グラホ時代、お客さんとデートした件。
フランスは本っ当に乾燥しています。
たとえ外では毎日マスクをしていても、のどがやられます。
夫にトローチを持っているか尋ねたところ、浅田飴が出てきました。
日本にいるとき、同僚に奨められて買ったようです。
私は、この手の飴ちゃんより、レモンとか、リンゴはちみつ味とかの方が好きなので、「コレおいしくないじゃん」と思っていたのですが、仕方あるまい。
浅田飴をありがたく頂戴しました。
浅田飴を見ていたら、同系列の(違ったらごめんなさい)龍角散のど飴が好きだった人とデートしたことがあったなぁ、と思い出しました。
だから、正確には思ひ出の…龍角散のど飴なんです(笑)。でも手元にあるのは浅田飴なんで…。浅田飴を書いたんです…。何回言うの浅田飴。
グラホ時代の出会い
その日私は、ハイカウンターでチェックインをしていました。
いっつもエコノミーで適当なチェックインをしていたので、カウンターの一番端っこでチェックインするのにひどく緊張していました。
ファーストとかビジネスクラスに乗る人には、なぞの威圧感があって(笑)。金持ちに弱い私。
冬服の制服も好きじゃなかったですし、制服の裁縫がとってもあまあまなので、スカートのスリットが必要以上にサケていました。
スカートがずり上がってくるのを気にしながら、チェックインしていた時。
すごくギラギラしたビジネスマンっぽい人が来ました。
エコノミークラスご搭乗でしたが、どこぞやのエアラインのハイマイラーでした。
「おはようございます。」
朝いちばんのフライトだったので、お声がけすると、ちゃんと目を見て笑って「おはようございます」と応えてくれる方でした。日によく焼けて、サラサラの私よりきれいな黒髪。旅慣れている感じの、リモワのスーツケース。しかも職員にも優しい。
雑談しながらチェックインしているとその方が、
「ビジネスにアップグレードできる?」
と尋ねてきました。
===|▶一時停止|▶===
当日ビジネスクラスにアップグレードしたがる人が、めちゃくちゃいました。
でも正直、
「本気でする気がないなら、
冷やかしで聞かないでッ…。」
って思ってます!😂
アップグレードって、残念ながら1、2万円ではできないんです。結構ガチな差額を払わなければいけません。割引のチケットを買われていると特に。
さらに、チケットによってはアップグレードが全くできない種類もあって、そうなるとビジネスのチケットを当日フルフェアで買うだけってなります。しかも、エコノミーのチケットは無駄になっちゃいます。
差額を調べるにも、10分程度かかって、クソ忙しいときに言われると、スタッフみんな殺意が芽生えます(笑)。
冷やかしで聞くのは、おススメしません。
===▶▶一時停止ここまで▶▶===
この質問をされた時、「あ、こんな素敵な方も、そういう系ね。」と勝手にがっかりしました。
仕方ない、ハイカウンターはそこまで混んでいないし、お客様仰せの通りアップグレードができるのか、できる場合いくらの差額を支払うのかを調べてもらうことに(自分ではできないので、発券担当に依頼する)。
「時間がかかりますので、少々あちらでおかけになってお待ちください。」
以前、アップグレードの差額を調べるのに時間がかかりすぎて、お客さんを立って待たせたとクレームが入った事があったので、近くのベンチへご案内しました。
発券担当の後輩に調べてもらっている間、インチャージさんから、「あの方、本気でするかなぁ?」と質問があって、「微妙です」と応えました。
後輩が、アップグレートの金額を算出でき、2人で金額をお伝えすると、
「25万もすんの?!」
と驚いていらっしゃいました。
心の中の声: せやで、結構ガチな金額すんねんで。どーせ、ひやかしなんやろっ🙄あーあ、がっかりだぜ。
すると、クレジットカードを出して、「じゃあ、お願いします」と。
ひぇぇぇ。本物のオカネモチじゃぁあぁ。
そして最後に、私に名刺をくださいました。
「良かったら、メールください。」
そう言って彼は、出国手続きに進まれました。
デートは2回
横で一部始終を見ていたインチャージさんがにやにやしながら、「どうすんの、メールすんの?」と聞いてきました。
「うーん、どうでしょう。」
と交わしましたが、次の日くらいにすぐメールしました(笑)。
当時はLINEとか普及していなくて(って年齢がバレますね)、Gmailを送りました。
彼が出張から帰国してから、お食事に誘っていただきました。
食事中、私が「本気で当日アップグレードした人見たの、初めてです」というと、「あれ高すぎだよねぇ?!びっくりしたわ」とおっしゃっていました。
「〇〇ちゃん*の前でかっこつけたくて、25万払ったよ。」
*〇〇ちゃん=私の本名
最初のデートはうまく行って、次はドライブデートに連れて行っていただきました。
そんで結局最後、どうなったっけ。
2回目のドライブデートの車中で、車の中に龍角散のど飴が置いてありました。
「食べる?」と聞かれて、「大丈夫です」というと、「これ好きなんだよね」とおっしゃってました。
最後、確かその方は転勤になってしまったので、フェードアウトして終わったような気がします。
LINEが出回る前なので、どんだけ昔の話であるか皆さんだいたいわかっていただけるんだとは思いますが…。
私は容姿に恵まれてはいないし、スカートも割けてたし、おもてなし度合いも中の中ぐらいだったのに、優しくしていただいて嬉しかったのは覚えています。
この方を思い出す要素は他にもたくさんあったはずなのに、龍角散のど飴の同系列の浅田飴で思い出すとは。
もう会うことはないけれど、寒い日本でお元気にされているといいな。