カラ/フル『夜、ナク、鳥』終わりました
こんばんわ、劇団超人<正直に言います!>予備校主宰の魔人ハンター<結構、時間かかってしまいました>ミツルギです。
カラ/フル『夜、ナク、鳥』無事終了いたしました。
皆さんありがとうございます!!!!!
昨年、妻のあかねが同じ大竹野正典作品
くじら企画『サラサーテの盤』
に出演しました。
そのときの役が車椅子の役でした。
そして、1年後、私が車椅子の役になりました。
なんの縁なのでしょう?
初めての読みのとき、なんとなくしっくり来たので、お年寄りよりに読んでみたのです。
「ミツルギさん、実年齢ぐらいでいってもらえます? 」
あっ、そうなのかー・・・
お年寄りだとばかり思ってました。
でも、稽古しているとどうしてもお年寄りに引っ張られるのです。
なんかやろうとしたらお年寄りになって行くのです。
なのでお年寄り度が高くなると捨てて、お年寄り度が高くなると捨ててを繰り返しました。
なので本番ではかなり削ぎ落した私自身に近いところでできた気がします。
どうしても時間かかってしまうのですねー。
「小屋入るまで、心配でした。」
と、オダタクミ氏に言われました。
言われるのわかります。
演出家にこう言わせるの3度目です。
しっかりせえよ!ハンター!
まあ、間に合ったようで良かったです。
台詞も苦戦しました。
かなり長い台詞を言わねばなりません。
しっかり伝えなくてはならないので、ハッキリと言わなくては。
始めは覚えたことに必死すぎて、相手役の中村ユリさんを見る余裕もありませんでした。
長い台詞ですがあくまでも会話の中の台詞なのです。
会話にしないといけないなーと思ったのは、6月の末になってからでした。
それぐらい追われてた感じです。
オダ氏から散々言われたのは、
1番目の出番と2番目の出番でギャップをつけてほしいということです。
わかりやすく言うと
ニット帽が
ある時~
ない時~
のテンションの違いですねー。
ニット帽がある時はNCPGという癌に効く?薬を投薬している時です。
調子がよくて歩いたりしたくなります。
今まで歩けない状態で車椅子に頼っていたのですが。
ニット帽がない時はNCPGを投薬する前です。
夜に鳴く鳥の声に淋しくなったり、進んでいく病気に不安を感じたりしています。
私が演じたタザワミチロウという人は、この極端な2つの世界しか描かれてないのです。
この余白たっぷりのところが遊びどころです。
私は両極端な時間を見せることで、ドラマの流れの外側を表現している役なのだと思うのです。
というより、箸休め的なポジションですかねー?
みんな、熱い芝居してる中、私だけへローンとした芝居してます。
まあ、呼ばれたときから思ってましたが。
いただく感想も
「肩の力が抜けてて良かったです。」
と書いてくれます。
かなり必死なのですが。
でも、それが私の持ってるものなんでしょうねー。
友人に
「あれ? 滑舌良くなりました? 」
という感想ももらいました。
私、演劇初めて31年目です。
こんなに長くやってて、こんなに見くびられる奴いるでしょうか?
よく伝わったのだといい方に解釈します。
「本物の末期の病人に見えました。」
というおほめの言葉もいただきました。
もう演技ではなく、見た目です。
痩せてて良かったと思います。
演技力に対抗するには、
「健康な割に病人に見える」
病人力です。
いいのかな? これで?
まあ、いいのです!!!!!
・・・病人力って言葉ありましたっけ?
この作品、初演は観てないのですが、そのあと何度か観てます。
「あかんやめとけ! 」
白井くんが演じたエイジのように言いたくなりました。
私はそのとき、
「観客って無力だなー・・・」
と思ったのです。
観てても何もできないからです。
今回、出演してみて思いました。
「同じ舞台に立ってても何もできない役者の方が観客より無力だ。」
と知りました。
いろいろと観て、いろいろ感じることができる観客は自由なのです。
役者は一つのことしか見えてません。
その代わり深く見えてます。
まあ、事件を止めてしまったら、もう芝居じゃなくなってますが。
滅多にやらない役をやらせてもらいました。
人間することも珍しいですが。
描かれてない部分に思いを馳せました。
娘さんはいくつぐらいやねんやろ?
どんな仕事してたのかなー?
こういう想像って役者の無限大の自由な気がします。
みんな、そうやって想像を持ち寄って来て、舞台に立っているのです。
一人の役者として、舞台に立って今更そんなことを気づいた舞台でした。
客演するとき、この演出家さんは
どこが細かくて、どこがザックリなんだろう?
と考えます。
オダ氏の演出は、まず好きにやらせてくれます。
そして、観たいシーンを伝えてくれるし、イメージを言ってくれます。
役についてはかなりお任せな感じでした(私の場合はですが)。
あまり言ってもしょうがないと思われたのかもしれませんが。
ほんといろいろ考えさせられた芝居でした。
女性陣4人はマラソンというか駅伝というか移り変わりを見せる芝居でしたが、我々男性陣は短距離走でした。
各自、自分の役割をわきまえた人達だったので、その辺は早かったと思います。
正直、そういう人達の中に入ってるのでプレッシャーを感じたりしてました。
毎回、かなりの緊張感がないといけない状態でした。
楽屋でバカな話ができて、リフレッシュできて良かったです。
舞台の上がきつくて、楽屋もきつかったら、ほんとやってられなかったと思います。
「動員が戻らないねー・・・」
この頃、よく聞きました。
小劇場界で景気のいい話はそんなに聞けなかったですが、ほぼ満員の皆さんに観ていただき、ほんと幸せでした。
貴重な体験させていただきました。
皆さん、ありがとうございました!!!!!
カラ/フル vol.8
『夜、ナク、鳥』
作・大竹野正典
演出・オダタクミ
【出演】
高橋映美子
峯素子(街の劇)
有元はるか(カヨコの大発明)
中村ユリ(アルソア日粧)
泥谷将(Micro To Macro)
白井宏幸(ステージタイガー)
魔人ハンターミツルギ(超人予備校)
栖参蔵(劇団大阪新撰組)
鎌田恵弥
【日時】
2023年7月7日(金)19:30
8 日(土)14:00/18:00
9 日(日)12:00/16:00
【会場】
大阪市立芸術創造館
11年ぶりに共演した栖参蔵さんと。
今、参蔵さんはひげを剃ってさっぱりした顔をしてます。
他の皆さんも次の芝居に取り掛かったりしてます。
カラ/フル『夜、ナク、鳥』は、もう過去の公演になりました。
せめて皆さんの記憶に少しでも長く留まりますように・・・