【第17章　雲を突き抜けて】

７月に入った

夏を制する者が受験を制する｡｡｡

肝に銘じていた

自分にとっても勝負の夏と位置付けていた

間もなく長い夏休み

前半と後半に、いつも通う十三の予備校の現役生クラスの夏期講習を入れて、その合間に、難波にあるエー○予備校の現役生クラスの夏期講習を挟み、夏休みがほぼ埋まるよう予定を組んだ

そうしないと、僕はすぐに緩んでしまう

関学空港行き「りんたろう機1986便」は、両翼に、強力なダブルエンジン「彼女とキラキラちゃん❇」を搭載したことで、より出力を上げて突き進めると目論んでいた

🎵そうさ　雲を突き抜けて～🎵

さあ、一気に上昇気流だ‼️

🎵空へfly　君とfly　季節風を横目に追い越し～🎵

彼女とは、期末テストの最終日に約束をして、いつもの喫茶リモーネで逢った

リモーネは学校の近く、東側の商店街にある

🎵ウィンドウ　外には　地球が見せてくれるショータイム🎵

一方、キラキラちゃん❇には、話したい時に、夜、家に電話をかけた

当時は、携帯などない代わりに、学校が配布する「全校生徒名簿」なる今やありえないシロモノがあった。

「マツガタニ高校ののりかわと申します」

「ああ、いつもお世話になっております。少々お待ちくださいませね～❇」

まるで顧客をもてなすようなお母さん

男子高校生にとって、これほど有り難い取次ぎはなかった

家への電話は、何においてもこれが最初の関門だった

こんなお母さんだから、キラキラちゃん❇みたいないい子が育つのかと思った

けっして今の彼女のお家がそうでなかったというのではなく、彼女とは部活で顔を合わすので、電話はほぼ必要なかった

次は、１学期の終業式の後に１時間だけロッ○リアで会う約束をした

ロッ○リアは、リモーネと真逆の方向、学校の西側にある

彼女と対極のイメージに置いておきたかった

🎵虹のプライム　雲のドライブ　　きらめく乱反射の法則～🎵

こうして「りんたろう機1986便」は、かつてないほどに高度を上昇させていた⤴⤴⤴

🎵空へfly　きみとfly　南風が僕らを呼んでる～🎵

それにしても、えらく高いところまで上がってきたな

さっきまで真っ青な空が広がっていたのに｡｡｡

なんだか周囲が薄暗いぞ

ん？？

あれは？？

星✨？……

あちらにも……？

星✨……？

星が見えるということは？

これはまずいぞ‼️

高度を上げ過ぎて、大気圏を飛び出しそうだ💦

そういえば、酸素も薄いのか、息苦しい……

もしかして、地上に戻れない？

🎵地上のcry　もう聞こえない～🎵

このまま機体が真空に放り出されて、爆発するのではないか？？

突如、恐怖感に襲われた💦💦

「りんたろう機1986便」は、航路の秩序など省みず、奔放に飛行してしまっていた

いけない💦
管制塔と連絡を取らないと‼️

ちょっとまずいことになるぞ……

よしっ、指令を仰ごう

管制官は誰に？？

そうだ、ヨコちゃんだ‼️

部活の同級生の女子で、入学時から仲良しのヨコタさんだ

ヨコちゃんとは、２年生ではクラスも一緒で、ヨコちゃんお気に入りのクラスの男子への橋渡し役を僕が務めたこともある

今や何でも話せる気の置けぬ仲だ

もちろん、ヨコちゃんは僕と彼女のこともよく知ってくれている

ヨコちゃんに、キラキラちゃん❇とのいきさつを洗いざらい打ち明けた

なんと、ヨコちゃんは隣の部活にキラキラちゃん❇がいることを知っていた

「あの子やろ？　いい子がいてると思ってたんよ。　へえ～、あの子がそうなん？　りんたろう君にね～？　凄いやん‼️　いいよ～あの子は‼️　いい、いい‼️　絶対いいって～‼️私、りんたろう君には、あの子の方がお似合いやと思うわ‼️　私、応援するわ～‼️」

矢継ぎ早に大絶賛された

「私があの子の相談に乗ってあげるわ‼️　私から声をかけとくわ～‼️」

ヨコタ管制官
のっけからトップスピードで話を進めた

「それで、彼女がいるってこと、言うてんの？」

「いやぁ、言えてないねん、それがね……」

「まあいいやん。どうせ、りんたろう君たちって、そんなにラブラブでもないしな～(笑)　私、うまく言うとくし」

ヨコちゃん、頼もしいというか、凄いなぁ

だけど、僕と彼女って、外から見たら、ラブラブには見えてないのかぁ？？

それはなんか、ちょっとショックやな💦

🎵いつかきっと見つける　二人のファーストクラス～🎵

そして、終業式の日……

ロッ○リアで……

キラキラちゃん❇が差し入れですと言って、僕に贈り物をくれた

オモテが紺色に白のドット
ウラが紺色と白のストライプ柄の
ハンドタオルだった

ハンカチより少し大きめで、さわり心地が抜群だ｡｡｡

「気を付けて行ってきてくださいね」

「ありがとう。行ってくるね‼️」

……………to be continued

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