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世界トリ会議

登場鳥物(登場順)
・・・・・・・キジ
       コウノトリ
       フンボルトペンギン
       フラミンゴ
       エジプト・ルーセット・オオコウモリ

   『桃太郎』の曲に合わせてキジがやってくる。
キジ 「皆さん、こんにちわー!!!!! 」
   耳に手を当てるキジ。
キジ 「あれ?元気がないなー。もう一度、皆さん、こんにちわー!!!!!! 」
   耳に手を当てるキジ。
キジ 「うわーっ、元気がいいなー。私はキジ。日本を代表する鳥です。 そして、今回、世界鳥会議の幹事を任されました。よし、頑張るぞー!!!!!! 」
    やってくるコウノトリ。
コウノ「ここかしら?世界鳥会議を行うところって? 」
キジ 「あっ、ようこそ。私、幹事のキジです。」
コウノ「私、幸せ運ぶ鳥、誉れも高きコウノトリです。」
キジ 「お待ちしてましたー。」
コウノ「まだ誰も? 」
キジ 「はい。コウノトリさんが一番ノリです。」
コウノ「まあ、私は開始時間の10分前に到着し、気持ちを整え、心身共にリラックスし、心を込めて、この世界鳥会議に挑むのですから、当然でしょう。」
キジ 「・・・それにしては、ちょっと遅刻なんですけど・・・」
コウノ「それはリラックスしようと心がけ、リラックスに成功し、ついうたた寝してしまい、今の時間になったというわけです。」
キジ 「はあ・・・まあ、来てくださって良かったです。」
コウノ「さあ、始めましょう。」
キジ 「だからまだ、集まってないんですって。」
   やってくるペンギン。
ペン 「ここは世界鳥会議するところ? 」
キジ 「はい。そうです。ようこそペンギンさん。私はキジです。」
ペン 「ようこそキジさん。」
キジ 「そちらがようこそは可笑しいですね。」
ペン 「可笑しい? 」
キジ 「ええ、可笑しいです。」
ペン 「んーん、えーっと・・・こんにちは、キジさん。」
キジ 「こんにちは」
ペン 「ご機嫌いかがですか?まあまあです。それは良かったー!・・・ホッ、ちゃんと挨拶できたー。」
キジ 「できてないです。私にも喋らせてください。」
ペン 「また何か間違えた? 」
キジ 「ええ、ほんのちょっと間違えました。」
ペン 「あー挨拶って難しい。」
キジ 「自分で難しくしてるんですよ。」
   やってくるフラミンゴ。
フラ 「オー、アミーゴ!!!!!! どうだい、調子は?」
キジ 「フラミンゴさん、こんにちは。」
フラ 「早くウチを出たから、早く着いただろう? 」
キジ 「ええ、でも遅刻ですよ。」
フラ 「気にしない気にしない。南米の鳥、ちっともそんなこと気にしません。」
キジ 「私は気にします。」
フラ 「日本の鳥は気にしすぎです。
明るくなった起きよう、おなかがすいた食べよう、踊りたくなった踊ろう、暗くなった寝よう。
それでいいんです。」
キジ 「はあ、・・・正直羨ましいです。」
コウノ「もう4羽も集まったことだし、さあ、始めましょう。」
キジ 「そうですね。オホン、それでは第1回『天王寺動物園世界鳥会議』を始めます。」
   拍手。
キジ 「それでは鳥の本音を語り合い、よりよい鳥の生活ができるようにしていきましょう。」
   拍手。
キジ 「はい。それでは、どうぞ。」
   沈黙。
   そして、譲り合い。
キジ 「皆さん、どうしました?」
ペン 「何を? 」
キジ 「えっ? 」
フラ 「何を話すんだい? 」
キジ 「いやー」
コウノ「何を話すの? 」
キジ 「・・・そう言われても・・・」
コウノ「どうでしょう? 誰から話し出すかを決めるというのは? 」
フラ 「それはいい! 」
ペン 「賛成! 」
キジ 「それでは誰から話し出すか決めることにいたします。」
   拍手。
ペン 「どうやって? 」
   沈黙。
   そして、譲り合い。
コウノ「どうでしょう。誰から話し出すか決める鳥を決めるというのは? 」
フラ 「それはいい! 」
ペン 「賛成! 」
キジ 「それでは誰から話し出すか決める鳥を決めることにいたします。」
   拍手。
ペン 「どうやって? 」
   沈黙。
   そして、譲り合い。
コウノ「どうでしょう。誰から話し出すか決める鳥を決める鳥を決めるというのは?」
フラ 「それはいい! 」
ペン 「賛成! 」
キジ 「それでは・・・っていい加減にやめませんか? また同じでしょ? 」
コウノ「じゃあ、どうするの? 」
   沈黙。
   そして、譲り合い。
キジ 「やっぱり同じです。」
ペン 「リーダーを決めよう! 」
3羽 「おおおーっ」
フラ 「リーダーかー」
キジ 「それではリーダーを決めることにいたします。」
   拍手。
   ソワソワしだす4羽。
キジ 「やっぱり鳥の中の信用が大事ですよね? 」
コウノ「その上、人間に愛されてるかも大事よねー。」
ペン 「人気があるのが一番よね? 」
フラ 「どこにいてもすぐにわかる華やかさも大事だよ。」
コウノ「あのー、誰もリーダーになりたくないとおっしゃるんだったら、私がなってもいいですよ。」
フラ 「いや、僕がなろうか? ノリで。」
キジ 「ノリでならないでください。」
ペン 「私がなる。」
コウノ「あなたが? どうして? 」
ペン 「私たちペンギンがこの中で一番人気あるでしょ? 」
    沈黙。
3羽 「いやいやいや・・・」
フラ 「みんな、僕たちフラミンゴを見て言うよ。綺麗ねーって。」
コウノ「いえ、それを言うなら、私達コウノトリですよ。
だって、私達一度日本では絶滅したんですよ?
それを人間が復活させてくれたんです。
今は豊岡など各地では自然の中で暮らしてるんですよ。
それほど人間に大切にしてもらってるんです。リーダーにふさわしいと思いません? 」
   沈黙。
キジ 「それは・・・」
フラ 「でもー、ほんとに大切にされてたら絶滅しないんじゃないかな? 」
   沈黙。
コウノ「あっ?」
キジ 「・・・私、一応、日本の国鳥なんですけど。」
ペン 「それで?」
キジ 「・・・いや、別に。」
ペン 「ペンギンは天王寺動物園人気動物ベスト10 の第6位なんだよ。」
3羽 「えっ? 」
ペン 「天王寺動物園の2015年に行われた『天王寺動物園人気動物ベスト10』で第6位! 」
コウノ「・・・まあ、昔の話ですからねー。」
フラ 「今だったらフラミンゴも・・・」
キジ 「まあ、ペンギンさんが人気があるのはわかりましたが」
   やってくるエジプト・ルーセット・オオコウモリ。
オオ 「お待たせしました。」
   驚く4羽。
キジ 「あなたは? 」
オオ 「エジプト・ルーセット・オオコウモリです。」
キジ 「オオコウモリ? 」
オオ 「ええ、夜行性動物舎の入ったところに住んでます。」
コウノ「誰か呼んだの?」
オオ 「いいえ、でも、世界トリ会議でしょ? 」
コウノ「ええ、世界トリ会議です。」
オオ 「ほら、世界トリ会議にエジプト・ルーセット・オオコウモリがいないと可笑しいでしょう? 」
コウノ「可笑しくないでしょ? 」
フラ 「セニョール、あなた、トリなんですか? 」
オオ 「私、オオコウモリですよ?」
フラ 「オオコウモリですよ。」
オオ 「ほら? 」
フラ 「説明になってませんよ。」
オオ 「オオコウモリは空を飛べるんですよ。トリでしょ? 」
コウノ「ペンギンは空を飛べないけど、トリよ。」
ペン 「えっ? 飛べないの? 」
コウノ「知らなかったの? 」
オオ 「ほら飛べないトリがトリだったら、飛べるほ乳類はトリでしょう。」
フラ 「今、ほ乳類だって認めましたね? 」
オオ 「いえ、なんの話でしょう? 」
キジ 「羽ないですよね? 」
オオ 「代わりに毛がはえてます。」
キジ 「くちばしないですよね? 」
オオ 「くちばし、あっ、忘れたー。」
キジ 「忘れるものじゃない!!!!!! 」
オオ 「もう!どうして私がトリじゃダメなんです? 」
キジ 「いや、ダメっていうか・・・」
コウノ「トリじゃないでしょ? 」
オオ 「トリですよ。だって、『世界ほ乳類会議』に出たら、お前はほ乳類じゃないって言われたんですよ。」
   沈黙。
コウノ「ほ乳類じゃないから、トリって言うのも可笑しいでしょう。」
オオ 「可笑しくないでしょう。ほ乳類でもない。トリでもないって私一体なんなんですか? 」
ペン 「コウモリ!!!!!! 」
オオ 「それは知ってます。」
フラ 「コウモリはコウモリそれでいいだろう。」
オオ 「コウモリはコウモリ。ほ乳類でもトリでもなくて、コウモリ? 」
キジ 「あなた、卵から生まれた? 」
オオ 「いいえ。」
キジ 「子供の頃はお母さんのお乳で育った? 」
オオ 「はい。」
キジ 「じゃあ、あなたはほ乳類よ。」
オオ 「ほ乳類? 」
キジ 「その上にトリの能力があるのよ。」
オオ 「トリの能力? 」
フラ 「ほ乳類でもトリでもないんじゃない。
ほ乳類でトリの能力があるんだよ! 凄いね! 」
コウノ「あなたはほ乳類とトリの架け橋よ。」
オオ 「あっ、僕って凄いのか? 」
4羽 「凄い凄い。」
オオ 「じゃあ、僕、自信持っていいんだね? 」
4羽 「もちろんもちろん。」
オオ 「じゃあ、僕はほ乳類とトリの間に入って、お互い仲良くできるようにするよ。」
キジ 「そうね。トリもほ乳類もみんな生き物なんだから。」

一同、『手のひらを太陽に』を合唱する。
歌い終わり盛り上がる一同。        

オオ 「あっ・・・でも、僕たちは手のひらがないんですよねー。」
4羽 「あっ・・・ガックリ」
   首がガックリ。
ペン 「それに、オオコウモリさんは夜行性だから、太陽も見えないのよね? 」
オオ 「あっ・・・残念」
   肩からガックリ。
コウノ「この後、トリのリーダーは、奇跡の鶏のマサヒロくんに決まりました。」
5羽  「・・・シュン」
   腰からガックリ。

   おしまい

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