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飯山陽救済のために

公益社団法人日本外国特派員協会御中

現在、国政政党である「日本保守党(代表者:百田尚樹)」関係者から、一民間人女性である飯山陽氏及びその家族に対して、執拗かつ深刻な誹謗中傷、侮辱と名誉毀損、殺害予告とも取れる脅迫が行われております。百田尚樹代表と飯山陽氏との確執は昨年秋の衆議院総選挙を機に表面化し、その後対立は日を追ってエスカレートし、すでに飯山陽氏とその家族には甚大な精神的被害が生じていることは言うに及ばず、このまま放置すれば飯山氏側の身の安全すら確保できない事態に発展する恐れすらあります。

対立の経緯の概略を記しますと、

1. 昨年4月の衆院東京15区補選に日本保守党から飯山陽氏が立候補する。そのことについて飯山氏は、自分は百田尚樹代表と有本香事務総長に「騙されて」立候補したと主張している。

2. 補選期間中、他の候補者陣営から激しい選挙妨害を何度も受け、それへの対応をめぐって百田尚樹代表と飯山陽候補者が対立するようになる。それ以外にも飯山氏は百田代表の非常識な言動に不満を募らせた。

3. 補選の直後から百田氏はX上で、直接名前に言及せず文脈から推知できる形で飯山氏への当て擦りを始める。飯山氏はすぐにそれに気づいたが表立って批判や反論はしなかった。

4. 昨年10月に衆議院選挙に日本保守党から小選挙区・比例代表候補30名が出馬。国政政党になる可能性があることから、飯山氏は「公益目的」のため、自身が直接体験したことをもとに日本保守党への批判を始める。

5. 批判の内容は、(1)党内民主主義が確立していないこと(ex. 実質的に百田代表の独裁で、代表選の規定も存在しない)(2)不透明な政治とカネの問題があること(ex. 寄付金を募集しながら領収書の発行を拒んでいる)(3)党としての政策実行力に疑問があること(ex.「保守党」と言いながら30名の候補者の中には極めてリベラルな政策を奉じる者が少なからずいる)(4)自分が4月の東京15区補選に立候補した際どのような仕打ちを受けたか(ex. 代表や事務総長に選挙運動につき色々お願いしたが聞き届けてもらえなかった)などであった。

6. 以上のような飯山氏の批判に対して日本保守党側は何一つ具体的な反論をせず、ただ「飯山あかりは嘘つきだ!」「自分も(衆院選に日本保守党から)立候補したかったから恨んでいるのだ!」「あまりに腹が立って狂ってしまった!」等の誹謗中傷・名誉毀損・侮辱を繰り返すのみであった。

7. そういった扇動的な日本保守党幹部の反応に感化され、一部の過激な党員・支持者も同じことを、さらに輪をかけた暴力的な表現で行うようになり、ついにX上で「娘を拉致する」とか「夫や娘を晒してやる」とか「こ○す」などと、殺害予告まがいの脅迫までする者が現れるに及んだ。

8. 10月27日の投開票の結果、日本保守党は国政政党要件を満たし、国政政党になる。それゆえ飯山氏の批判もより厳しいものになっていった。そんな折、11月9日に百田尚樹が「ニュースあさ8」というYouTube番組で、少子化問題を解決するSF的アイデアとして「女は30過ぎたら子宮摘出」などと発言し、それを批判した飯山氏との間で対立が一層エスカレートしていった。

9. 対立が激化する中で、メディア・言論界はほとんどこの問題を取り上げなかったが、唯一文藝春秋だけが「文春プラス」というオンラインチャンネルで取り上げ、12月14・15日放送分で日本保守党から百田尚樹代表と有本香事務総長、そして12月25日放送分では飯山陽氏から主張を聞いた。最後に番組司会者から直接対談の提案が飯山氏になされ、飯山氏は快諾した。(日本保守党側は後日拒否)。

10. 直接対談への圧力が高まり、日本保守党側は態度を硬化させる中で、12月30日、百田尚樹氏がYouTubeのライブチャンネルで、飯山氏と推知できる言い方で「ある人」を刑事告訴すると告知した後、唐突に友人から譲ってもらった日本刀を持ち出し抜刀した。それについて飯山氏及びその支持者と百田氏及びその支持者の間で激しい応酬が交わされる。

11. 翌日の年末最後の「ニュースあさ8」ではさらに百田氏が「来年から開示請求をどんどんやる」「そうやってややこしいウジ虫はつぶす」と発言し、対立は深刻なまま新年に持ち越された。

12. 年が変わっても両者の溝は埋まるはずはなく、逆にそれぞれの側に賛同者・応援者が登場するなどして錯綜的にSNS上での紛糾が続き、現状に至っている。とりわけ危惧されるのは、飯山氏から200問以上の公開質問がなされたが、日本保守党側は刑事告訴を匂わせて取り合わず、しかも飯山氏と直接対談する意思を示さないため、批判をやめない飯山氏に対して支持者の誹謗中傷・罵詈雑言のボルテージがいよいよ危険な程度にまで高まっていることである。そしてそれに対して百田尚樹代表と有本香事務総長は全く警告を発しようとしないことである。

13. 以上大まかな経緯を述べたが、両者ともに熱狂的な支持者が控えているため、日本のメディアは「触らぬ神に祟りなし」とばかりにほとんど全くこの問題を取り上げようとしない。しかしそのような「事なかれ主義」が、日本の民主主義の発達を阻み、国民の成熟した政治参加を妨げているのではないだろうか。国内メディアに期待できないのであれば、ちょうどジャニーズ問題 に関するBBCの報道によって日本メディアの沈黙の殻が破られたように、今回もまた海外メディアに頼らざるをえない。

以上のような次第で、日本保守党百田尚樹代表及び有本香事務総長、並びに飯山陽氏について双方の主張を披歴し、冷静かつ公平・公正な議論がなされる契機となるようご尽力を賜りたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

                        

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