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デビル・フレンド49 母の記憶

アルマティが9歳の時に母親は殺された。

その日の記憶は、鮮明な断片と曖昧な部分が混ざり合って彼女の心に残っていた。


彼女は、黒の可愛らしいドレスを身にまとい、パーティー会場にいたことを覚えています。

それが自分の誕生日を祝うために母親が連れて行ってくれたものだったのか、それとも何か別の目的のためのパーティーだったのか、はっきりとは思い出せません。

母と共に多くの人々と笑顔で会話を交わし、その可愛さを褒められたことは、彼女にとって大変嬉しい瞬間でした。


しかし、その次の瞬間には悲劇が襲い掛かりました。

突如として地面が大きく揺れて、窓ガラスが割れ飛び、周囲の人々が地面に倒れ叫び声を上げました。

食器やコップの割れる、激しい音が至る所で鳴り響いて、熱い空気が耳の奥まで入り込んで、鼓膜を揺らすのを感じた。


それから、あちこちで爆発が起き、炎が舞い上がり、黒煙が会場を覆いつくし闇に包まれた。

付いたり消えたりする照明の光と、不気味に揺らめく炎の光が、黒煙の闇の中から現れた彼らの姿をうつし出した。

その顔はマスクで覆われ、手には危険な武器を握っていた。


母は、私を後ろに押し隠すように自ら前に出た。

彼らは母親に目をつけ、無言で近づいてきた。彼らの視線は冷たく、その残虐な眼差しには何もかもを破壊しようとする凶暴さが滲んでいた。

彼らの目的は何であれ、ここにいる人々は皆彼らにとっての標的だった。

母の体が微かに震えていたのは、恐怖ではなく、覚悟からだった。


彼らは言葉もなく母親に向かって進み、その鋭い刃を彼女に突きつけた。しかし、母親はひるむことなく立ち向かい、彼らの攻撃から私を守り続けた。

そして、母が倒れるまで、その姿はずっと私の目に焼きついていた。



お母さんが戦った瞬間、お母さんが庇った瞬間、そして最後の瞬間まで、私はその全てを目撃し続けた。

その時の光景は今でも私の心に鮮明に残っている。


奴らは私を見つけた時、私が幼すぎると判断したのか、私を手に掛け無かった。

でも、お母さんは…お母さんは私を守るために戦い、殺された。


それから私は、なぜ母は殺されたのか、奴らが何者だったのか聞いてまわった。

でも、誰も教えてはくれなかった。

大人が口にする答えは、何もかもが不明確で、あいまいなままだった。

「あなたの母はテロリストに殺された」と言われるだけで、なぜ母がそのような運命に見舞われたのか理由を知ることはでき無かった。


大人達は必死になって、私から事件の記憶を奪おうとした。

薬や催眠術に怪しい儀式

その度に、私は歯を食い縛り決して忘れるもんかと心に誓った。

記憶を胸の奥に焼き付け、忘れた振りをして生きて来た。


私は成長するにつれて、その攻撃はただのテロリズムではなく、かつて母の家系が従事して来た十字架の執行者(KE)を狙った組織的な行動だと確信するようになった。

しかし、それを証明するための具体的な情報を見つけることはでき無かった。

社会的には、その事件は戦争の混乱と終わりの傷跡が引き起こした悲惨な結果として語られているだけ。

真実はどこかへ消え、ただ混乱が生んだ悲劇として語り継がれるだけでした。

その事実に彼女はただ無力に立ち尽くし、黙々と自分の運命を探し続けるしかなかったのです。

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