見出し画像

2021年機材雑記

序文

じょじょにコロナの感染者数が減り、この長いコロナ禍にも終息の緒が見え始めている今年度。もちろんオミクロン株などまだまだ予断を許さない状況は続いているものの、去年や年始の頃と比べればだいぶ落ち着いてきたのではないだろうか。それもこれも、ストレスフルな自粛生活をひたすら耐え忍んできた方たちのおかげであり、端から仕事以外ではさっぱり外にも出ず、「外出自粛なんて楽勝じゃん?」とただの引きこもり気質を長所に転ずる奸計を企てるような卑怯者の自分は、解決に向けて努力してきた人々に頭が下がる思いだ。

こんな堅苦しい挨拶から始まったことも、一応トラックメイカーを自称している癖をして「プラグイン雑記」とかいうふざけたタイトルなのも、全ては自責である。激動の年、コロナの年、変革の年、まあ色々と年の名付け方は色々あるわけだが、個人的な話をすれば怠惰の年だったわけである。
年始めから、何かを作業した記憶がまったくと言っていいほどない。パラデータくださいとつぶやいたら凄く優しい相互さんがパラデータくれて、それをいじくり回してそして自分の技術に絶望したくらいだ。とても見せられる出来ではなかった。(本当にありがとうございます)

さてそんな何もしていないと言っても過言ではない僕の一丁前な購買意欲の結果をせめてまとめ、「まあ何もしてなくはないよね」という慰めを期待しよう。クソが。

買った機材達

・Arturia MINILAB mkⅡ

25鍵のmidiキーボード。小型で8つのPADと16のノブ、モジュレーションタッチホイールのついたベーシックかつコンパクトなmidi鍵だ。白い筐体と側面の木目調が良き。
今まで使っていたKomplete A61とは泣く泣くおさらばし、ミニマルなキーボードにした。文字を良く書くので(どちらかというとそっちが本領なので)腱鞘炎予防と少しでも早くなるようにとTOPRE使ってるが、有線のどでかいキーボードなので、領域の限られたIKEAデスクに乗せるには大型のキーボードは差し支える。
そもそも音色確認程度しか使わないのに、61鍵もいるか?と悩み続けた結果、とうとう買い替えた。快適。

・Focal Shape 50

スピーカー。先代はiloud micro monitor。ラージとまでは行かないがある程度ロー付近(特にローミッド)が高い解像度で見えるスピーカーを模索した結果、定番中の定番であるこの機種に辿り着いた。
デスクの位置の都合上背面がガッツリ壁に接近してしまうため、パッシブラジエーターがかなりありがたい。ただし予想外だったのは、本体側に音量ノブがなかったこと。もちろん買う前に把握済みだったが、この仕様はtotal mix fxと相当相性が悪い。

OutputsではAN 1/2を使用しており、(コントローラで言うOUTPUT ch1/2)フェーダーを上げることで音量が出るようになっているのだが、仕様上ほんの僅かに上げただけでもそれなりの音が出る。昼日中に結構な音量で聞くとしても、-50くらいまで上げたら十分なほどだ。

画像1

ところがmatrix画面はダブルクリックしただけで一瞬で0までフェーダーが上がる。悪質なことにSnapshotsと言うプリセットのようなものでも、デフォルトで0に設定されている。

画像2

当然-50で十分すぎるほどの音量が出るのだから、0で出たりなんかしたらですね、それはもう凄まじい音量になるのですよ。
例えばパソコンの音をLoopbackしてSoundforgeに流しそこでサンプリングを行うとか、そういう設定を細かくしていたりなんかするときに、とんでもない爆音が出てくるわけです。飼ってる猫二匹が逃げ出していくくらいです。
もちろん耳にも悪いんですが一番心配なのはスピーカーそのもので、そんな爆音が突然流れたら悪影響極まりないんですよ。まじで。
もしかすると何か対処法があるのかもしれないが、今のところはモニコンくらいしか思いつくのがない。SPLあたりがいいかなと思っている。

パソコン

いやあ。いい買い物でした。
i9-10900K、64GB、SSD2T+1T+HDD4T。
CPUやRAMも重要ですがとにかくストレージが早くあってほしかったし、保存やインストールに関することでストレスを感じたくなかったので結構SSD積みましたが、正解でした。音源や使ってるソフト系全部入れたら1Tいったし、サンプルやプロジェクトは別で保存したかったし。
後全然関係ないんですが絵の練習もしたかったので液タブも安く仕入れました。Cintiq16というやつなんですが、意外とサブモニタとして優秀でFLのミキサーを表示させたりしてます。誰か絵を教えて下さい。僕に。

愉快で楽しいプラグインたち

今年は金欠も相まってBFなどで手を出す余裕がありませんでしたが、それでもちまちまプラグインを買っていたり、頭がおかしくなってDAWをもう一個買ったりしていました。
結構昔使っていたソフト達とラインナップは変わっているんですが、それでも考え方はあまり変わってないかも。
去年から今年に掛けては結構色々プラグインでも斬新なのが出てきていて、ある程度「これが正解」だというようなVSTも出揃ってきました。
定番なのは多分ある程度持っているのですが、それでもまだまだ足りる気がしません。
なので今年よく使ったり良い印象だったり、テンプレに組み込まれたプラグイン達を適当に紹介しつつ、自分なりに整理していこうかなと思います。

Arturia FX Collection 2

買わない理由がありません。良質なコンプ、プリアンプ群とクリエイティビティに満ちたフィルターリバーブディレイがバンドルされていた前シリーズに加え、新たに3種類のミックスバスと4種類のフェイザー系、占めて七種類のプラグインが追加されました。
とくにBUS FORCEはお気に入りです。後33609モデリングのDIODE-609も最高。
細かいところですが、Arturia製品はどれもリサイズできるのがとても良いです。ユーザーに寄り添っています。Surface使ってる友達が、なぜかノブが豆粒みたいにちっちゃくなったmassiveを懸命に操作している姿を見ると尚のこと重要な要素だと思います。(どうも4K関連で悪さしているっぽい)

Kush Audio

去年宣言させていただいた脱izotope(というよりozone)に伴い導入したサチュレーションプラグイン。サブスクで買えるのがオトク。
SILIKAやNovatronを始めとする濃密なコンプレッサー群からHAMMERなどのEQ,gold plateなんてリバーブある。どれも共通しているのは、エキサイター/サチュレーターとしての質の高さだ。笑えるくらい派手なので、トラック数の少ない曲のドラムバスなんかに掛けるだけで一気に味がつく。あまりに派手なので、基本パラレルで使う。

Elevate bundle

脱Ozoneしてからマスタリングのやり方がDAW内かDAW外(後述)に分かれるようになったが、DAW外でやる場合は主にこのバンドルを使っている。
マスター段でSatuるときには、正直アナログほど濃い味付けは求めていないので、それこそOzone exciterのようなのがほしい。そんなときに使えるSaturateと、謎技術が使用されているEquivocateが統括的に使えるElevate。
正直使いみちはozoneとあまり変わらなずこのプラグイン一本でもある程度マスタリング可能ではあるが、万能すぎないためプラグイン一本に頼りすぎることがない。
FLUXやTCと組み合わせて使っています。

TC electronic

一部界隈で話題になった(ような気がする)良質なプラグインを多数排出する老舗メーカーによるプラグイン。MASTER X/BrickwallとDYN/PEQ3000のMIDAS bundleと後述のFinalizerを所有している。
共通しているのは単純明快なGUIによる優れた操作性と機能性、音の解像度の高さである。最も音に関してはあまり自分の耳を信用していないので、ある程度バイアスがあることを自覚しているが、シンプルな話非常に使いやすくまたプリセットの出来が優れているので愛用している。

Finalizer

DAW内でマスタリングが完結しなかった時(膨大な選択肢の前で手が迷いすぎたり着地点が見えなかったり、あるいは気分じゃなかったとき)に使用するスタンドアロンのマスタリングソフトウェア。日本語の文献がほとんどないため買って3日くらいはDeeplに頼り切りだった。
なんとなくOzoneぽいなあとアホっぽいことを考えて購入したはいいがまさかのVSTではなくスタンドアロン限定で膝から崩れ落ちたものの、使ってみれば予想以上に使いやすい。
マスタリングという暗中模索するしかない作業を導いてくれる優れたプリセット群に、アマチュアにとってかなりの難所となるレベル調節を行ってくれる親切設計、また自動化されているだけではなくいじればいじるほど細かいところまで詰められる奥深さ、そして他のプラグインを一切利用できないという割り切った設計。
とてもおすすめです。

Gullfoss

皆グルフォスって読んでたんじゃないんですか?僕もそう読んでました。
実際はグトルフォス(Gullfoss.黄金の滝を意味する、アイスランドに実在する名所)だそうです。
zynaptiqのintensityとかと同じく、なんでそうなるのか良く分からないけどとりあえず音めっちゃいいやんっていうプラグインです。
まあ原理で言うならNeutronのSculptorとかと同じ奴なんですが、出音全然違います。シャリシャリしすぎることを除けば完璧です。とりあえず団子状になったバスとかに掛けたり、マスターにうすーく掛けたりしてます。

Valhalla DSP

言わずもがなの名家。正直もうミックス関連のプラグインはある程度買いつくした感があり、(Tone projectとかVertigoとかKirchhoffとか定番中定番のFabとか色々まだまだあるっちゃあるんですけれども)そろそろ音源とか空間系エフェクトとかそこらへん、欲しくなっちゃったのでVintage verbとShimmer買いました。言うまでもなくいいです。リバーブは最近もっぱらこれだし、ピアノとかアンビシンセとかには脳死でShimmer掛けてます。

終わり

改めて使い直してみたWavesがいかにヒップホップに向いているかとか、一年間一応色々使ってみたFluxの所感だったりとか、Overloudがいかに神かとか(LA-2Aのモデリング買いました)、後とうとう買ってしまったAbleton live(開くたびに血涙を流し、FLのロゴに謝罪しています)とか、もうちょっと色々あったのですが、結局のところ新しく買ったもので中心にいたのは上で書いた奴らだったし、前買ったプラグイン達も語れるほど知り尽くしてはないのでこんなもんで収まっちゃいました。まだまだですね。
正直プラグイン巡りの旅はそろそろ終わりを迎えそうで、というのも今僕の興味は先月発売されたSP404の新作だったりメルカリで売られているMPC2000だったりと、サンプラーなどのサンプリング方面にガッツリ向いてしまっています。Spotifyの総まとめで聞いた曲回数の五位にluv(sic)入ってる時点で察してください。後普通にコードの勉強とか、曲を作るという行為の基礎を一応勉強しないといけないです。というかそんなことをする前に手を動かさなくてはいけません。
「手を動かす」という目下の課題に於いて、手を実際に動かし続けるサンプリングに興味が湧きつつあるというのはむしろいい傾向かもしれません。さてさて。

とりあえずターンテーブルはSL1200でいいんですか?ミキサーとかフォノイコって何使えばいいんですか?レコードって僕の家の近くのブックオフでも買えますか?SP-1200ってなんであんな高いんですか?ビンテージだからですか?復刻版とか言ってえらい金額で売ってあるのなんでなんですか?多少音が変わってもいいから同じ操作感の奴を作って欲しいって思ってるのって僕だけだったりするんですか?どうして最近曲が出来ないんですか?

質問は絶えません。
これからもこういう悲鳴を上げ続けていきますが、年一に収めますので、許してください。また来年もよろしくお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!