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不健康なバターにハマった日

5⃣ 2015年9月

Previously on Majimena Butter前回までのお話

私は傷心していた。

友人の結婚式で出会った彼と、順調に付き合いを進めていたのに、1か月足らずでLINEでフラれてしまったからだ。

彼のために、6Kgもダイエットをしたのに…。ひと夏の恋はあっけなく、終わってしまった。

傷ついた私は、パンドラの箱を開けることにした。

そう、再びジョンに連絡を取ることにしたのだ。

ジョンとは、昨年の冬一度会ったキリで、メッセージのやり取りをしていても全然続かなかった。

仕事で、私の勤務地に来ることもなかった。避けられているような気がしていた。

結局私はミス・ボンジョビにはなれず、そんな自分を許せなくて、彼との連絡を無理やり絶っていた。

そんな時に、先ほどの彼と結婚式で出会い、猛アタックの末にやっと付き合うことができた。

なのに、また、出発点に逆戻り。

でも、この痛手を忘れられるなら、どうだっていい。

そう思って、彼にメッセージを送った。

彼からも「元気だった?今香港に仕事で来てるよ~」と返信が来て、しばらくどうでもいいやり取りをしていた。

2か月後、仕事の同僚と一緒に、旅行へ発つことにした。その時ついでに、同僚にも了解を得て、彼に会うことにした。

久しぶりにイケメンに会えると思うと、準備に力が入った。

彼の仮住まいのホテルのロビーで待ち合わせをし、ホテルで食事をした。

食事が終わると、当然コトに及んだ。

今回は、同僚も一緒だった手前、絶対に彼の部屋に泊まらないと心に決めていた。

私と同僚が滞在していたホテルに帰るためには、どうしても終電に乗りたいと思い、コトを済ませると、彼と一緒に全速力で駅まで走った。

しかし、終電をあと一歩のところで逃してしまい、私は絶望にくれてしまった。

そんな私を見て、泊まっていけばと散々言っていた彼も、「タクシーで帰って」と1万円を渡してくれた。

「これじゃ本当に売春婦やん…」と思いつつ、ありがたく頂戴し、ホテルまでタクシーで帰った。

旅行の最終日。

ジョンが空港まで見送りに来てくれた。

その時、本当に少額だったが、タクシー代のお釣りを返した。

彼は苦笑いして、お釣りを受け取り、「またね」と言ってキスをくれた。

この時点で既に、ひと夏の失恋からは立ち直っていた。

私の中にはもう、ジョン一択しかなかった。




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