清潔感がなかった時の話
清潔感という言葉ほど、一見簡単なようで
奥深い言葉はないように思います。
それ故に
人によって捉え方が大きく異なる
言葉ではないでしょうか。
私は衛生的に清潔であるのと、
清潔感があるのとは
同じ意味ではないことを
社会人になってからやっと理解することができました。
遅すぎる……
30秒間だけタイムスリップして高校生の頃の私に何が伝えるとしたら、
これから語ることを手紙にし、渡しながら
「あなたは、自分は清潔感があると思っているけど実際はないよ!」と伝えたいと思います。
私はこの清潔感という言葉を
長年履き違えていたせいで
高校デビューも、大学デビューも出来ず、
ついに就活が始まってしまい、
就活解禁して初の集団面接で洗礼を受けます。
父親くらいの年齢の面接官に
「傷つかないで欲しいのですが、」
と前置きをされて
「正直に言うと
他人と競争しなければならないこういう場では、
あなたは地味すぎる。
もっとメイクや髪型で華やかさや、あなたの明るさを演出してアピールしたほうが良いよ。」
と、真正面からのガチアドバイスをされるという経験をします。結局、その後も挽回はできずその会社では不採用になってしまいました。
不採用になったことことよりも、大学生にもなって異性、しかもおじさんから容姿の指摘をされるのは身に堪えました。
私は花の女子大生、青春時代の終わりに
数多くの就活生を見てきた面接官に心配されてしまうくらい芋臭かったのです。
これにより私は学生時代ずっと野暮ったかったことが証明されてしまいました。
この衝撃的な出来事から自分の容姿と
清潔感とは一体何なのかについて積極的に考えました。
就活本やマナー講座では
清潔感があり、
スーツをきちんと着こなしていれば大丈夫!
という感じで見開き1ページくらいでまとめられていて、できている前提で話が進んでいきます。
あのときの面接も
ナチュラルメイクをして髪の毛をセットして、
気合を入れて臨んだつもりでした!
ここで大きな勘違いなのですが、
この時の私が言う清潔感とは
毎日お風呂に入っているし、
手足の爪も切っているし
ハンカチも持ち歩いているし、
寝癖もなおしているし
服は毎日洗濯したものを着ているし
私は垢抜けてはないけど清潔感はあるよなと思っていたのです。
しかし、これは手を洗う、
歯磨きをするという衛生面において
清潔に保つ最低限レベルの行動であり、
清潔感がなかったのです。
そもそも何故今の今まで
その状態でいたのかと言うと、
高校生の頃から特に自分の容姿が恥ずかしいと思い、鏡を殆ど見ずに過ごしていた時期がありました。
そうすると、自分の中の自画像?のようなものが勝手に少しずつ美化されていくため
たまに鏡を長めに見て
細い目、低い鼻、たらこ唇、一瞬鼻くそみたいに見える位置にあるホクロ、毛量が多く固い髪など
コンプレックスになる部分ばかり目について
嫌な気分になって自分を戒めていました。
鏡の使い方が独特!
可愛くなろうとしていると
周囲にバレて
無駄な努力だと
揶揄われることを心の底から恐れていて、
鏡を見ているのに
自分から目をそらし続けてしまっていたのです。
そうして、私は身だしなみを整えると言う根本的な部分でさえクリア出来ずいました。
ここまで、悲劇のヒロインっぽく書きましたが
幸せなことに
私の家族や友達は私に超優しくて、
ありのままの私を受け入れてくれました。
その人達と居る時は自分の外見について考えず
居心地良く楽しく過ごせたのです。
しかしそれ故に傲慢な私は「私の性格を知ってくれて、気の合う人だけ知り合えればいいや!」と
芋臭い見た目の自分を気にしたまま
向き合わず大人になってしまいました。
しかし、就職活動において
志望していた業界では
勿論その考えは通用せず、
冒頭の出来事が起こってしまいました。
面接官のこの指摘で
「わざわざ指摘されるってことは私は清潔感さえなかったのか…」
「自分が変わらないと興味さえ持ってもらえないのか…」
と雷に打たれたような衝撃を受けました。
顔採用やルッキズムの問題などもありますが
身だしなみは相手への
尊重の意味も込められていて
就活という場では清潔感があり身だしなみが整えられているほうが有利なのは当たり前です。
そこから、私は初めて
自分の容姿と向き合うことを始めました。
まずしっかりと自分を見つめ、向き合わないと
できなかったのです。
恋愛とかではなく就活で自分のためだけに美容 を意識し始めたので特殊かもしれません。
何せ、就職がかかっているので必死の闘いです。
まずTwitterの美容垢や美容系ユーチューバーの動画、美容本など情報収集に勤しみました。
最初は知識不足でオリーブオイルと砂糖を顔の上でくるくるすると毛穴が全て落ちて肌がきれいになる、まぶたをマッサージして二重まぶたにするなど謎の美容法に振り回されて迷走した話もまたしたいです。
そうして情報収集をするうちに
当時一期生と同年代だった乃木坂46にドハマリしてライブに参戦したりするまでになりました。
すると、
可愛いと言われる人程、
生まれ持った美しさに加えて
その可愛さを維持したり更なる高みを目指して日々努力していることが分りました。
私は今まで、可愛い子は生まれつき可愛くて、
たくさん食べても太らず、体毛も薄く、メイクも口紅やチークをして血色を足すくらいだと思っていました。
しかしアイドルの彼女たちは自分に対して常に客観的な目線を向けていることが分かりました。
その姿はまるでアスリートのようでした。
私は自分のことが嫌いで恥ずかしいと思っているのにそのような努力をしたことが無かったのです。
それからというもの、私は自分への解像度がどんどん上がっていくのを感じ始めました。
以前は全く気にならならかった、アホ毛を抑えるヘアオイルやワックスを買ったり、顔の産毛を剃ってみたりし始めました。
その後努力の甲斐あってか、4ヶ月後、地元の信用金庫の内定を貰いました。清潔感のお陰だと思います。
現在、30歳になり社会人となって
大分たちましたが
今は楽しんでメイクをしたり、休日は自分に似合うおしゃれを探求したりしています。
劇的に美しくなったとかモテモテになったことは決してありませんが
自分が恥ずかしくて仕方がないという
学生時代にずっとあった気持ちが
いつの間にかかなり小さくなっていました。
ここが私にとってかなりの収穫でした。
コンプレックスで悩んでいた高校生時代から
取り組めていたら私の青春はワントーン明るかったのではと思います。
鏡の前でメソメソしている高校生の私に教えてあげたいのです。
ショック療法に近いものがありましたが
あの面接があってよかったかもしれません。
言いづらい事を真っ向から言ってくれた面接官の人、ありがとう。
身だしなみから始まって美容について、垢抜けるために実践したことについて
参考にはなりませんが
奮闘記として次回から書いていきたいと思います。
ここまで
読んでいただきありがとうございました。
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