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国際コーチング連盟(ICF)のPCC試験に申し込んでから合格するまでのポイント【Level2/ACTPパスある人向け】

2025年1月7日、無事に国際コーチング連盟(ICF)のプロフェッショナル認定コーチ(PCC)に合格することができました。ORSCでACTPパスを取得し、500時間の実践を終えてようやく一つのベンチマークにたどり着いた…という感覚です。

結構合格点ギリギリ笑

これ、試験を申し込んでからが思ったよりもなかなか孤独なプロセスだったというか、神経とエネルギーを消費したなという印象です。

そこで、今回はどなたかのお役に立つことがあればと、なるべく余計な労力がなくなるよう、記事にまとめてみたいと思います。


Level2/ACTPパスとは?あれば何をするとPCCになれるの?

まず最初に、ICFでPCCの認定を受けるには、ざっくり以下の要素を満たす必要があります。

  1. 125時間以上のコーチング教育を受けること

  2. 10時間のメンターコーチングを受けること

  3. コーチングセッションを録音して英語翻訳スクリプトにしたうえでパフォーマンス評価を受ける合格すること

  4. 500時間以上のコーチング経験を有すること

  5. 筆記試験(ICF Credentialing Exam)で合格点を取る

このうち、自身の出身コーチングスクールがICFの認定を受け修了生に「Level2/ACTPパス」を発行している場合、上記1~3が免除されます。コーチングスクール内のプログラムに組み込まれているからですね。

これら5つの条件はどれもたやすいものではありませんが、特に面倒なのが3、自身のコーチングセッションを録音して英語翻訳し合格することだと思います。

なので「Level2/ACTPパス」を持っていると非常に楽。私はCRR Global Japanで取得しました。CTI JAPANなど他のコーチングスクールでも発行しているケースがありますので、確認されてみてください。

よって「Level2/ACTPパス」がある場合には、500時間の実践と筆記試験(ICF Credentialing Exam)が実質的な条件に。前者の実践時間は淡々とこなすしかありませんので、必然的に多くのPCC受験者を苦しませる問題は後者に集約されてくるわけであります・・・

PCCの筆記試験(ICF Credentialing Exam)ってどんなもの?

まずは試験の概要をざっと書いてみます。

  • ICFの定めるコーチングの倫理やコンピテンシーをベースとする、全78問のオンライン選択式テストです。日本語で受ける場合はおよそ3時間、前半と後半の間に10分の休憩を取れます。(2025年1月13日現在)

  • 特定のコーチングの状況を説明する問題文に対し、4つの選択肢からベストアンサーとワーストアンサーを回答する方式で採点されます。前述のとおり試験時間は豊富なので、日本語で受ける限り、「時間が足りずに解ききれなかった」という事態にはなりにくいかと思われます。

  • 日本語で受験することが可能です。(問題文の機械翻訳にはそこそこ苦慮することになります。)ただし、試験の申込プロセスは英語で行われます。⇒後述のとおりDeepL使う!

  • 自宅もしくは最寄りのテストセンターで受験することができます。テストセンターは意外と場所が豊富で、準備も不要なためおすすめです。

  • 「Level2/ACTPパス」を用いた非ICF会員の受験は$525をクレジットカードで払う必要があります。⇒今のレートで85,000円くらいしたぞ・・・

  • 再試験は$105かかる。

試験の注意点や勉強方法は後のパートで触れてみたいと思います。

申し込みにあたって何に気をつければいい?

さて、これらを踏まえていざPCC試験の申込をしてみようとなった場合、下記のURLから「Take The Credential Path Survey」をポチっと押して進めてください。

・・・はい、URL先の英語を見て「うッ・・・」となった方。正直に手を上げてください・・・。私ですが・・・。

このように申請手続きがしばらくずっと英語で続くんです。でも大丈夫。うッっとなった方は、今すぐDeepL翻訳の有料プランを契約しましょう。30日は無料で使えますから。以後全部出てきた英語は全てDeepLにぶち込みましょう。ためらわず全部ぶち込むんだ。結構長文メールも来るし、後述の試験勉強でもDeepLに頼ることになるので、無料版だとどのみち不足します。

(ちなみに、ビジネスレベルで堪能に英語を駆使していない限り、試験も日本語で受けることを強くお勧めします。読めても時間が足りなくなるからです。)

そのうち「125時間以上のコーチング教育を受けたことを証明する資料をアップロードしろ」と言われると思います。その時は、単なる修了証ではなく、「この人はこのプログラムで○○時間の教育を受けましたよ」と(英文で)書いてある書類の方をアップしましょう。※発行元のコーチングスクールによって違うかもしれませんが。

その後に審査が完了すると、いよいよ受験案内が来ます。このオンラインテストは自宅もしくは最寄りのテストセンターで受験することができますが、基本はテストセンターがおすすめです。(ちなみにですがテストセンターでは簿記の試験なんかも同時刻にやってたりします。)

自宅だと「周囲に何もないこと」を試験官に見せる必要があったり、意外と条件に適応するのが面倒なようです。テストセンターは思ったよりも場所が豊富なので、可能ならテストセンターを選ぶのがいいかもしれません。※もちろん最後は好みです。

このような事情もあり、試験日や時間の選択は思ったよりかなりスムーズです。私は12/19に申請を開始し、1/7日に受験しました。

試験勉強は何をすればいい?

ここで肝心の試験の話に移りますが、その前にちょっと補足の情報です。ICFによる2023年の統計では、初回受験者の合格率が75%、トータル合格率が87%となっています。

これ、細かい統計が出てないので分からないのですが、日本人受験者の感覚としては合格率が高すぎると感じます。周囲も結構苦戦されている方が多いですし、私もなかなかギリギリでした。どうも母語が英語じゃない場合に不利なんじゃないか?という視点もあったりします。この話が出るのにはいくつか理由があります。

  1. そもそも「答え」があるのかあやしい設問も多い。間違い探しではなく他の選択肢との比較なので、別の次元のコンピテンシーとでどちらが大事かを比較し検討するような難しさを感じる時もある。⇒まぁこれはある程度仕方がない側面も。

  2. そのうえで、問題文が英語から日本語に機械?翻訳される際に、言葉のニュアンスにブレが出ているくさい。

  3. 試験後にトータル点数は教えてくれるが個別の正解不正解のフィードバックはないため結局ブラックボックス

特に2つめの翻訳の問題。例えば、「Praise(褒める)」と「Celebrate(祝福する)」みたいな、一般的にニュアンスの近いような遠いような言葉たちが、ときおり「褒める」という同一の日本語で翻訳されていたりすることがあります。

これ、コーチング的には結構意味合いが異なります。たぶん、「Praise」は評価判断を含むので好ましくないものに分類されやすい。一方「Celebrate」はコーチングの中で大切にされる重要な要素だったり。そして正解も分からないのでかなり混乱を招く要素になっています。※一応、日本語で受験しても英文の確認は可能です。

そのうえで、どのような勉強が有意義かをいくつかピックアップしていみます。

ICFコア・コンピテンシーモデル

まず第一には大原則、ICFコア・コンピテンシーモデルを読み込むところからはじめます。

世界中のコーチの合意点がコンピテンシーなので基本的にはどれもとても大事です。ただ、注意点としては、出身コーチングスクールによって少しニュアンスの違いを感じるところも所々あるんじゃないかというような気がします。PCC試験では自分のベースとなるコーチング観を客観視する視点も必要かもしれません。

PCCマーカー

次に「Level2/ACTPパス」においてはカットされるコーチングセッションの録音の評価に用いられる、PCCマーカーというものを一読しておくことが有益です。

結構大事なことが書かれています。今(2025年1月13日)は日本語版がないのですが、ICF Japanの有志の方がボランティアで翻訳作業をしてくださっている最中だそうです。それがオープンになるまではDeepLに英文をぶち込んで読んでおきましょう!

公式サンプル問題

そしてここからがいよいよ本番です。こちらにICFが8問のサンプル問題と答えだけ(「なぜそれが答えなのか」の意図も欲しいんだけど・・・)を用意してくれています。今すぐDeepL翻訳にぶちこんでやりましょう。

※リアル問題もこのサンプル問題をDeepLにぶちこんで出てきた日本語くらいのレベル感で出てきます。

ちなみにこのサンプル問題をベースにした解説動画(英語)がこちら。うーん分かるような分からないような?

海外有志ニキ作成の模試を受ける

海外の有志の方が、ICF Credentialing Exam Simulatorというものを作ってくれています。全53問の模試ですね。現時点(2025年1月13日)ではこれよりいいものはないかもしれません。あれば教えてください。全てDeepLにぶっこんで何度も解きましょう。

ただ・・・正直、私が受けた試験とはだいぶ角度が違うようにも感じました。「こんな話出るの!?」みたいな。もしかしたらですが作成時から少し時も経ち、問題の方が変化してきているのかもしれません。この角度の違いは結構本番で涙目でした。

仲間と議論する

即効性は無いですが、学びの仲間と議論するのはとても大事だと思いました。コーチングスクールでのこの過程はなんだかんだで為になったなと感じています。

PCC合格後のプチ注意点

そんなこんなで試験に合格した後の話です。

PCCの資格は3年後には更新をしなければなりません。その時までに40時間分の学習(CCE単位)を得ておく必要があるため、学びの旅自体は終わらないようになっています。

もう一個ほんとに小さな注意点なのですが、試験に無事合格していると、思ったよりもかなり早くICFから認定デジタルバッジが送られてきます。そこで嬉しくなってSNSにアップしたりして「ウェ~イ」ってするんですが、なぜか時間差で「バッジの画像はあんまりSNSにアップしないでね」ってメールが送られてきます。

なぜバッジ送付時の自動送信メールにこの一文を入れないのだ!?!?笑

そんなこんなですが、少しでもこの記事がどなたかのお役に立てば幸いです!幸運があらんことを!


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