健康的なバターに出会う前・2
3⃣ 2014年10月
▶Previously on Majimena Butter
結局キース似の彼とは、ご縁がなかったのだ。
そう思っていたが、後日、何かがきっかけでなんとか彼と繋がることができた(何故だったかは、本当に記憶にない)。
キースが私の勤務地に仕事で飛んでくることもあったし、私が彼に会いに行ったりもした。
キースは、私のことを気に入ってくれているらしかった。しかし私は、イマイチ彼のことが好きになれなかった。
理由は、彼がひじょーーーに細かい人だったからだと思う。
時間によって、見るテレビ番組が決まっていて、私がチャンネルを動かすと笑顔でチャンネルを元に戻してきた。
それに、薬を飲む時間も、飲む順番もきっちり決まっていた。
夜の営みがなかなか始められない時もあり、彼を手伝おうとすると、「今集中してるから!」と手をハネのけられたこともあった(これは、私が悪いのかも)。
営みがやっと終わると、そそくさとつなぎのような服に着替えて、眠りにつく。
眠るのも、自分がベッドのどちら側で寝るのかがきちんと決まっていた。
なんとなく豪快なイメージだったパイロットとしての生活は、全然華やかなものではなく、とても質素な生活だった。
「パイロットとはいえ、この人とは結婚できないなぁ…。」そう思い、キースから連絡が来ても、もう返信もしなくなった。
彼と最後に会った日から、数ヶ月が経過。
突然彼から、意味不明なメッセージが届いた。
あのぉ、恐れ入りますが、私、売春婦ではないんですけど…。
とは思いつつ、「新たなパイロットと出会えるなら…」と思い直した。次の日が休みということもあり、暇だったので、キースの友達に会いに行くことにした。
キースとは、これ以上複雑な関係にはなりたくなかったので、絶対にそういうことは「いたさない!」と決め、ブラとパンツの上下が揃ってさえいない、デカいパンツを履いていった。
キースの友達は、空港近くのホテルに滞在していた。
ロビーで、彼が待っていた。私がロビーをうろうろしている姿を見て、彼がスッと立ち上がった。
その姿を見て、うろたえた。
「イケメンやないか。」
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