フランス料理つくってみた
はじめに自己紹介をします。
★エマワトソンさんと同い年です。
★自炊歴15年ですが、料理があまり好きではありません。
おそらく、食べ物に興味・関心が薄いのと、掃除・片付けが嫌いなのと、空間が散らかることをめちゃくちゃ苦痛に感じることが合体して、料理が好きでないのだと思います。
普段の料理は、出来るだけ苦痛を増やさない事を第一に考えています。料理が「好きではない」という状態から「嫌い」「無理」に昇華しないように気をつけています。自炊歴15年なので外食続きの期間も経験しているのですが、外食続きはそれはそれで苦痛がある(めちゃくちゃ飽きる、お金がかかる)ので、料理が「嫌い」「無理」となるのは避けた方がいいと思っています。
具体的に気をつけていることは主に下記2つです。
①リスクのある料理を作らない
→頑張って料理したのに大して美味しくないものが出来上がると本当に料理が嫌いになるから、、、。なので基本的に勝ちが確定している味付けと調理方法だけをする。これが一番気をつけている。(今までの経験からパスタ、餃子、ハンバーグ、フライ類は自分で作らないことに決めました)
②使う道具を最小限にする
→掃除・片付け・キッチンが散らかる、ことを考えると料理をする前から料理をする気が本当に失せるので、掃除・片付け・キッチンが散らかる、を最小にして、料理をはじめるハードルを上げないように気をつけている。例えば、肉や野菜は切られているものを買ってきてまな板と包丁を使わなくてもいいようにする、味噌は液体タイプを使う、フライパン一つで出来る料理しか作らない、など。
★ここ数年何もしていません。
何もしていないレベルは、一般的に言うとだいたい親戚に会うのがめちゃくちゃ気まずいくらいのレベルだと思います。
そんな何もしない日々を数年送っているのですが、最近ふと何かやってみようかなという気持ちになりました。
できれば、何もしていない今じゃないと一生やらなそうなこと & 形と経験が残ることがいいな(何もしない日々に慣れると時間が溶けてゆくので、、、)と思いました。
そして脈絡を忘れてしまったのですが、フランス料理を作ってみようと思いました。
日々の料理の延長としてではなく、生活の中の料理とは切り離して、フランス料理を作ってみようと思いました。ニュアンスとしては自由研究に近いと思います。挑戦50%趣味50%という感じです。
というわけで、そんな私が『フランス料理をつくってみた』記録をここに残してゆきたいと思います。
『鮭のマリネ ディル風味 レフォール添え』をつくってみた
参考文献は『帝国ホテル村上信夫のフランス料理 著者:村上信夫』です。
こちらの文献を手にしてみて、かなり早い段階でこの文献がプロ向けの料理本であると気がつきました。素人の私からすると配合や工程が分からない箇所が多いので、おそらく既に十分にフランス料理の知識と技術があるプロの料理人の方に向けて書かれた本だと思います。ちゃんと読んだらプロローグにもそう書いてありました。
恥ずかしながらこの時に初めて、世の中にはプロに向けた料理本があることを知りました、、、。世界はまだ広い。
どう考えても素人の私が参考にしていい料理本ではないのですが、一流のレシピに失礼にならないように気をつけながら、どうにか作ってゆきたいと思います。
スタート
調理に入る前に、材料を揃える段階が想像より大変でした。
参考文献は日本語の本だけど横文字はフランス語のカタカナ読みが使われているので、まず材料名を日本語か英語に訳すところから始まる。レフォールって日本語で西洋わさびのことだそう。
訳すついでに、レシピは10人前分量で表記されているので、私が作るに現実的な分量に換算する。このように調理の前に紙とペンとGoogleと電卓を使う作業が挟まったのだが、何故かこの作業が数年何もしていない脳みそに麻薬のように効いて快楽物質が出ました。
数日かけて買い物に行き、買ったことのないハーブとかをめっちゃ買う。ハーブってどこで買えるんだろう?と思ったら、普通にスーパーの野菜コーナーに売っていて驚く。でも百貨店を回っても手に入らない材料もありました。ニッチなハーブ類はいっそ育てた方が入手しやすいのかもしれない。
今振り返ると材料集めが一番大変だったなあ。
材料も工程もふだんの料理と違いすぎて、食べ物を作っている自覚がここで早々に消える。
この時、ハーブは強烈な香りがするものだと思っていたのだがディルの香りが思いのほか上品だったため、マリネする意味をかなり疑う。心の中で「マリネする意味はあるのかしら?もしくは、もっと強い味付けした方がいいのでは?」と思っている。が、後にこの疑念が大いなる学びに繋がる。
私の中に食材を寝かせるという概念がないので、この工程からしばらくこのサーモンをサーモンと認識しなくなる。ディル等でマリネされたもの。
ちなみにラップで包んだのは自己流なので、もしかしたら「マリネする」の方法をめちゃくちゃ間違えてるかもしれない。大外ししていないことを今でも祈っています。
3日後。ちゃんと出来ているのか全く分からない。
この時が一番分からなかった。匂いはひたすらディルの匂い。心なしかマリネする前よりもディルの香りが強くなっていた気がする。気のせいかも知れない。分からないことが多いので、とりあえず先に進む。
切ったら突然「刺身感」が出て認識がサーモンに戻った。ここで味見と称して醤油で食べたい衝動にすごく駆られます。
この時に生まれてはじめて刺身を切ったけど、すごく上手に切れている気がする。ハッピーです。
ソースを作る。
参考文献には材料を「混ぜ合わせる」と書いてあったので、混ぜ合わせる?となって、参考文献の料理ビジュアルからミキサーにかければいいのでは?と推測したがちょっと仕上がりが違うので間違ったかもしれない。
※後日、参考文献の別ページにソースの作り方が載っているのを見つけたので、今後このソースを作る時は正しい作り方をしたいです。
添える柑橘を飾り切りする。
飾り切りは手間ではあるが、料理のビジュアルが爆上がりするので費用対効果がめちゃくちゃいいなと思った。あとパカっとする瞬間が気持ちいいし、食べ物とは思えないほど愛着が芽生える。食べ物ではない、作品。
小手先の器用さを爆裂発揮させて盛り付ける。小手先の器用さだけで生き延びてきた甲斐がある。
完成しました。激萌です。
めちゃくちゃおいしいです。
私が日常で食べている日本の料理(和食?というのか家庭料理?というのか、カレーとかラーメンとか牛丼とかも含みます)とは明確においしさの種類が違う感じがする。
私の表現力が稚拙で著者の方に申し訳ないのですが、「味」というものが無くて「香り」が「味」になっている感じがします。(こんなことを言いたいんじゃない!!!!表現力が終わってって言いたいこと言えない!!!!!)
口に入れた時の気持ちを時系列で言います。
①おいしい
②塩味がないのにおいしい
③サーモンにディルの香りがめちゃくちゃ着いている
④何味か分からない
⑤でもディルの香りとサーモンがすごく合っていることは分かる
⑥何味か分からないのにおいしいと感じるのが不思議でたまらない
という感じでした。④⑤⑥をうまく言えない、、、。
とにかく、はじめて出会う味覚でしたが、どう感じても美味しかったです。
ディルの香りがついたサーモンが、普段食べている醤油で食べるサーモンとは別の食材のように感じた。ディルの味でもなく、サーモンの味でもなく、ディルの香りがするサーモンがとてつもなく美味しいと感じました。(何回も同じこと言ってる?)
マリネしている時に「マリネする意味はあるのかしら?もしくは、もっと強い味付けした方がいいのでは?」と思ったが、これで正解ということがよくわかりました。過不足なく、ディルの香りがするサーモンが美味しかった。不思議なのは、塩味がほぼ無いのに美味しいと感じることとで、塩を追加して食べてみたけれどディルの香りが消えたので、ディルの香り味のサーモンが美味しいんだろうなと思いました。知らないことを知りました。世界はまだ広いなと学びになりました。
私は塩分こそ美味しいと思っていて、経験上、私が普段食べている食事では塩分がないと美味しくないものの方が多いと感じる。ただ、例外が過去に2度あって、1度目がインドカレーをはじめて食べた時、2度目がタイ人留学生の友人が作ってくれたトムヤムクン食べた時で、どちらも塩味がほぼ無かったのに物凄くおいしかった。そして今回が3度目です。馴染みのない味なのに理由も分からずおいしいと感じるのは、人間の脳みそに訴えかける何かがあるんだろうな。
私が食べてるものって塩分強いんだなあ。