中高生の恋愛を振り返って①

中学2年生、好きな人ができた。まだ私が中学1年で周囲からいじめられ、人に不信感を感じていたときだった。恋愛漫画にもよくある場面だが、私が落とした消しゴムを彼は拾ってくれたのだ。こんなことでちょろいかもしれないが、最近まで惨めな思いしていた多感な時期の私はその彼がしてくれたことが嬉しく恋に落ちた。
それから彼のすべてが輝き、オーラを放ち、眩しくて私には直視できなかった。サッカーをしている彼や、友達とふざけ合っている彼、女子をからかっている彼を見ていても、不思議と私に意地悪してきた男子達よりも優しく関わっているようにみえて、嫌な気持ちにならなかった。手先が器用で技術の時間に作品を作り上げている姿をみるたびに神々しく感じていた。目が合った(合っているようにみえた)瞬間、私のこと好きになってくれたかも?と思い込んだり、男子が好きな女子のあだ名をつけるようなやり取りをみて、私の名前を言ってくれているのではないかと妄想を膨らめたり、照れているだけで私と両思いなんじゃないかと思い込みをしたりもした。
思い込みがある中で、風の噂で他の女子と付き合っている話が立ち込んだときも、ショックだったけど自分のことを好きでいてくれているとも確信がなくとも思い込んでいた。
その片思いを1年間続けたのだ。

片思いに終止符を打ったのは、年度末の春休み。
クラス替えがあるし、思いを打ち明けて、当たって砕けたい!という思いで、連絡網を使って彼の自宅に電話をかけた。彼本人が電話を受け、その瞬間「好きです!」と思いを放つと、ガチャギリ。誰かに言いふらされるの恐れた私は、もう一度かけ直し「このことは誰にも言わないで!」と口止めをした。
中学3年生に進級したとき、彼と同じクラスになったことがわかった。グループになった友達に、告白したところを打ち明けたところ「返事はもらったの?付き合わないの?」と聞かれた。私も返事を知りたいと思い、次は手紙を書いてみた。彼の机に置いて返事を待ってみたが、どうやら彼は男子トイレのゴミ箱に中身を見ないまま捨てたみたいだ。彼の姿を追っていた友達は、彼を引き止めて胸ぐら掴み、怒ってくれたみたいだった。
こんなことさせてしまった友達に申し訳なく思っていたし、自分の気持ちにも見切りをつけることができた中学生の淡い恋だった。
中学3年生の最後に、卒業アルバムの寄せ書きを書いてもらった。
「2年間ありがとう!」
私が今までいじめられていて、彩りがなかった日々を毎日をキラキラにしてくれて楽しく過ごせたり、自分が可愛くなろうと努力したり、自分磨きを頑張ろうと思えることができたのはあなたのおかげだ。 
悔しい結果にはなったけれど、今の生活につなぐことができたのも、あなたとの日々が経験になったからだ。
あなたがこれからも幸せに生きていることを願っています。

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