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一般利用者のための【完全!劇場利用マニュアル】 ~もうスタッフに怒られない!w~ vo.1

お読みいただきありがとうございます。
いきなりなタイトルでいきなりなことを書きはじめました。

これは、現在進行形で、劇場:市民ホールの常駐スタッフとして働く僕が、
普段の仕事から思う、
「利用者さまに対して感じること」
まあ、ぶっちゃけ非難覚悟で言うと
「不平不満」
を、逆説的に考えて

じゃあ利用される皆さんに前もって
「こういう風に利用すればいいですよ」ということを知識として
持っておいていただきたい、という願いで書き始めたものです。

一般人が、そんないきなり舞台の専門知識なんて・・・

と臆されなくて大丈夫です。
できる限りかみ砕いて、「劇場」「舞台」というところは
どういうところで、何をしたらどうできるのか、を説明していきたいと思いますので、今後、劇場を利用される際の参考にしていただければ幸いです。
特にこれから初めて利用される方々には
「必見」となる内容にしてゆくつもりです。

尚、ここではあくまで一般利用者さま向けの知識や指南を書きますので、
プロのスタッフさんや舞台監督さんには役に立たないどころか
「今更そんなん当たり前やろ」
なことしかないと思いますのでご了承ください。

また、ここでいう「劇場」とは、市営や県営の公共ホールのことを指します。
一般企業や個人が経営する劇場(「京〇ラドーム」とか「シン〇ォニーホール」など)とは勝手が違う部分もありますので、混同なきようお願いいたします。

では・・・前置きが長くなりましたが、始めますか。

STANDBY・・・GO!!


【VOL.1】
「利用区分とスケジュールについて」

さて、貴方が劇場を利用してなにか催しを企画したとします。
劇場:市民ホールは概ね1年前から予約可能ですが(ホールにより前後あり)、大体、土日祝日は人気があるので先着順または抽選になります。
運良く予約できましたら、第一の関門
「何区分利用するか」

市民ホールでは利用区分というものが設定されていて、それは
午前 午後 夜間
と3区分あります。それぞれの利用時間は、
午前:9~12時
午後:13~17時
夜間:18~22時
となります。(ホールにより前後しますがこのパターンが一番多いと思います)

貴方が希望通りのいういつの日曜日を取れたとして、本番は14~16時くらいかなー
なら午後区分だけでいいやんね・・・

と、ちょっと待ったー!!

催しの内容にもよりますが、舞台を使用するには、催しのための「仕込み」が必要になります。
舞台、音響、照明、それぞれに貴方がやらりたい催しに則した「準備」時間が必要です。

では例えばその催しが「ピアノ教室の発表会」だったとします。
反響板は組みますか?
…1時間かかります。
ピアノは調律しますか?
…2時間かかります。

ほらもうこれだけで本番までの準備で3時間かかります。

もちろんリハーサルなんかもしたいですよね。
ならばもう午前午後の2区分借りて頂かないと立ち行かないのです。

ちなみに、各区分間の1時間の「空き」はスタッフの休憩時間他諸々のインターバルです。通しで「午前午後」と借りて頂ければこのインターバル時間も含めての利用時間となります。

あと、当然、本番が終わったら「バラシ」の時間も必要です。その催しに用意した舞台音響照明を
「デフォルトに戻す」
のが鉄則ですので、

17時まで借りてるからそれまでに本番が終われば大丈夫

ではないのでゆめゆめお気をつけ下さい。

「そんなん、申し込む段階で仕込みバラシでどれだけ時間かかるかとかわからんわー」

ご安心下さい。申し込みの際に会館事務員が大まかな催し内容を聞き取りします。
その際に、明らかに無茶なスケジュール内容なら、ストップをかける又は区分を広く借りて下さいなどのアドバイスをしますし、必要なら我々舞台スタッフも同席してご相談にのれます。

催し内容の詳細などは、概ね本番日の約1ヶ月前くらいに舞台スタッフと「事前打ち合わせ」を行いますので、その際に、どんなことをやりたいか、など聞き取りますのでご安心下さい。

蛇足ですが、催しの演出をこれでもか!と演出を派手に考えていらっしゃるなら、

金と時間

さえあればできますw

実例として、以前いた別のホールで、高校のダンス部が発表公演をしたいという際の打ち合わせで、照明のイメージを聞いたら
EXI〇Eの動画を見せられて「こんな感じで」と言われたので見積りしたら、彼らの予算から0が二つ増えましたw

さて、利用区分は本番時間から逆算して、仕込みバラシ時間も加味しないといけないことはこれでご理解頂けたと思いますが、ここで、「スケジュール」の話を。

前述したように、例えば午前午後の2区分で借りて頂いたとして、主催者の貴方は考える。

「本番と仕込みバラシの時間を除いたら、残り時間は目一杯リハーサルできる!」

で、1ヶ月前の事前打ち合わせでタイムスケジュールを見せてもらうと、

休憩の「きゅ」の字もない


よくあります。ほんとーーによくあります。

で、打ち合わせで僕らスタッフが遠回しにやわらかーく聞くのです。

「えーっと…お昼休憩とかはないんですねー」

「あ、私たちは食べなくても大丈夫です!年に一度の発表会だし」
 
あんたらはな!!

貴方がたはそうかもしれませんが、我々スタッフは飯も食いたきゃトイレも行きたい。タバコも吸いたい(僕調べ)。

皆さんの「非日常」は我々の「日常」なんです。

なんとかスタッフ同士で交代して休憩を回すなど涙ぐましい努力をして対応してるのですよ。ここだけはご理解頂きたい!強く!!

(たまにお弁当を頂くときがありますが、それはこういう事情からです。スタッフはお弁当を調整室や舞台袖でもぐもぐしながらリハーサル対応とかしてるのです)

さあ、ここまで区分とスケジュールについて、だーーーっと書いてきましたが、皆さん、ついてこれてますか?w

本当は、ここに加えて「利用料金の罠」というもの書くつもりでしたが、思った以上に長くなりましたので、それは次回に譲りたいと思います。

今後、定期的にこのような情報をアップしていく予定ですので、劇場:舞台の内情をあまりよく知らずに利用してた、という利用者さまや、これから初めて利用を考えていらっしゃる皆さまのご参考になればと思います。


ここまでお読み頂きありがとうございました。

次回をお楽しみに🎵





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