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B'zとの出会い:「お前の胸で窒息したい」と言われたかった、小3のマセ子。
1995年。
私は、当時小学3年生。
ある秋の日、テレビにくぎ付けになってしまった。
そこでは、なんだかわからないけど、とっても男前な人が、とてもかっこいい曲を歌いながら、ステージの高いところからジャンプして飛び込んでいる映像だった。
この人は誰なのか。この歌は何のか。
ある金曜日の夜、夕食後Mステを見ていたら、彼を見つけることができた。
そして、あのイケメンは「稲葉浩志」という名前で、「B'z」というバンドのヴォーカルをしていることを知り、あの超かっちょいい歌「Love Phantom」という曲名だったことを知った。
そしてすぐに、「B'zのCDが欲しい」と母にねだった。
後日、百貨店の地下にあったCDショップで、Love Phantomが収録されている、「Loose」を見つけた。
私は早速、何度も繰り返し繰り返し聞いて、テープに録音して、母が運転する車の中でも聞いていた。
歌詞カードもくったくたになるまで、何度も何度もCDケースから取り出して、歌詞を覚え、稲葉さんの写真を見ていた。
稲葉さんは本当に美しくて、この人に「君」と歌われる女は、一体どんなに綺麗な人なのだろうと妄想した。
今思えば、子供の私にはちょっと刺激的過ぎる歌詞で、母をどぎまぎさせたに違いない。
稲葉さんのことばかり、考えていた。
その後、ライブ映像を収録したビデオまで買ってもらって、それも何度も何度も何度も何度も見ていた。
稲葉さんが、その美しすぎる肉体美を惜しげもなく見せつけ、ステージを端から端まで駆け抜けて汗まみれになり、腰を怪しげに動かす様を、口をあんぐり開けながら見ていた。
そして、私がテレビで見た映像は、Love Phantomを歌い終わった後のパフォーマンスの映像だった、とこのビデオを見てわかった。
B'zの音楽に出会えたおかげで、私はいろんな苦境を乗り越えてきた。
家族との別れ。
学生時代、好きな男の子にフラれた時。
勉強しても結果が出なかった時。
社会人になって、人間関係で悩んだ時。
仕事がうまくいかなかった時。
夢を叶えるために海外で渡り、孤独死しそうだった時。
しばらくご無沙汰していても、聞けば歌詞の一字一句が思い出せて、何故だか元気が出る。この記憶力が、なぜ受験勉強に活かすことができなかったか、本当に疑問だ。
流行に追いつけず、新曲とか最近の曲はよく知らない。
でも、デビューした80年代〜2000年代前半のB'zの曲は、イントロの数秒でわかる。
周りの雑音がうるさくて、わずかにしか聞こえなくても「あ、稲葉さんの声だ」と歌声を聞き取ることができる。
私の中にある、血よりも濃い、妙に可笑しなB'zとの絆。
将来息子ができたら、「浩志」と名付けたいと密かに思っているが、夫には内緒だ。
B'z、ありがとう。