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『落語家になれなんだ男』が帰って来て終わりました!!!!!その3
こんにちわ、劇団超人<正直に言います!>予備校主宰の魔人ハンター<桜、来た来た来たー!!!!!>ミツルギです。
月亭文都独演会『BUNTO FACTORY vol.16』無事終了いたしました。
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なんと言っても一人芝居『落語家になれなんだ男』をやるのです。
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国立文楽劇場で『INDEPENDENT:23』で上演した作品がここで上演されるのです。
ミツルギ作品がここでできるなんて感慨深いです。
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小ホールのロビーにある絵画です。
道行ですよねー。
絵でも人形ってわかりますよねー。
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小ホールの前にポスターを貼って準備万端です。
外側はですけど。
この日は10時半から舞台が使えることになってます。
普通、落語会はマイクテストぐらいしかしないそうです。
通しなどまずないのです。
しかし、今回は一人芝居があります。
スタッフワークとの絡みもあるし、場所になれないといけませんし。
朝からやるのです。
この日、文都さんは落語2席と一人芝居1つやるのですが、その前に一人芝居をさらに1回やっていたのです。
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ゲネプロをやりました。
先に一通りやってもらい、気になるところを返すという方法を取りました。
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文都さんはスーツではなく、『INDEPENDENT:23』のパーカーで挑みました。
この日、初めて着たそうです。
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国立文楽劇場は靴禁止だそうです。
上靴ならいいのかな?
と思ったら、そういうものでもないそうです。
舞台に地絣(じがすり)を敷かないとダメだそうです。
地絣、大きな布のです。
これで靴を履いて動くことができるのですが、足を取られてこけそうになるのです。
走ることはできないですねー。
あと固定するためにテープで止めてたのですが、動くたびに
メリメリ
という音がしたそうです。
結構、気になったと文都さんは言ってました。
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このベンチというか床几というかこれは国立文楽劇場のです。
スモークもかなり効かせてくれてます。
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星球を吊ってもらいました。
天井が高いのであると嬉しいです。
月も出す計画があったのですが、それは大黒では上手くいきませんでした。
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かなり間違えたりが多かったですが、元々ゲネはそういうものなのでいいのです。
かえってここで間違えてくれてたから良かったと思うぐらいです。
確認作業ですからね。
気になったところの修正をして、本番に備えます。
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入口でご挨拶するのは、文都ちょうちんです。
こういうのがあるのがいいですねー。
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表にこれが立ちました。
雨の中、これが目印です。
今日の13時から16時までは
『国立文都劇場』
です。
この日、大ホールでも何かやってました。
入口付近では係員の女性が
「落語会はエレベーターで3階まで」
と大きな声で繰り返してました。
それにしても酷い雨でしたねー、開演前は。
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これがこの日の演目です。
文都一門のみの出演です。
チケットの売れ行きは芳しくないと聞いていたのですが、かなりの入りでした。
演劇人や演劇ファンの顔が見れて嬉しくなりました。
私が関わってる価値があります。
落語会や国立文楽劇場へ初めてお越しになった人が一人でもいれば、私が演劇との懸け橋になれたということですからねー。
ブー
ブザーがなります。
始まります。
1・秀都 『七度狐』
デビューの頃から知ってますが、もう10周年なのですねー。
確かにしっかりした語りになってます。
若手っぽさも残してますが、そこがいいところです。
2・文都 『道具屋』
これは前座ネタと呼ばれる部類なので、文都さんクラスがやるのは珍しいのです。
あっさりした噺なのですが、文都さんは軽いボケをふんだんに盛り込み、楽しい噺にしてました。
サゲもあまりやらない方のサゲ?でした。
3・天使 『ロバにパンケーキ』
ご自身の創作です。
プロポーズのお噺です。
なかなかプロポーズできないのです。
そこが可笑しいのです。
天使さんはこんな変わった創作が面白いし、あってると思います。
4・文都 『寝床』
「一人芝居あるなら落語は他に2席ぐらいやらなあかんでしょ?軽い目の2席にしたらどうですか?」
と言っていたのに、このネタを持ってきたのです。
ネタだけで40分ぐらい行くのかな?
そこにマクラまで着くのです。
短くできるのですが、やはりこれぐらいは聞きたいです。
国立文楽劇場なので、こういう浄瑠璃のネタをやってみたくなったそうです。
元々面白い噺なのですが、さらに面白く仕上げてます。
やっぱり芝居が上手いのです。
かなり迷惑なお店のだんさんの心の動きが手に取るようにわかるのです。
それは言葉になる前にわかる感じです。
そこで笑います。
かなりデフォルメされてるけど、人をちゃんと押さえているのですねー。
語るマンガですよねー。
そんな面白さです。
50分ほどの熱演でした。
ここで仲入りです。
客席で普通に落語を楽しんだのですが、ここからは演出家です。
楽屋へ行きます。
着替えてる文都さんと談笑。
まだ元気であることを確認し。
「相手に話しかけることを心掛けてください」
とだけ話して客席へ戻ります。
演出家の仕事終わりです。
あとは文都さんにお任せです。
5・文都 一人芝居『落語家になれなんだ男』
始め聞いたときは、中トリぐらいでやるのかな?
と思ってました。
高座を出し入れすることを考えるとトリネタになったそうです。
落語を観に来た人に一人芝居を観せるのはなかなかハードル高いと正直思ってました。
もう落語の部だけで満腹状態です。
さてここから何をプラスαできるでしょうか?
ブザー
そして、照明がドンドン消えて行きます。
そして、暗転。
会場中暗くなります。
落語会と演劇では客席の明るさから変わります。
落語会は明るいままやります。
演劇は薄暗くします。
その境を暗転で作り上げたのです。
なんかそこが凄いと思いました。
暗転が落語会と演劇の境目だったのです。
それでもなかなか雑談が止まりません。
舞台の照明が点くとベンチが一つあるだけ。
そして、また舞台は暗くなり、夜の照明へ。
子どもの声とブランコの音
やがて夜になり、ブランコの音だけが鳴り続けます。
が、まだ雑談は止まりません。
やがて、イントロが聴こえ、雑談はようやく止まりました。
文都さん登場。
待ってましたー!!!!!
という状況でした。
『INDEPENDENT:23』のときより、観客の年齢層は高いです。
どんな反応が待っているのでしょうか?
始めからノリがよく、一言一句楽しんでくれてる感じです。
面白いところを探してくれている感じがありありです。
落語家さんのちょい真似するところがあるのですが、物真似自体で受けるのも落語会ならではです。
『INDEPENDENT:23』のときはあくまでもフリでそのあとで受けてましたが。
普通そうでしょうねー。
語りより芝居に大きく動いた感じがします。
サラリーマン宮田がしっかりと出来上がったのが大きいです。
サラリーマン宮田がしっかりすると『月亭文都』もしっかり見えてくるのです。
そうなるだろうなー
とは、漠然と思ってましたが、目の当たりに見ると凄く嬉しいです。
それは恐れずに私の言うことに取り組んでくれた文都さんの素直さだと思います。
37年も落語やってたら、
「そこまでせんでも・・・この方が自分らしいし」
とか思っても可笑しくないのですが、ずっと謙虚な文都さんでした。
探求心かな?
好奇心かな?
向上心かな?
ちゃんと聞いてくれるので嬉しくなって、どんどん要求していきました。
なので、『INDEPENDENT:23』のときからかなり変わったのです。
こういうことしてるとどんどん進化するだろうなーと思いました。
最後まで観客を離さず、話の中に没入させることができたと思います。
『INDEPENDENT:23』のときから出来てたと思いますが、今回は演劇を見慣れてない人に向けてなのです。
落語と違う文都さんがたくさん見えたのです。
それだけでも興味深いと思います。
最後、私も前に出て挨拶させてもらいました。
もうお客様も満足しておられるのでとっとと終わりました。
もう3時間近くやってますしねー。
でも、皆さんの楽しそうな顔が観れて嬉しかったです。
打上げにも行かせてもらいました。
まあ、たわいない話ばかりでしたが、文都さんが秀都くんに
「これからの落語に生きてくると思うねん。」
と言ってたことが印象に残ってます。
私達はゴールの無いことやってるんですよねー。
今回の文都さんと私の一人芝居によって演劇と落語に少し興味を持ってもらえたらほんと嬉しいです。