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【第16章 かわいいハートブレーカー

🎵左の腕で左の襟を そっと直してあげるふりして 彼女のことを思い出さないように~🎵

土曜日の授業の後、12時半の待ち合わせは、ここロッ○リア

早めに来て、店舗駐車場入り口の看板の前で待っていた

大通りに面したこの店舗の前には、広い歩道があり、ここから東の方角にある駅前まで真っすぐ見渡せる

学校からここに直接来るなら、その手前のカドから現れるはずだ

間違いないよな?
99.9%そうだよな?
キラキラちゃん❇が来るよな?

🎵はじめて 彼女を裏切り ここに来たのは はぁ 自分を試す悪いくせ~🎵

約束の時間ジャスト……

そのカドから人影が現れた

一人だ

来たな

まさしくあのキラキラ視線❇の持ち主だ

よ~っし‼️

あの子が僕と話をするために、わざわざここへやって来る……

凄いなぁ

ゾクゾクした

近づいてくる人影……

かなりゆっくりめだ……

まるで止まってるのかと思うほど
ゆっくりだ。。。

ようやく、はっきり見えてきた

やっぱりキラキラちゃん❇だ‼️

だけど……

ん?

いつものキラキラ感❇がない

少し肩をすくめ、歩みは摺り足気味で、どこか心もとない。。。

右手のハンカチで口元を覆っている

モジモジした感じだ

そっか~‼️かなり緊張してるんだな‼️

キラキラちゃん❇のいつもの印象はと言うと……

姿勢は正しく、明晰で、快活で

まるで甲子園の開会式でプラカードを持って先導する女子のような……

あの輝けるキラキラちゃん❇が、こんな僕みたいな者に会うだけで、これほど緊張してくれるのか。。。

うぬぼれ屋の僕は、ますます図に乗った

「初めまして。りんたろうです。ナカネさんから聞きました。よろしくね」

 「あっ💦1年生のモモヤマです。今日はありがとうございます……」

白のブラウスに濃紺で少し長めのプリーツスカートのキラキラちゃん❇

僕たちの高校は、私服通学が認められていた

「お腹空いたよね?ハンバーガー食べようね」

もう思いっきり上から目線で、余裕をぶっこいていた僕

🎵僕はもしかして わずかな 君の きっかけかも 霧に消されて 消されて やがて映画のように~🎵

ロッ○リアの店内、中央付近の二人用の席

それぞれのドリンクとハンバーガーとポテトを乗せたトレーを置いて向かい合って座った

駅から少し離れていて、クルマや自転車での来客が主流のこの店舗だが、土曜のお昼どきにしては、割と空いていた

会話……

徐々に弾んできた……

弾むにつれて、キラキラちゃん❇の輝きも戻ってきた

間近で見るキラキラちゃん❇の放つ輝きは鮮やかで眩しかった

話を聞くと、僕たちの部活の隣りで活動している吹奏楽部に所属していて、入学当初から僕に気付いてくれていたという

僕たち混声合唱部の3年生は、4月以降は既にフリーの立場で、毎日は部活に顔を出さくなくなっていたので気付かなかった

さらに会話が弾む……

今、キラキラちゃん❇と二人でランチをしているこの瞬間

もう別に誰に見られてもいいと思えてきた

 むしろ、こんなキラキラ❇した女子と二人で、この明るいガラス張りの店内にいることが誇らしげに思えてきた

たとえ誰かがこの場面を見て、今の彼女にチクったとしても、構わないと思えた

ちょっとくらい、やきもちを焼かせたいとさえ思った

今の彼女は、どちらかと言うと、いつも物静かで、理知的で、感情を露わにしないクールなタイプ……

一方、それとは対照的に、キラキラちゃん❇には、屈託のない笑顔と茶目っ気たっぷりの愛嬌があった。。。

千里さんの「赤茶色のプレッピー」や「六甲GIRL」に出てくる彼女像は……

お茶目で、いたずらっぽくて、表情豊かな女子……そんな印象を持っている

しかめた眉でボンネットを手でたたいて……短く切った前髪を少し揺らして……遅刻して来た僕を責めたてるのは……ひょっとして、このキラキラちゃん❇なのかなぁ……?

と、ふと頭をよぎった

アカンアカン💦

🎵ずっとこのまま このまま 君はお洒落でいて 恋をなくしても その分 ずっと輝いていて~🎵

今、僕は関学を目指して受験勉強に励んでいるので、二人で逢える時間はあまりないかもしれない……

今の彼女の存在を隠して、あまり逢えない理由を受験勉強ということにした……

その代わりに、来年、晴れて関学生になれたら、時間をいっぱい取るからと言わんばかりに……

いつかの例の本屋さんで、お姉さんたちが喋っていた……

「おしゃれで千里君みたいな関学生の彼氏」に

来年には必ずなっているから、応援して待っておいてくれと言わんばかりに……

 話にならん

うぬぼれ屋の僕……

とうとう高い木の一番てっぺんにまで登り詰めてしまった🐷🌴

ただし、僕が千里さんのファンで、
明けても暮れても千里さんの曲を聴いて、眼鏡も服装も寄せて、千里さんの後輩になりたいがために関学を目指している……

そのことは、敢えて伝えなかった。。。

そして、キラキラちゃん❇自身が千里さんのファンなのかどうかも尋ねなかった。。。

怖かった……

千里さんのレプリカではなく、りんたろうである僕を見てほしかったから

ミョーなプライドが邪魔をしていた

今の彼女のこと

あんなに一筋だった僕が……

今、あってはならない大きな第一歩を踏み出してしまった

……………to be continued

 

 #大江千里
#大江千里ファン
#大江千里さん好きと繋がりたい
#大江千里好きと繋がりたい
#大江千里ファンでした
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