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オートエモーションコンバート璃奈ちゃんボード完全攻略マニュアル
虹ヶ咲学園のスクールアイドル、天王寺璃奈ちゃん。シリーズで一番小柄な身体で表現する歌とダンスでみんなと気持ちを繋げる、キュート系スクールアイドルです。
そんな璃奈ちゃんといえばやっぱり璃奈ちゃんボードですよね。中でも、ライブ衣装で装着するオートエモーションコンバート璃奈ちゃんボード(AEC璃奈ちゃんボード)はその設定の斬新さとビジュアルのかわいさによって非常に高い人気を誇っています(当社調べ)。もちろんpixivで天王寺璃奈と検索すればたくさんのAEC璃奈ちゃんボードのイラストが見られることでしょう。さて、検索検索……
ぜんぜん出てこない!!
なんということでしょう。新着順に100枚見てみたのにAEC璃奈ちゃんボードを頭に装着したイラストは3件しかありませんでした(2023年8月20日19時現在)。
ちなみにそのうち2つが私の作品です。
これだけ少ないということから導き出される結論は1つでしょう。
そう、間違いありません。
AEC璃奈ちゃんボードの作画が難しいからみんな避けちゃうんですね!!
確かにAEC璃奈ちゃんボードはプロのイラストレーターが描いている公式でさえも作画が安定しない難関アイテムです。うまく描く自信がなくて結局ボード無しで描いてしまう……そんな方もいるかもしれません。
しかし、そんな心配はもういりません。この記事では、AEC璃奈ちゃんボードの基本的な構造から様々な角度での描き方まで、詳しく解説していきます。もうボードの作画は怖くありません。自信を持って描き上げ、この世にボード装着璃奈ちゃんのイラストを1枚増やすことができるでしょう。
それでは始めていきます。
ちなみにAEC璃奈ちゃんボードを外して手に持っているイラストを含めるともう少し増えます。でも私は頭に装着してるのが好きなんだ……。
始める前に……
私はラブライブ!公式とは無関係であり、全ては1ファンとしての分析と解釈ですのでご了承ください。
また、この記事はAEC璃奈ちゃんボードが上手に描けないときの助けとなることを願って記したものであり、こうでないといけないということではありません。この内容に縛られすぎることなく、自由な璃奈ちゃんボードを描いてもらえれば幸いです。
それでは今度こそ始めていきましょう。
基本的な立体構造を把握する
まずは璃奈ちゃんボードの構造を見ていきましょう。スクスタメタバースで撮影した画像を使うため基本的にスクスタ版の3Dモデルに準拠しますが、適宜アニメ版とも比較しつつ確認していきます。
正面
正面から見たAEC璃奈ちゃんボードがこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1692373434448-GD3XatUt01.png?width=1200)
注目すべきは意外とサイズが大きいことでしょう。横は頭より少し狭いくらい、縦は頭の6割弱を占めます。とはいえサイズは個人の絵柄が強く出る部分であり、デフォルメの程度によって大きく変動するため、気にしすぎなくても良いでしょう。
ただし、横幅を小さくしすぎると側面パーツとの整合性が取りづらくなるので注意が必要です。これは、正面パネルのサイズが小さいと、耳の位置にあるイヤーカップと繋ぐために側面パネルを大きく開かないといけないためです。
![](https://assets.st-note.com/img/1692528248140-kzfGCTb91b.png?width=1200)
アニメ版ではさらにサイズが大きいです。横幅は髪を除いた頭と同じくらい、縦は頭の6割以上を占めます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692373453450-Z7Gftl6O06.png?width=1200)
ちなみにボードと頭の大きさの比率はカメラとの距離で変化しますが、パース(遠近法)の話になってしまうので詳細は割愛します。結論だけ言うと、カメラが近いほどボードが相対的に大きく見えます。
最後に画面部分です。
![](https://assets.st-note.com/img/1692373967136-C0Jlqbd9Iu.png?width=1200)
スクスタ版では最長部分で完全に枠内に入っているマスが縦21マス、横26マスです。ただし、必ずしもこの数値にしなくてもかわいくなりますし、絵柄によってボード自体の縦横比を変えている場合は1マス1マスが正方形に近い形になる数にした方がかわいいと思います。また、公式のイラストでも異なる画素数で描かれているものは存在するので、あまり気にしなくても大丈夫です。
また、こちらもアニメ版では少し異なります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692375033372-7xxXYWnLLq.png?width=1200)
アニメ版では枠内に入っているマスが縦20マス、横24マスです。表情のバランス自体は変わらず、スクスタ版から端を削ったものと考えて問題ないと思います。
側面
側面はこのようになっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1692375398991-ZldkfQkETI.png?width=1200)
当然ではありますがボードには厚みがあるので、顔から少し前に出た位置にあります。この厚みが斜めからボードを描くときの難易度を上げます。詳しくは後述。
上面
上面はこんな感じです。スクスタメタバースのおかげでボードの資料に困らなくて最高ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1692375538054-gt8PUxnirK.png?width=1200)
側面パネルが奥に向かって広がっているのがポイントです。側面パネルが正面パネルに垂直だった場合はボードの横幅が顔の横幅(両耳の間隔)と同じにならないといけませんが、奥に広がる構造なので顔より狭い幅で成立しています。
この形状はメガネに近いです。メガネも90度より少し広げた状態でかけますね。おそらくAEC璃奈ちゃんボードも同じように側面部分が閉じようとして頭を左右から圧迫することで外れにくくなっているのでしょう。ヘッドホンも左右から圧迫するものなので、そこも整合的です。
正面パネルはゆるやかにカーブしていますが、これはスクスタ版のみです。この形状のため、スクスタ版では真横から見たときに画面の半分が見えます(側面の画像を参照)。このカーブをちゃんと描こうとすると難易度が爆上がりします。ただ、横や上といった特殊な角度から見ない限りほとんど違いはないので、基本的に気にせず平面で描いて問題ないと思います。少なくとも公式グッズで曲面がわかるように描かれているものは無いはず……。
ボード右上の星飾りは3Dモデルだと厚みがゼロです。ペラペラです。
描くときに意識することはまずありません。ただの豆知識です。
あまり重要でない構造
イヤーカップと側面パネルの位置関係
![](https://assets.st-note.com/img/1692377985823-cIRYRiD9UL.png?width=1200)
知らないと斜めの角度を描くときに意外と困りますが、そんなに目立つ部分でもないので適当にごまかしてもたいてい大丈夫です。
ヘッドバンドは側面パネルから生えている
![](https://assets.st-note.com/img/1692377997805-YazcvskINO.png?width=1200)
この記事を書いてて初めて知りました。一生使わない知識。
そう思っていたのですが、自分の絵を見返してみたらめちゃくちゃ間違えてました。冒頭に挙げたツナガルコネクトの絵もそう。
実際に描いてみる
その前に
側面の項で説明したようにボードには厚みがあるので、斜めから見ると顔よりも少し外側に出て見えます。ではどれくらい斜めを向くとはみ出るのでしょうか?
これは上から見た図を考えるとわかりやすいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1692380542166-69XVulARmT.png)
かなり正面に近い角度で見たときにボードの端と頭の端が重なることがわかります。実際にそうなることを確認してみましょう。
これくらいの角度で頭の端とボードの端が重なります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692378896005-ioyAR2qbkH.png?width=1200)
これ以上斜めを向くとボードがはみ出て見えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692378896587-I7DesuABQF.png?width=1200)
まだだいぶ正面に近い角度ですが、ボードがはみ出ているのがわかりますね。
アニメ版ではボードの幅が広いため、より正面寄りでもはみ出て見えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692379693463-pRYGuQMuRX.png?width=1200)
カメラが近ければ完全に正面でも両側がはみ出ます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692379761138-vPaEUKIJVo.png?width=1200)
というわけで、3Dモデルに準拠するのであれば基本的に斜めの角度を描くならボードの端は頭からはみ出ると考えておいて間違いありません。ただし、手描きイラストのグッズなどではある程度斜めを向いていてもボードがはみ出ていないものもあるため、そうでないといけないというわけではありません。目安くらいに考えておくのが良さそうです。(個人的には出ている方が立体感があって好きです。また、出さない場合ボードの横幅が狭く見える、ボードが顔に埋まって見える、奥側の立体構造が破綻するなどの問題が発生することがあるため注意が必要です。)
これを踏まえて実際にいろんな角度で璃奈ちゃんボードを描いてみましょう。
斜めの角度の描き方
斜めの角度でボードを描くのは難しいです。角度がついたことで厚みを意識して位置を決めないといけなかったり、側面パーツの立体構造を考えて描く必要があったりするからです。今回は、ボードの端と中心の位置をもとにボードを配置するやり方を紹介します。
それでは実際に描きながら見ていきます。
まずは璃奈ちゃんを用意しましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1692461076221-BCl7wiTZjZ.png?width=1200)
あとでボードをつけるのでちょっと雑でも大丈夫です。
![](https://assets.st-note.com/img/1692461164970-cY0uFvSZ5K.png?width=1200)
次にボードのアタリをとります。最初にボードの高さを決めましょう。先述の通り、頭の6割くらいです。水平は両目を結んだラインを参考にします。
![](https://assets.st-note.com/img/1692516001799-K8lSPHC26l.png?width=1200)
より正確には、遠近法のため奥に向かってすぼまる形になります。角度は精密に取らなくても理論上間違いではないので、適当に調整します。
この手順はやらなくても大丈夫ではありますが、少し違和感が出てしまうのでやっておくことを推奨します。
![](https://assets.st-note.com/img/1692516122244-1QqchjNNZE.png?width=1200)
斜めの角度なのでボードの端は頭よりも外に出ます。どの程度出すかはMVなどを見て近い角度のものを参考にしましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1692516249408-4EbKwB5Fya.png?width=1200)
画面は鼻よりも前に位置するため、画面の中心線は鼻よりも外側に来ます。だいたいで問題ありません。
中心線の中点も作図しておきます。こちらは出来る限り正確な方がいいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1692516249622-Cu30Vw465z.png?width=1200)
図のように、角と真ん中を通るような線を引きます。アタリとなる四角形の対角線になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692516415379-Iht4ffcVWH.png?width=1200)
横の線との交点から、他の2本の縦線と平行になるように線を引きます。これでボードのアタリができました。上下左右の辺がボードの上下左右の限界、中央の縦線がボードの中心線になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692516659465-9Rbi2RpscR.png?width=1200)
アタリを元にフレームの形を描きます。そのまま厚みもつけてしまいましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1692517048108-kfYrTbFxCD.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692516715027-Ot0kHPpJlk.png?width=1200)
イヤーカップを描きます。ヘッドバンドはイヤーカップ同士と頭頂部を結ぶように繋ぎます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692517080054-bR3OR9wVLO.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692517080189-ymu3xEx7Yl.png?width=1200)
側面パネルを描きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692517106417-E3SYtjZ6yT.png?width=1200)
装飾を描いて本体は出来上がり。
![](https://assets.st-note.com/img/1692517118686-DypbLWOa39.png?width=1200)
表情は先に作ってから自由変形で配置します。
![](https://assets.st-note.com/img/1692517130715-LXepbKBURQ.png?width=1200)
いかがでしょうか。手順こそ複雑なものの、けっこう理詰めで描くことができます。ボードの中心線が鼻より外側に来ることがポイントで、これを意識しないとボードが顔に埋まっているような見た目になります。要注意。
![](https://assets.st-note.com/img/1692517186193-KpSkGAxrf9.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692517186297-njrsP5Z4Yt.png?width=1200)
また、端が頭からはみ出ていないと側面パネルとイヤーカップと頭の前後関係が破綻して大変。
俯瞰やアオリの描き方
非常に難しいですが、ポイントをうまく抑えれば描くことができます。これも実際に描きながら見てみましょう。俯瞰からいきます。
まずは璃奈ちゃんを用意します。
![](https://assets.st-note.com/img/1692518518899-LRGPsTrOgs.png?width=1200)
あとでボードをつけるので璃奈ちゃんが絶対しない表情をさせておいても大丈夫です。
![](https://assets.st-note.com/img/1692518529319-98Yxi8oEMM.png?width=1200)
角度がついているので、頭の大きさの6割で高さを決めることができません。しかし、ボードの上端と下端で顔の表面からボードの表面までの距離がだいたい同じなので、上端(前髪の分かれ際が見えたり見えなかったりするくらい)と下端(口と顎の間)から同じくらい前に出してあげれば高さが決まります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692518584462-ccHsVS8utX.png?width=1200)
遠近法のため奥に向かってすぼまります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692518602074-YXNaDAPFcM.png?width=1200)
アタリのとり方とフレーム、厚みについてはさっきと同様です。
![](https://assets.st-note.com/img/1692518602288-svyBmRkrMw.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692518625918-QW680LebFy.png?width=1200)
イヤーカップを描きます。俯瞰なので正面パネルと比べて上側に描かれます。ヘッドバンドは俯瞰なので少し前に傾いたような形になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692518651062-BasPpQw6Gv.png?width=1200)
側面パネルを描きます。俯瞰なので上側に伸びるように描かれます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692518678112-NsYoyv8WGM.png?width=1200)
さっきと同じように装飾と表情を描いて完成です。
俯瞰やアオリを描くうえで重要なのは側面パーツの位置と顎の隠れ具合です。俯瞰の場合、側面パーツはより上に描かれ、顎は隠れることになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692518689676-AZ1mdGPqKr.png?width=1200)
続いてアオリに行きましょう。
まずは璃奈ちゃんを用意します。
![](https://assets.st-note.com/img/1692523226941-4TpNb8l1iF.png?width=1200)
あとでボードをつけるので顔に落書きしても大丈夫です。
![](https://assets.st-note.com/img/1692523238388-8dizYCGeyk.png?width=1200)
俯瞰と同じ要領で高さを決めます。アオリの場合は顎が広く出ます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692523252541-FQdijYPhnL.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692523308364-MEgGMko8Dt.png?width=1200)
あとは同じように進めます。アオリなのでイヤーカップや側面フレームは正面パネルよりも下に描かれます。
![](https://assets.st-note.com/img/1692523336456-UKKalfbfua.png?width=1200)
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![](https://assets.st-note.com/img/1692523512097-kKpECQ1hUR.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692523557384-ctuWsw9eAM.png?width=1200)
アオリでは側面パーツが少し下に描かれることと顎が広くなることが重要です。
斜め後ろからの描き方
この角度でAEC璃奈ちゃんボードを描こうとする人はまずいないでしょう。私もこの記事のために初めて描いたくらいです。
でもやります。なぜならこれはAEC璃奈ちゃんボード完全攻略マニュアルだからです。
まずは璃奈ちゃんを用意します。ボードで隠れないのでちゃんと描きましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1692526614538-ZmrEB93UGB.png?width=1200)
正面パネルは見えないので、ヘッドホンと側面パネルを描いてあげれば終わりです。
![](https://assets.st-note.com/img/1692526719053-mzU2F48EZm.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692526719370-qxwCZeizsW.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692526740844-6TwlgvWzlk.png?width=1200)
簡単ですね。
おわりに
オートエモーションコンバート璃奈ちゃんボードの立体構造と、実際にいろんな角度でボードを描く際のポイントを紹介しました。
AEC璃奈ちゃんボードは頭につけるアイテムなので、頭との位置関係を考えながらきちんと立体構造を考えて描けばどんな角度でも描くことができます。この記事で紹介していない角度も、同じように手順を踏んで描けばきちんと描けるでしょう。
この記事がAEC璃奈ちゃんボードを描く際のヒントになったり、描こうと思うきっかけになったりしたら私としてはこの上なく嬉しいです。
それでは、お読みいただきありがとうございました!
おまけ
3DMVは作画資料としてとても優秀です。ぜひ参考にしましょう。
オートエモーションコンバート璃奈ちゃんボード(本物)の発売も楽しみですね!