからコーチングで独立したい時に気をつけたいこと
私自身独立をして1年経ちますが、当初は先が見えるのか見えないのかよく分からない中、なんとか一年目の決算を終えることができました。
周りに同時期に独立したコーチも多いし、またこれから独立しようとするコーチもたくさんいらっしゃいます。
今時は独立とサラリーマンを行き来するキャリアも全然珍しくないし、良し悪しもなにもないと思います。一昔前に比べたら、本当にチャレンジがしやすい世の中になったなと感じますね!
そんなわけで、今回は一年やったから見えてくる部分も含めて、もしこれからコーチングで独立をしたいなら気をつけた方がよさそうなことを書いてみます。
古から変わらぬ原則:コーチングで簡単に稼げるわけではない
何度か紹介していますが、以前にHBRの記事でこんなものがありました。
海外のベテランコーチたちが書いた記事ですが、要はこんなことが書いてあります。
コーチの仕事は思ったより孤独だよ
新人コーチが仕事をつくるにはちゃんとビジネスをしなきゃいけないので大変だ
多くのコーチがコーチング以外の多様な仕事もこなして、その経験を糧にしながら成長しているよ
これ、日本のコーチング業界でも同じですよね。日本のベテランコーチの方々も、過去を振り返った時は似たようなことをお話しされる方が多いと思います。なので、この前提を持っておくに越したことはなかろうかと思います。
最近はそんな「稼ぐのに四苦八苦している」コーチたちをターゲットにした情報商材も多く見かけます。私はそういった商材を体験したことはないのでなんとも言えませんが、なんだか胸が少しざわつきますね。
なんにせよ、ビジネスの上手さとコーチングの上手さは全く別領域に属するスキルなので、ここはしっかりリアルと向き合っておきたいところです。
数年前に独立した人のモデルはコピーできない
コーチングは業界として新しいので、結構変化も激しいです。おそらく市場はまだまだ伸びます。ですがコーチの供給もまだまだ伸びます。多分、後者の方がより大きいので、そのうち市場は窮屈になります。
そんな状態を表すように、「独立するコーチがテッパンで登録すべきコーチングプラットフォーム」がもう募集をストップしていたりします。なので、数年前のセオリーは使えません。
一方で、その数年前はコーチングプラットフォームというのもセオリーではなかったはずです。その時に勇気を出して行動を起こした、手を挙げた方が今ここにいるのだと思います。
コーチング市場自体は伸びているので、チャンス自体はまだ色んなところに転がっています。私自身もこのところ、「全く思わぬところから」仕事のオファーをいくつか頂戴しています。
なので、とにかく勇気を出して色々とやってみるしかないですね。何が今のセオリーかは後から分かることなのだと思います。そして大事なのは自分の商流とその分散のポートフォリオを確保することです。一社依存は禁物だぞ☆
ちゃんとビジネスをして稼ぎ投資する
自分への教育投資は継続しましょう。これからもたくさんコーチは生まれてきます。カウンセリング業界との境界もきっと曖昧になっていきます。この状況では市場原理によりコーチの価格は低下圧力がかかるでしょう。
そんなときの経営学の原則はただひとつ。「差別化することで競争環境から抜け出せ」、結局はそれだけです。
コーチとしてやっていく以上、自分自身が商品であるというのも(語感は気持ち悪いですが)ひとつの事実の側面です。とすると、自分自身に質の良い教育投資をして差別化を図っていくほかにありません。
そしてコーチならコーチングスクールに大金を払っているので知っていると思いますが、人の教育というのは金がかかります。また少しビジネスで金勘定をしてみると、その高額なスクールすら決して暴利とは言えないことも理解できると思います。
なので、まずは金を稼いでください。コーチとしての独立は、この稼ぐと投資のサイクルをいかに確立するかというところが肝なのではないかと思います。
資本主義が嫌いとか言わないでください。誰かがちゃんとしっかりお金を稼いでくれているから、保育園も学校も病院も運営されています。
営業が嫌だとか言わないでください。誰かが心を込めて価値を届けようとしてくれているから、必要な時に必要なものを手にすることができます。
自分を出すのが嫌だとか言わないでください。あなたが何者かが分からなければ、誰があなたを必要としているのか分かりません。あなたを必要としているところに、あなたを届けてください。
コーチ業と並行して行いやすい領域
先に紹介した記事にもありますし、実際の周囲のコーチもそうですが、コーチが行うコーチ業以外の分野はこんなところが多いようです。
コンサルティング
ファシリテーション
研修講師
このあたりが(経験則的に)コーチと相性のいい領域なんですね。つまりですが、「対個人」から、「対組織」や「対多数」に領域を広げていくということでもあります。
実際、これらの領域の仕事をすることは、コーチとしても学びになることがたくさんありますね。
なのでコーチとして独立するにあたっては、「人材開発・組織開発領域の知見」か、「対多数向けのコミュニケーション技術」を獲得していくことを視野に入れるのも一つの手かもしれません。
ちなみに私は個人的にチームコーチングを学びことをおすすめしています。チームコーチングは対多数向けの技術という見方ではファシリテーション技術とも近く、また組織というものに対する感度も上がります。応用できる領域が多いです。
もちろん、どんなジャンルを並行して走らせるか(あるいは走らせないか)も人それぞれだと思います。今までの自分のリソースを全部使えばいいし、何か足りなければこれから手にすればそれでよしです。
自分で自分のキャンパスに自由に未来を描けるのが独立の味わいですね!