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不健康なバターに出会った日

4⃣ 2014年12月

Previously on Majimena Butter 前回までのお話

ロビーで私を待っていたのは、ものすごいイケメンだった。

そう、ジョン・ボンジョビみたいな、すごいイケメン(まさに、背はちょっと低め)。

ジョンは笑顔で、「こんばんは」と言い、これからどうするかを少し話した。もうホテルのレストランも閉店していて、ホテルの周りには何もなかった。

そして、彼の部屋へ向かうべく、エレベーターに乗り込んだ。

「あぁ、部屋行っちゃったら、ヤらないってもう無理じゃん。」

部屋はビジネスホテル並みには狭くなく、ソファーもあり、ベッドも大きかった。

彼とは、いろいろ話した気がする。

仕事のこと、彼がその日履いていた靴のこと、彼女と別れたばかりだということ(だから親切心から、キースは私と会わせたんだと思う)、その彼女が他のパイロットと浮気をしていたこと…。

終電の時間が近づいたため、帰ろうとしたと時に、「Don't go 帰らないで.」と言われてしまった。

帰るか帰らないかで、彼との関係性が決まってしまう。

ただの売春婦的存在で終わるか(お金ももらってないのに!)、ミス・ボンジョビと呼ばれるのか。

岐路に立たたされた私も、本心ではもう少し彼と一緒にいたかったのだと思う。

ナイーブにも「まぁ、ここまでヤらずに済んだ、このまま始発まで何とか切り抜ければいっか」と考え直した。

まぁ結局、ヤっちゃったんだけどね。

ということで、変な下着を着けていっても、やるときゃヤるんだなとわかった。脱いでしまえば、わからないし。

彼は朝早くのフライトがあったので、翌朝早めに起きた。

彼が「一緒に写真を撮って、友達キース に送ろう」と提案してきた。

穴兄弟キースに本当に送るのかい?」と心の中で思いつつ、もしかしてジョンは私とキースの関係を知らないのかも、と思った。

写真を撮り、足がふわふわしたまま、彼のホテルから出た。

帰りの電車の中、親友に一通り何があったのかを説明し、2人で撮った写真を送った。

いろいろあったけど、その時は、「会いに行って良かったな」と思っていた。「本当にミス・ボンジョビになれるかもしれない」とぼんやり考えていた。仕事を辞め、結婚し、彼のフライトに一緒についていくような生活…。最高じゃあないか。

ただ、そう簡単には問屋が卸さない。

ジョン・ボンジョビとの出会いで、私は大事な大事な20代後半の2年間を、無駄にしてしまったのだ。


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