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大学院入試合格体験記(外部)


自己紹介(追記)

四国にある地方国立大学で物理を勉強している凡百の大学生です.
自己紹介を追記したものの紹介する内容が無いです(´;ω;`)

結果

大阪大学理学研究科物理学専攻の第1希望研究室(C2理論)に合格しました.10月現在はその1校のみです.

動機

大学受験前から物理が好きで理学部物理学専攻に進学したかったのですが,共通テストで失敗して地方国立大学に通っています.しかし落ちたにもかかわらずまだ物理学が好きだったので勉強ではなく学問が好きなんだと改めて思ったので大学院進学を決めました.

また大学が四国にあることで本州で開催しているようなセミナーや合宿みたいなイベントに参加するハードルが高いことも外部進学を動機づけました.

研究室訪問

受験前にいろいろな大学院へ研究室訪問しました.私は本州に出ることが心理的ハードルになっていたこととひどい先延ばし癖もあり,4月の春休み最後の週にまとめて訪問することになりました.実家が大阪なので付近の大学院で自分の興味ある分野(核融合・プラズマ・量子流体など)をやっているところを中心に,阪大・大阪公立大・NAISTとちょっと遠出で総合研究大学院大学の核融合科学研究所へ,計5つの研究室へ訪問しました.

どの研究室の先生も快く話をしてくれました.研究施設・実験設備の中を見せてもらったり,あるいは私の卒論テーマと似たような分野を研究している先生は1時間ほど講義をしてくれました.特に酷い粗相をしなければこんな感じだと思います.先生の話を興味深く聞いて質問とかするともっといろいろ教えてくれた印象です.

時期に関しては学部3年生の間に訪問してもいいと思います.超忙しくなりそうな4年の受験前4月~6月に行くよりそれ以前に訪問して目標の大学院決めた方が気持ちは楽ですからね.ただし大学院入試説明会は別です.進学を希望する大学院なら再び研究室の先生に会う・研究室訪問ができる可能性があります.私は第1希望研究室へ個人と入試説明会で2回訪問しました.

TOEIC

大学入試の時から英語が不得意だったので先延ばしにした結果,4年5月末?くらいの試験から受け始めました.最終的に提出したスコアは600にも満たないカスみたいな点数だったので本当に胃が痛い要因になりました.
賢い皆さんははやくTOEICのスコアを用意しておきましょう

筆記対策

阪大理学研究科物理学・宇宙地球科学専攻の筆記試験は物理学のみなので物理のみを勉強していました.ここでは私がどんな感じで勉強していたかを書いていこうと思います.

まず使用した教材です.

  • 大学の講義で使用した教科書

  • ↓に挙げた教科書

  • 新・演習 量子力学

  • 演習しよう 電磁気学

  • 演習しよう 熱・統計力学

  • 大学院入試問題演習〈物理学〉

  • 大阪大学理学研究科物理学・宇宙地球科学専攻の過去問

  • すばらしいインターネット

  • 培風館 物理学辞典 縮刷版 (追記)

もし何か忘れてたら追加します.

0.勉強始める前

動機でも書いた通り,シンプルに物理が好きだったので身の程にあった適当な教科書を読んでいました.

  • 田崎統計力学1,2

  • 清水熱力学 1,2 
    図書館で借りて読んでいた

  • 清水明著 新版 量子論の基礎 
    研究室で課題として出された

  • 山口昌一郎著 基礎電磁気学

  • J.J.Sakurai 現代の量子力学 上,下 (追記)

1.3年10月

私は鳥人間をやっていて,8月以前は大会もあったので↑の内容しかほとんど勉強していませんでした.9月はこれまでの疲れがどっときたのでダラダラしていました.本格的に始めたのは10月からです.

この時期で1番重要なのは,今考えている大学院の入試問題を1年分だけ解くことだと考えます.たぶん解けない人が多いと思います.ここで絶望しましょう.現在の出来と半年後できてなければいけないレベルが知れると思います.これを目標に頑張っていきましょう.

ちなみに私は九州大学の過去問を解く機会があって3年ながら解けた(今思えば時間無制限の相談アリだったから当然,アホの勘違い)ので余裕でしょくらいの気持ちで解いてボッコボコにされて絶望しました.高い鼻は早めにへし折っておきましょう.

2.3年10月~1月

この期間は大学の講義で使っていた教科書と今まで勉強した教科書を読みなおして基礎(?)を固めていました.式の行間を埋めたりなんやらかんやらしていました.

3.3年2月~

この時期から院試の過去問を解き始めました.10月より解けるようになってはいましたがまだまだ解けなかったので,演習書&受験するつもりのない他旧帝大+東工大などの過去問を解いて各分野のあるある問題とその流れを掴みました.加えて問題を解きながら用語の説明をイメージしながら解いていました.受験した大学は口頭試問があると募集要項に書かれていたのでその想定です.さらに慣れてきたら大学院入試問題演習〈物理学〉を解いていきました.この問題集は東大理・京大理の問題が多く収録されていて解答も丁寧なので読みやすかったです.

過去問の解答はその辺に転がっているわけではないので私は気合で自作しました.最近(2017-2024?くらい)の阪大過去問に関してはYouTubeで『F棟』(www.youtube.com/@F棟)という方が解答の解説しています.私はとてもお世話になりました.感謝です;;あとChatGPT君にもお世話になりました.解けなかった問題を聞いて帰ってきた答え(大抵計算が間違っている)を修正することでなんとなくそれっぽい回答が作れます.本当に参考程度で使いました.信用しすぎるのは良くないツールです.

4.直前期(4年7,8月)

時間を意識して解けるところから解くのを実践しました.あとこれまで解いた阪大の過去問20年分?を見直してりして今年の予想などを立てていました(なお全て外れた).

この時期はメンタルが壊れやすいので体調にも気を付けてなるべく生活リズムを崩さずに生きましょう.あとたまには息抜きも重要です.


以上が専門科目の流れになります.正直,私のやったスケジュールは過密でそれを実現できる時間がある環境だったからできただけだと思うので,他の人を参考にするor時期に関しては参考にせずに前倒しで進めるのがいいと思います.4年前期はバイト無し,理論研究室でコアタイム無し+週1ミーティングのみ+3年後期で卒論の内容はだいたい終わっててあと書き起こすだけの状態,講義は週1でした.(自分で言うのもどうかと思うけど)他の人を参考にした方がいいと思います…

試験本番

理学研究科物理学専攻は8月27日に筆記試験,29日9時に口頭試問有資格者発表,その直後10時から第1志望研究分野の面接・口頭試問,翌日30日朝に第2志望研究分野の面接・口頭試問という日程でした.

1.筆記試験

服装は私服で行きました.

過度に緊張に弱い私は,試験前にアワアワしたおかげで電磁気以外は最後まで到達できませんでした.

家に帰ってからは面接・口頭試問対策をやりました.しかし何も頭に入ってこなかったので,想定質問をWordで書き起こして回答をまとめるなどしていました.印刷したそのWordは行きの電車で見直しするのに役立ちました.

2.口頭試問有資格者発表・第1,2志望研究分野の面接・口頭試問

周りを見ると内部生は私服,外部生はスーツというような感じでした.そんな状態で9時を迎え,番号発見→親に電話→ツイートを済ませるとあっという間に面接が始まりました.

この有資格者発表で体感3,4割くらいの人が落とされている感じでした.

面接は分野ごとに分けられ,受験番号順に行われていきます.内容はテンプレ質問で終わりました.第2志望研究室と第3希望研究室の教授からもそれぞれ質問があり,興味の内容などを聞かれました.面接で注意してもらいたいのは,口頭試問あると言われている研究分野でも口頭試問が無いことがあるという点です.なので,研究室訪問の際にできる限り面接で聞かれる内容を聞くことが大切だと思います.研究分野でも第1志望研究室の先生は口頭試問しない人かもしれないししっかり聞いておきましょう.

翌日第2志望研究分野の面接・口頭試問も同様に行われました.このときも自分の前に本番で解いた問題冊子とペンが置かれていましたがテンプレ面接のみで終わりました.口頭試問あるはずなんだけどなぁ…

3.合格発表

阪大理学部の合格発表はアナログなので理学部棟に掲示or合格通知の郵送のみでしか知ることが出来ないので私は掲示を見に行きました.張り出しされた紙の番号を見てようやく自分の何かが確立された気がしてうれしかったです.あと憑いてた怨霊の類が消えていった気がします.

受験のアドバイス

最後に受験のアドバイスを.

  • TOEICを早めに

  • 友達を作る

  • 院試は覚悟して受けよう

1つ目は言わずもがな.
賢いみんなはこの記事を見てTOEICのスコアを早く取るでしょう.

2つ目です.
私には同じ物理学分野で外部院試をする友達がいませんでした.自大学の同じ物理学系の友達に外部進学勢がいなかった(もしくは自分が知らなかった)ことに加えて,夏に開催されているセミナーや合宿に参加することもなかったので同じ志を持つ友達が出来ませんでした.唯一同じ中学の同級生が阪大工学部でその友達に聞いてもらって授業資料を3つだけ手に入れることが出来ました(本当にマジで感謝;;)

その友達や外部とのつながりが無いだけで気持ちは暗くなり,閉鎖的な環境になりますし,口頭試問対策とかをひとりでやるのには限界があります(私は究極的に運が良くて免れた?).なのでこれから受験する人たちは先輩を頼ったり,他大学の外部進学をしたい友達をたくさん作って一緒に勉強することを本当にオススメします.また特にその進学したい大学の内部生の友達が出来ればなお良しです.院試過去問は自作するのにだいぶ時間がかかるので院試解答や授業資料を見せてもらうだけでも全然違うと思います.

3つ目は注意です.
なんかネットでは「院試はだいたい受かる」「院試は学部入試に比べて簡単だ」とか言ってる人がいますが決してそんなことはないと思います.物理が大得意です^^みたいな大学生がこぞって,たった100人程度の枠に全国から押し寄せるんですから簡単なわけないでしょう.言ってるやつ受験したことねえだろ.普通に落ちるので覚悟して受験してください

内部生は研究内容で持ち上がりがある・教授と人間関係がある点で外部生よりかは入りやすいと思います(明確なデータは無し,体感).それを押しのけるくらい外部受験生は頑張ってください.また理論研究室は実験系研究室より得点高くないと厳しいみたいな話も聞きましたので理論研究室志望は特に頑張りましょう,本当に応援しています.

最後に

感想ですがとにかくメンタルがやばかったです.淡々と書いてきたつもりですが一時期ほんとにやばくてLINEの返信を1週間くらい放置して心配されてたこともありました.周囲の友達が内定・内部進学で合格していくのにまだ決まっていない焦りと,自大学と阪大の入試日程が被って自大学の受験をしない選択をしたので後ろが無い状態だったことが要因だと思います.定期的に先輩・友達とご飯食べに行ってましたがそれでも最後の3か月くらいは特に酷かったです.この記事を見た人は周りにそんな人がいれば助けてあげてくれよな.

初めての記事なので拙い部分もあったと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございました.少しでも参考になればうれしいです.もし質問があればいつでもTwitter @TRintaro_ のDMに連絡下さい.フィードバックもあれば同じところに連絡ください.

内部生外部生に関わらず,みんなが第1志望に行けるように願っています.

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