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鬼太鼓を釣るの図 縣六石

この作品は縣六石の描いた鬼太鼓を釣るの図、戯画風絵の顔の部分の拡大図です。
 先日のオークションで念願がかないようやく入手した作品です。
多芸多才の縣六石は画や書は多くのこされていると明治百年野州外史のなかで村上喜彦氏は述べていますが、自分はいろいろな博物館や書籍などと通じて縣六石の作品を探しましたが、見る機会は少なかったです。
古書の目録販売やオークションなどでもここ10年くらい注意してみていましたが書は出てきましたが絵は今回みるようないい作品は初めてでした。

 オークションの会場でこの絵を見た時に何か運命的な感じがしました。
この時の私の顔はこの鬼のような表情をして鬼の操る碇ではなく入札票に向かっていたと思います。

 私はマンガンと名乗っているように石が大好きです。別号は石斐亭です。これは石と大好きな黒羽藩のお抱え絵師小泉斐の斐を組み合わせて自称しています。大関増裕公の号二世乗化亭も意識しています。

縣六石の号「六石」は「磊磊」という言葉からとったものであり、これは石が6つあるので六石と号したと言われています。磊磊は心が大きく、小事にこだわらないさまをいいます。
このことから縣六石は石が大好きだったと私は思っています。

鬼太鼓を釣るの図 紙本墨画淡彩 縦121㌢  横29㌢
作者 縣六石
縦長の画面に中心線の沿って、釣り糸と碇を大きく描き、太鼓は小さい。 大津絵風よりは淡い配色 いかにも文人画らしい絵です。 縣六石は幕末から戊辰戦争をへて明治新政府になるまで浮沈の大きい仕事をしてきました。 この絵を見てどの時代に描かれたものかなど考えるのは楽しいです。

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